「「お前の変態など、変態ではな~い!」と言いたくなった。」HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
「お前の変態など、変態ではな~い!」と言いたくなった。
1作目の方はすごく好きで、何回も見ている。
2作目がやるというのを直前に知って、どうしても見たくなり、公開初日に見にいった。
なぜか上映館数が少ないので、見に行くのに少し苦労した。
観客はそこそこ入っていて、女性もけっこう多かった。
1作目がすごくよかったから、多少パワーダウンはするだろうなと思っていた。
でも福田監督はコメディー作る監督には珍しく、めったにはずさない人だから、そこそこ面白いのだろうという期待もあった。
見た結果、予想通りでそこそこ面白かったけれど、やっぱりパワーダウンしていて、少々残念な気持ちになった。
姫野愛子(清水富美加)のパンティを被って変態仮面となり、悪と戦う色丞狂介(鈴木亮平)。しかし、狂介と愛子の思いは徐々にすれ違い、複雑な感情を抱く愛子は、狂介にパンティを返してもらうことに。だが、その直後、大学で女子学生のパンティが大量に盗まれる事件が発生し、愛子は狂介を疑い始める。愛子に対してひそかに好意を寄せる同級生の真琴正(柳楽優弥)は、気付かぬうちに愛子を傷つける狂介を、憎しみの目で見つめていた。そんな中、新任の若い女性教授彩田椎名(水崎綾女)が狂介に接近し始める。二人で彩田の家から出てくるところを車に乗っていた愛子に見られてしまった狂介は、誤解を解こうと愛子を追いかけるが追いつかない。そこにパンティーを盗んでいた怪人が襲い掛かってきた。パンティーのない狂介は変身できず、なすすべなくやられる。無意識の内に彩田のパンティーをポケットに入れていたことに気づいた狂介は、それをかぶって変身し反撃、怪人を倒すが、怪人は爆死したはずの大金玉男が生きていることをつぶやいた。狂介は愛子にそのことを告げるが、愛子は信じず、傷心のままアメリカ留学に旅立った。その後、世界中からパンティが消えるという事件が発生し、絶体絶命に陥る変態仮面の前に、大金玉男と大金が作り上げた最強の怪人が出現する。
変態仮面というより、アメコミ原作の映画(主に『スパイダーマン』)のパロディーと、他の映画やテレビなどのパロディーが増えて、下ネタ満載のハリウッドのコメディー映画っぽくなった。
変態勝負みたいなのが面白かったのに、最強の変態とか、変態こそが正義みたいな主張がなくなって、変態技というより、通常の特殊能力の戦いみたいになっていた。
愛子に初めから正体がばれているのも緊張感がない。
愛子は重要な役で、何も知らない清純派の人でないとよくないと思う。
清水富美加さんは、1作目は堀北真希さんの若い頃みたいなイメージだったのに、その後バラエティーに出すぎて色がついてしまって、変態仮面と一緒にいてもまったく違和感がなくなった。(これ書いた後、さらに大変なことになったし・・・?)
水崎綾女さんも色気があるのはいいのだけれど、いかにもという感じで意外性がない。
柳楽さんは福田監督のTVドラマ『アオイホノオ』に主演していて、そのつながりで出演したのだろうと思うけど、変態仮面は違うのでは?という感じだった。
一番残念だったのは、福田組の大番頭的な存在の佐藤二朗さんが出ていなかったところ。
1作目に佐藤さんがやっていた悪役だか正義の味方だかわからない”真面目仮面”は最高だった。
無理やりにでも復活させてほしかった。
あと安田顕さん出すのなら、”ニセ変態仮面”でよかったのでは?
予告編を見た時は、てっきり”ニセ変態仮面”が落ちぶれた姿だと思っていた。
仲間になって、一緒に戦うというストーリーも見てみたかった。
この映画みた後、1作目のニセ変態仮面の台詞みたいに、「お前の変態など、変態ではな~い!今日からノーマル仮面と呼んでやる。」と言いたくなった。