イーグル・ジャンプのレビュー・感想・評価
全8件を表示
栄光の瞬間
イギリス初のオリンピック・スキージャンプ・プレイヤー、マイケル・エディ・エドワーズ=通称“エディ・ザ・イーグル”の半生を描いた伝記映画。
日本劇場未公開ながら、タロン・エガートンやヒュー・ジャックマン出演。監督のデクスター・フレッチャーとタロンはこの後再び伝記映画『ロケットマン』で組む事に。
スポーツにも疎い私。無論全く知らなかったが、いつぞや何かの番組で紹介され、映画の概要は知っていたので、“あ、『イーグル・ジャンプ』の人だ”と記憶に引っ掛かって覚えていた事はあった。
オリンピック選手も様々な経歴を持っているが、このエディは異端中の異端。
元々スポーツが得意で、大会などで優勝して、将来やオリンピックを期待されていた訳ではなかった。
寧ろ、運動音痴で近眼。スポーツマンとは程遠いタイプ。
しかし何故かオリンピックに魅せられ、オリンピックに出る!…が夢に。
母親は寛容に応援するが、左官職人の父親は一蹴。父の左官の仕事を手伝う事に。
そんな時、イギリスにスキージャンプ選手が居ない事を知り、スキージャンプでオリンピック出場を目指す。
スキージャンプの経験…? 無い無い。
決めたらそれに向かってバカ正直まっしぐら。
何のスキルも無いのに、スキー板を買ってスキー場へ。
ちょうどオリンピック出場を目指すノルウェー選手が練習中。自己紹介とオリンピックを目指している事を告げると、嘲笑。まあ、当然かな。
それでも本を読んで得た見様見真似の知識で練習。初ジャンプ!
勿論、失敗。って言うか、よく大事に至らなかったもんだ。
見てられないとばかりに、圧雪係の男が声を掛けてくる。
ただのぶっきらぼうな飲んだくれと思ったら、オリンピックにも出場した事のある元スキージャンプ選手、ブロンソン・ピアリー。
ワォ! じゃあ、教えてよ。
無論お断り。
めげるという言葉を知らないかのようにまたまた練習。またまた失敗。
その姿に根負けしたか、練習を見てくれる事に。
妙な形とはなったが、晴れて目指す。オリンピック、見えてきたじゃん!
とにかくエディのポジティブさ、真っ直ぐさ。
それがこの作品そのものであり、実に爽快。
だから見ていて嫌な気持ちにはならない。万人受けする爽快さと感動の実話スポーツ・エンタメ。
とは言え、ちょいちょい気になる。
オリンピックに出たい!…くらいの軽い気持ちで始め、運がいいんだか、とんとん拍子で。
一応は周囲の偏見、厳しいルール、実際高台に立った時の恐怖…。それらも描かれているが、何だか見ていてあまり重く高い壁のように感じない。
あっという間にオリンピックの場へ。実際はそんな簡単な事じゃないだろう。
練習、練習、練習。練習に明け暮れ…。それでもオリンピックには届かない。届くのは、ほんの一部…。涙を呑んだ選手がどれほどいる事か。
スポーツに疎い私でも、オリンピック=例えばアカデミー賞に置き換えれば、それがどんなに容易い事じゃないかくらい分かってるつもり。
それに、何度も失敗。最悪なら死亡、骨折でも当たり前。なのに、ほとんど打撲軽傷程度。超人か!
