「初恋と色使いの淡さ」風の又三郎 mrさんの映画レビュー(感想・評価)
初恋と色使いの淡さ
色は塗りムラがあるけど優しさを感じさせる淡さがあり、キャラクターはよく動くし、送電線工事のシーンの遠景で作業員がちゃんと動いていた辺りはそこまで描くかってレベル。
背景や人物は絵の具で塗ったみたいな風合いだけど、車や星など、ところどころCGっぽさも。
宮沢賢治の同名小説は読んだことないけど、どうやら学校のクラスメイトが動物だったり、又三郎と噂される転校生が女の子っていう設定はオリジナルらしいし、同じなのは「風の又三郎」という偶像に対する認識ぐらいなのかな。
どの動物もそのビジュアル、キャラクターの描き方に親しみやすさがあった。クマとかコオロギとか特に。笑
今思えばあの淡い色使いは、主人公の淡い初恋に重ねる意図があったのかも。そういう狙いがあるからこそ、星の軌跡で表す時間や彼女を乗せる車には逆にCGを用いたのかな。
シンプルだし起伏に富んでいたわけではないけど、わりと好きな作品だった。又三郎のうっかり具合も含めて。笑
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