「ベルト取られてニヤついてんじゃねーよ」グランド・イリュージョン 見破られたトリック ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルト取られてニヤついてんじゃねーよ
ジャックも女子には形無しやな。
トリックに次ぐトリックで爽快感抜群のスリラーを見せてくれたグランド・イリュージョンの第二弾。今回は潜伏してから一年後が舞台。
髪の毛切りすぎちゃって最初誰か分からなかったアトラス始めいつものメンツ、かと思いきや女子キャラが変更となり、ちょっとやかまし目のルーラが仲間入り。今回はIT企業の不正を暴くために新製品の発表会をジャック、したつもりが計画がどこかでバレてしまい、途中で逃亡。用意していたシューターで逃げるつもりが、なぜかとんでもないところに着いてしまう。
前回の手際の良さを知っているだけに、ここでおやおや?となるわけだけど、そこが本作のキモ。二手、三手先を読んだ行動で危機を回避していたホースメンが悉く先を読まれる展開に。新たな敵かと思ったらそこに繋がってんのねーな敵や、身内の裏切者なんかも出てきて終始苦戦を強いられる。
彼らを拉致したものの真の目的は?敵は誰で味方は誰だ?と脳みそフル回転でストーリーを追いかけるけど…。
やっぱり二作目は難しいなぁ。前回よりも強敵じゃなきゃいけないから、敵の能力が爆上がりするかこちら側の能力が平凡になるかのアベンジャーズ症候群に陥っている感じ。こんなにあっさり騙されるんやっけ、あの全部先回りしてます的無敵感満載はどうなってしまったんやっけ、と感じちゃう。
また、前回は良くも悪くもお父さんの敵討ちがベースにあっての作戦だったけど、今回のは世直しかい?なぜITの闇を暴くって話になったんだい?というところがイマイチピンとこない。そういう意味からも、前回の話からの繋がりを無理に作らんでも良かったし、なんなら終盤のアレコレは、じゃあ一作目は何やったのよとなってしまって逆カタルシス。
俳優さんたちは前回同様それぞれのキャラ立ちが素晴らしいんだけど、ルーラはちょっと苦手かも。何というか、総じて賑やか過ぎかな…。あと監督の推しなのか中国メンツが出てきます。唐突に出てきます。
色々文句を言ったのは、一作目がスカッとしまくったから。あれを超えるのはなかなか難しいかも。ちょっと比較対象が強すぎた。
それでも、終盤のゲリラライブの雰囲気はやっぱり楽しいしカッコいい。あの時に流れる音楽も超ワクワクしてくる。
そこ(だけ)で星四つ。
二作目は難しい。