別にエディ自身やそのスポーツ人生を否定するつもりは無い。
実際にそれをやり遂げてしまったんだから、ぐうの音も出ない。
近代オリンピックの父の言葉。
“オリンピックは勝つ為だけじゃない。出場する事に意義がある”
それを体現したと言えよう。
どんなに偏見嘲笑されようとも、結果は最下位でも。
出場する事、挑戦する事に意義がある。
例え見世物と言われたって構わない。いや、ただの見世物では終わらせない。
大会終わり、委員長が「ある者は鷲のように跳んだ」。それに対する観客の熱狂歓声。
実況の言葉。「鷲が舞い降りた」。
ちゃんと魅せるものを見せてやった。
実は骨のあるスポーツマンなのだ。
タロン・エガートンが快演。若者が教えを乞い、サクセスしていく様はあの作品のよう。
ヒュー・ジャックマンも好助演。ワイルドで、葉巻じゃないけど煙草を咥える様はあのキャラのよう。
デクスター・フレッチャーも快演出。楽曲の使い方も良く、これが後々の『ボヘミアン・ラプソディ』の代打や『ロケットマン』に繋がったのかなと。
夢を諦めない。
挑戦する。
痛快なほどストレートだが、その後の事にも一理ありと感じた。
これ以降、スキージャンプに厳しいルールが設けられたという。
エディみたいにポジティブ思考で始めて、誰もが成功する訳じゃない。一歩間違えたら大事故や死亡に繋がる。
エディは強運と天性の才に恵まれていた。
厳しいルール、それに見合った実力、並々ならぬ意欲と決心。
そして、強運とめげぬチャレンジ精神。
それらがあって、挑戦し続ける者が、“栄光の瞬間”を掴む。
タイトルなし(ネタバレ)
自分の夢に万の方法で挑戦し才能を開花させた主人公
自分を諦めず自分の才能がどんな事にあるのか
見つかるまで探し続けるってそれこそがすでに才能よね
ウルヴァリン君、こんなハートウォーミングな映画にも出るんだね
2人きりのエレベーターの中で鳥人が言った
勝ち負けに拘るのはザコだ
魂を解き放つ為に飛ぶ
今日歴史を作れるのは俺たちだけだ
世界中が見てる中でベストが出せないと
俺たちの魂が死ぬ 永遠にってセリフがイカれた本物にしか言えない迫力があって君の物語が見たいよ!となった
1と11はすごく近い
スキージャンプって、見てるのはいいけど、怖くて自分で飛びたいと思わないなー。エディは、怪我してでも飛びたいって、どうして思えるのだろうか。風を切り、空に浮かぶ、その瞬間の気持ち良さ、そんなに癖になるもの? うーん、想像したいような、したくないような…。
憧れに向かって、しゃにむに突き進む、熱い思い。呆れられ、馬鹿にされ、意地悪されても、冷めない。いや、ほんとすごい。ある意味、これくらいしつこくないと、夢はかなわないね。
印象的だったのは、優勝候補の美少年マッチの言葉。記録からすれば、彼とエディは雲泥の差だが、ジャンプへの気持ちは、時計の針の1と11くらい近い。なんと清らかな。一流の人は、やはり心ばえが違う。エディが開会式に出られないように、嫌がらせした選手達のせこいこと。奴らは間違いなく、アスリートとしては三流だね。
未体験なのに、90mのジャンプ台から滑走するエディ。ちょっとバランス崩したら、死ぬかもしれない。が、恐怖を乗り越えて、飲んだくれコーチ・ピアリーの教えを忠実に守り、見事に着地する。そこに流れるのは、あの超有名な曲。JUMP! しかし、ピアリーは、なぜこんなに薄着なの? 寒くないのか!?
