「共犯関係」FAKE ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
共犯関係
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私は佐村河内氏をほぼクロだと決めつけて、作品を鑑賞し始める。
佐村河内氏は聴覚障害者ではないのかもしれない。作曲することができないのかもしれない。もしかすると嘘をついているのかもしれない。しかし、この作品は私の期待を反して、佐村河内氏個人が起こした捏造物語ではなかった。
森監督は、撮る側も撮られる側も、作る側も作り出される側も、共犯関係であるということを暴きだした。更に、捏造を捏造と疑わずに受けとる私達をもあぶり出し、ある問いを投げかけた。
映画をニュースをテレビをどの眼で見て、どの耳で聞いて、どの頭で考えたら良いのだろうかと。
佐村河内氏が飽きられれば、メディアはネタを量産し「FAKE」を仕込み続ける。某タレントの不倫報道、某野球選手の薬物騒動、某歌舞伎俳優の、某、某、某。
しかし、私は何の根拠もない「FAKE」を目にした時、頭の中で繰り返し繰り返しこの作品のことを思いだし、そして自問し続けることになるだろう。捏造を受けとるという自問を。
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