「「衝撃のラスト」後の、衝撃」FAKE もりめろんさんの映画レビュー(感想・評価)
「衝撃のラスト」後の、衝撃
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ゴーストライター騒ぎで世間を騒がせた、佐村河内氏に密着したドキュメンタリー映画。見終わった後に残ったのは、佐村河内夫妻の愛情に対する敬意と、「衝撃のラスト」によるモヤモヤ感。この映画が描いた「真実」は、佐村河内氏と新垣氏のどちらが嘘つきか、というレイヤーではない。罪人として石を投げられた或る夫婦、彼女たちのその後の生活という「真実」だったと思う。
ふたりが弱弱しく寄り添う姿は、報道過熱と佐村河内氏を嘲笑して石を投げた我々が生んだものだと思う。その意味において、佐村河内氏に同情してしまうような撮り方をした本作の終わり方は、あのラストをおいて他にないのだろう。
ところで映画館の帰り、ひとっ風呂浴びに近所の銭湯へ行った。番台を抜けると全裸の男が鏡の前に立って、サイドステップを踏みつつ軽快なリズムで「アッポーペン!パイナッポー・ペン!」と歌っていて、こりゃ随分なおfakeだなって思った。
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