「破滅のノック」ノック・ノック 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
破滅のノック
家族は外出。家に一人お留守番。
雨の夜。突然のノック。
訪問者は、ずぶ濡れの若いセクシー美女二人。
あなたなら…いや、男ならどうする?!
まずは紳士的に対応して…。メッチャ頼られてるし。
で、いい感じに持っていって…。あっちもその気あり。
よっしゃ、キャバ嬢呼ぶ手間と金浮いたぜ!
…な~んて思ってたら完全に当てが外れた。
男の夢のシチュエーションから、絶体絶命の窮地に…。
家族を愛するエヴァン。誘惑に踏み留まる。好感キアヌだし。
が、全裸シャワー姿にさすがにKO。だって、アナ・デ・アルマスちゃんだぞ。もう一人はイーライ・ロス監督夫人、ロレンツァ・イッツォ。こちらも美人さん。
こんな美女二人に迫られたら、しょうがないでしょ!?
しかし、それが運の尽き。
罪悪感抱えつつ充分楽しみ、翌朝もう帰ったと思ったら、まだいた。
しかも態度が急変。キッチンや仕事場や家の中をしっちゃかめっちゃかにし、妻や娘の服を勝手に着、昨夜の事を武器に脅してくる。
何なんだ、こいつら!?
一夜のお楽しみから悪夢へ…。イーライ・ロスの『ホステル』を彷彿。
半ば強引に追い出し、“家”に送り届ける。
やっと解放。と思ったら、
舞い戻って来やがった。
エヴァンを拘束し、拷問ゲーム。
叫ぶ。怒る。助けてくれ。懇願。
あのジャックが…。あのネオが…。あのジョンが…。
カッコ悪く、情けないキアヌだが、熱演。
ロレンツァとアナの二人に戦慄。
一体、何が目的…?
“家族を愛してる”なんて言ってる男こそ偽善。誘惑で簡単に堕ちる。そんなバカ男どもに制裁。
最もな事を言ってるような、ただのイカれキチ○イでしかないような…。
事故とは言えエヴァンの友人を死に至らしめ、散々悪行を尽くしたのだから、天罰が下るのかと思いきや…。
結局天罰が下ったのはエヴァンの方。超哀れ、あんな姿に…。
二人は罪からまんまと逃れ、また次の標的を狙うのか…?(実はエヴァンも計画的)
家に帰ってきた妻子は…?
そしてエヴァンは…?
最後は明確に描かれず、中途半端。尻切れトンボ。後味胸くそ悪さ。
でもそれが、イーライ・ロス色のようでもあり。