「決して交わらない使う側とカモの交点」マネーモンスター movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
決して交わらない使う側とカモの交点
警察の射撃計画を、依頼したテレビ局そのものが邪魔していて現実的にはありえないのだが、面白かった。
緊迫した状況の中でも、視聴者にとって何が1番面白いのかを最後まで優先させたプロデューサーと司会者とカメラマン。
人質になる前は、ただのショーマンにしか見えないが、時を追うにつれ真のテレビマンの姿。
少額投資の株など、思惑と資本力を持つ使う側の人間のカモになるだけだが、それにすら気づいてない人は沢山いるし、気付いてもカモはカモのまま踊らされて終わるのが世の縮図。
ところがこの作品の中では、カモとなった一般市民が直接対決を仕掛け、株を煽った司会者と、暴落させた張本人アイビスキャピタルの社長と会う計画が叶う。
普通なら、階級社会において住む世界の異なる面々の交点はなかなかないまま、声も届かず終わるが、テレビ局を介した事で直接対決が実現し、真相を暴けたのが面白かった。
現実はマスコミもマスゴミと言われ踊らされているから、実際は映画でなければ成り立たない展開。
ただし、マスコミがどれだけ世間を煽ろうと、視聴者が知りたいのは真実ただひとつという点も描かれていた。
敏腕プロデューサー、アイビスキャピタルの広報、射撃計画を聞き報告したのも、全て女性、ガンガン指示出して、仕事して、カッコ良い!真実を追求できたのは彼女らのおかげ。
ジュリアロバーツのエリンブロコビッチが大好きだから、本作も楽しめた。
カトリーナバルフもとても美しく聡明で理知的。
ジョージクルーニー扮するリーゲイツ。7歳児と作内で言われている通り、喋りがうまいだけでなぜビジネス絡みのエンタメ番組司会が勤まっているのか謎の幼稚さだが、それ故に人質になった場合はプロデューサーの指示を素直に聞けるのか?
警備員に一言。仕事をしてください。