「前作を見ていないけど楽しめました」グランド・イリュージョン 見破られたトリック うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
前作を見ていないけど楽しめました
難攻不落のセキュリティをかいくぐって、最新のチップを盗み出す計画に、カードマジックを駆使して挑むイリュージョンチームのシークエンスが興味深く、見せ方も鮮やかで、説得力のある映像でした。
もちろんVFXを使った映像ですが、その見せ方が上手で、最後まであきさせません。そもそも予告編でも使われた、「降っている雨を空中に留めてしまう。そして空に逆流させる。」という映像にひきつけられて、劇場に足を運んだわけですが、その価値はあったと思います。
しかも続編であることも知らずに見たので、始まってから少し不安がよぎりましたが、心配要りませんでした。普通に理解できます。
ハリー・ポッターで有名なダニエル・ラドクリフが悪役を生き生きと演じていますが、甘えの残る御曹司というキャラに実に天然にはまっていました。
=============以下ネタバレ==============
良かった点
・イリュージョンを実演するメンバーたち。観客の反応も含めとても鮮やかな手口で、相当な個人練習を積んだと思われる。
・父親の脱出トリックの失敗がトラウマになっている主人公のアイデンティティを簡潔にストーリーに組み込んだプロローグ。
・相変わらず憎めない悪党が似つかわしいマーク・ラファロの存在感。
・モーガン・フリーマンのナレーションww
良くなかった点
・常に画面がガチャガチャしていて、情報量が飽和限界を超えていたこと。トリックを成功させる上で、観客の視点をあちこちに散らすことを狙ったのでしょうが、それにしても散らかっています。
・さらには、字幕スーパーで鑑賞したので字幕を読まねばならず、驚異的に目が疲れる。
・悪役の金持ちが何を企んでいたのか、もうひとつ伝わらなかったので、結末の爽快感が…
・マーク・ラファロの泥臭さ。とてもじゃないが洗練されたイリュージョニストには見えなかった。
2016.9.23