情熱だけでオリンピックに行けた時代。今やエディのようなケースはありえなくなった。高度なレベルの競技は見応えあるんだけど、エディみたいな存在も、ほっこりしていいなぁ。近代オリンピックの祖、クーベルタン男爵は「参加することに意義がある」と言ってたよね。メダルを取るのだけが、オリンピックじゃない。エディはオリンピック出場を望んだけど、成績アップのためにドーピングはしなかった。純粋で謙虚だった。だから見てる方も感動する。人為的に増強した、ロボットみたいな人間が、どんなに強くても、こっちは引くんだよ。なんか、そんなことを考えながら見ていたら、想定外に泣けてしまった。愚直って琴線に響くのだよ。
意外にもいい映画だった。NHKの放送にて。
愛おしきチャレンジャー 〜 鳥の翼のように
イギリス史上初のスキージャンプオリンピック代表選手エディ・エドワーズをタロン・エジャトンが、怪我をも厭わず果敢に挑戦するエディに根負けし、担当コーチとなるブロンソン・ビアリーをヒュー・ジャックマンが演じる。
楽曲が小気味いい。
主人公エディが、史上最年少のチャンピオン、マッチ・ニッカネンとジャンプ台に向かうエレベーター内て交わすやり取りがいい。
終盤、エディと共に飛ぶ私達の心も、感動に包まれる。
小林陵侑選手、高梨沙羅選手、他選手の皆さん、沢山の感動を有難う ✨
北京オリンピックスキージャンプ開催に重なるタイミングでのテレビ放送に感謝。
ー魂を解き放つために飛ぶ
ー遠いけど他のやつらより近い
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
エディのような人が世の中を変えていく
居眠りしてて起きた時テレビつけたらたまたまやってて、軽く見始めたらいつのまにか夢中になって観ていた。幸運な偶然だ。
ただオリンピックに出たいという情熱だけで、才能もお金もコネも、トレーニングの経験さえもない運動音痴の素人がオリンピックに出場してしまったという嘘みたいな実話。
この映画には本当に勇気づけられたし、自分を反省する機会にもなった。
人生において大切なのは、他人からの評価とか、体裁のいい肩書きだとか、合理性だとか、計画性だとか、現実性だとか、そんなんじゃない。
ただただ、これがやりたい、これが面白い、これが楽しい、これが自分だ、と思える何かを貫き通す、ということなんだろうと思う。
主人公のエディは、母親以外のほとんど全員から、お前はおかしい、お前はまちがってる、と言われ続け、馬鹿にされ、ときにひどい妨害を受け、それでも自分の「やりたい」を徹底的に貫いた。
そんなエディの姿に、周囲も影響され変わっていく。
もし現実にエディのような人間がいたら大迷惑だろう。僕が友人だとしても絶対に反対するだろうと思う。馬鹿にしてしまうかも知れない。
でも世の中を本当に変えていくことができるのは、そんな大迷惑をかける人間なのかもしれない。そしてそんな人は合理性と現実性でだんだんつまらなくなっていくこの世の中を少し楽しくさせてくれる人なんだろう。
スポーツの何が人を感動させるかといえば、そこに人生の縮図があるからではないか。
勝利よりも参加することに意義がある、成功することではなく、努力することが重要である、という近代オリンピックの精神がこの映画にはこめられていると思った。
本当に自分が価値があると信じられるもの、正しいと思うことを、誰からの理解も得られずに貫いて努力し続けるのは、本当につらいことだと思う。世間的な価値観に合わせて自分をごまかして生きていく方がずっと楽だ。しかし心の奥底にある、「これは嘘だ」というささやきを無視し続けることになる。
この映画は、そのような努力が最後には報われるという物語。だけど、報われないとしても、人は自分に嘘をつかずに生きるということでしか、本当の意味で生きたことにはならないのだと思う。
ところでエディのコーチ、ヒュー・ジャックマン演じるピアリーはマジかっこ良すぎる! タバコを吸いながらジャンプするシーンはホントしびれた。
タイトルなし
カルガリー冬季五輪にイギリス人選手として初出場したジャンパーの実話。タロン・エドガートンの演技がわざとらしく感じたが実際もきっとそうだったろう。父親や英国五輪協会からも反対を押し切り、五輪出場するという信念を貫き通すのは感動。終始応援する母親や、初めは相手にしないコーチ役のヒュー・ジャックマンが素晴らしい。参加することに意義があるの名言はあるが、60mだけで笑い者で終わるのでなく、自ら五輪の場で初めての90mジャンプに挑戦した心意気が素晴らしい。ラスト、ヒュー・ジャックマンのかつてのコーチだったクリストファー・ウォーケンの存在感は圧巻だし、ヒュー・ジャックマンを認めるのは感動。
全8件を表示






