劇場公開日 2016年6月11日

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「いい人キアヌでも浮気はします。」ノック・ノック レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いい人キアヌでも浮気はします。

2023年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

単純

たった一度の過ちで人生が台無しになるパターンの作品の中ではもっとも生ぬるく、すべてが想像の範囲内で物語が展開する。キアヌ主演のせいで無茶があまりできなかったのかな。

昔観た「危険な情事」なんて、不倫相手役のグレン・クローズがどんどんやることがエスカレートしていってかなり恐ろしくて楽しませてもらえた。あとからイーストウッドの初監督作「恐怖のメロディ」のパクリ映画だと知ったけど。

ラストも殺すか殺さないかどっちかだろうなあとは観客の誰でも予想すること。ただ、最後に二人が自分たちの誘惑を拒否する人間を探してるみたいなことを言う。どんなに家庭思いの男でもみんな自分たちの誘いには乗ってくるのだと。自分たちの家庭が父親の裏切りで崩壊したためその復讐をしてるみたいなことなのか。
作り手は一度の過ちが家庭を崩壊させてしまうかもしれないなんてのを教訓にしてとでも言いたいのだろうか。
いや、こういう作品にそんな説教じみたものは不要だから。教訓めいたものもあえて明示する必要はない。そういうものは見る人間それぞれが感じ取ればいい。

この映画で観客の私が求めたものはあの二人がどんどんエスカレートして想像を超える異常な行為にまで至ることだ。妻の芸術作品を壊したり、人を一人くらい殺すなんて生易しいものではなく。
観客の予想の上を行ってはじめて観客は映画を楽しむことができる。誰もが想像できる範囲のものをわざわざ見に来たりはしない。

ただ、二人の主演女優はさすがに目の保養になった。ロレンツァの方は一時監督の奥さんだったらしい。そりゃあ監督も手を出すのはわかる。前作の「グリーンインフェルノ」でも主演だったし。
スリラー映画としては凡作。しかし、主演の二人の美女のおかげでまあまあ楽しませてもらった。

自分なら彼女らの誘いに乗るだろうか。もちろんイエスだ。

レント