聖の青春のレビュー・感想・評価
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静謐。 特に後半はいい映画だと思うのだけれど、全体が静謐かつ大阪感...
静謐。
特に後半はいい映画だと思うのだけれど、全体が静謐かつ大阪感、底辺感で、少し自分には合わなかったかな。
ただ、羽生と聖のわかりあえる感のとこは素晴らしかった。ピンポンのドラゴンやZEROのトラビスがたどり着けなかった高みを(ともに松本大洋のマンガ)、羽生の言葉を借りれば深さを、二人はきっと体験できたんだろうな。
そういう「道を極める」映画として秀逸なだけに、全体のオーラをもう少し青春的にというか大衆的にというかできていたら、大ヒットだったように思う。惜しい。
ただ、漫画もこのオーラだったから、これがこの話の味なのかもしれない。
血肉の溢れる青春
主人公の人間味を包み隠さず表しているところが、この映画の良いところだなと思いました。
決して格好良くないんですよ。
だらしないし、わがままだし。
それでも追い続けたくなる不思議さがありました。
頂上級の人たちは、きっと我々には簡単に理解できない思いがあるのでしょう。
特に主人公の彼には、余命との闘いがあったわけだし。
彼の気持ちを汲み取ろうと思えば、もっと味わえる作品だと思いました。
実在の人物については、全く知識がありませんでした。
それでもちゃんと楽しめました。
東出昌大と2人きりのシーンは印象に残りました。
松山ケンイチの渾身の肉体改造(?)にも、俳優魂を感じました。
周りのキャストも皆さん素晴らしかったです。
本人が憑依してた
元々将棋が好きで楽しみにしてた今作品。
物語なので一部フィクションを踏まえつつなのですが、松ケンさん演じる聖と、東出さん演じる羽生さんが居酒屋で膝をつき合わせて会話するシーンはなんとも言えずじんわりくるものがありました。
好きなものも、過ごした時間も違う二人だから会話がなかなか噛み合わないのだけど、唯一、将棋に対する姿勢や矜持が一致する。同じ世界を見てみたいと思った聖の運命がとても悲しかった。
最後二人で戦ったシーンは、ご本人が憑依してるんじゃないかと思うほど面影があった。
でも、東出さんが渡辺明さんのファンということもあって、指し方が羽生さんというより渡辺さんかな?と思うこともあった(笑)。
ともかく良い映画。もう少し経って記憶が薄れた頃にまた観てみたいと思う。
ここまでしてこそ、将棋に命を懸けた、って言えるのだな。
松山ケンイチ演じる聖が、あまりにも可愛げがない。なのに、周りの仲間が彼をいろいろと援助するのだ。なぜならば、彼がまさしく命を削って将棋に生きていることを知っているからだ。
付き添いの看護婦が、長時間の対局は身体にさわるよと責めても、師匠たちは意に介さない。それどころか軽く笑い返している。もう、この場面で泣けてしょうがなかった。聖が、将棋のために命を懸けていることをよくわかっているからだ。だから、思う存分羽生と戦えることが聖の本望なのだと知っているからこそ、やりたいようにさせているのだ。
そのライバル、羽生役の東出の立ち振る舞いがまたなんともいい。ヒールにならず、お互いがリスペクトしあってる空気に満ちていた。彼がいたからこそ、聖の人生が輝いたのだと思う。だから、「さっきまで羽生さんがいらっしゃっていたんですよ」にも泣かされてしまった。
注文を付けるとすれば、聖の将棋の強さがあまり伝わってこなかった。たとえば対局の中で、その一手がどうすごいのかを表現できなかったか?
とはいえ、対局の雰囲気はいい緊張感だった。極力、音楽や効果音を入れないでくれたおかげで、駒を置く「パチン」というが活きていた。
一戦一生
そんな言葉が頭に浮かびました。
細かい絵作りに好感が持てました。ちょっと説明的かな?とも思わなくもないけど、周囲の人たちが大きな動きをしているわけではないのにイキイキと描かれているのがとても良かったです。俳優さんたちの演技が本当に良かった。一人一人の感心ポイントを挙げて言ったらきりがなさそう!
松ケン演じる村山くんには、ムカつきつつ目が離せなかった。だってあんなデリカシーのない人ムカつくでしょう!でも実際側にいたら、描かれていたように愛したのかなと興味が湧きます。
生々しい人物像
もともと興味があった題材なので予備情報なしで観賞しました。
演者の皆さんの役作りがとても素晴らしいと思った一方、主演の松山さんが最後まで松山さんにしか見えない、というなんとも矛盾した感想を持ちました。
それでも、主人公の生々しさは伝わって来ましたし、「負けたくない」にはぐっときました。
村山聖さん、家族、仲間の葛藤と覚悟が随所で心をうつ作品でした。
羽生さんをもっとラスボスっぽくしても良かったかな?なんて思いました
将棋の駒を打つ音が、村山棋士の鼓動のようで。
2017年の幕開けに、何の映画を観ようかと考えていて、昨年から俄に評判になっていた聖の青春を選びました。よい選択だったと思う。将棋の知識も無いし、村山聖棋士の事も知らなかったけど、穏やかに胸に迫る良作でした。”ソウルメイト”と呼ぶに相応しい村山棋士と羽生善治棋士の繋がり、師匠と弟子達の関係、親子の絆…短命で偏屈な天才をとりまく人間関係が温かくもあり切なくもあり、くすっと笑える。日本のロバート・デニーロばりに20kgも体重を増量して挑んだ松山ケンイチさんも凄いけど、東出昌大さんはまるで羽生棋士が憑依しているかのような本当に凄い演技でした。他の俳優陣も素晴らしかったと思います。対局の時間の経過を街の景色の移ろいで表現したり、空を駆ける二羽の白鳥が両棋士の闘える喜びを現すような演出も良かった。蛇口から滴る水のように一日一日を絞り出すよう生きてる主人公が、震える手で将棋の駒を打つ音…その音が村山棋士の鼓動のように聞こえ、盤面を打つ度に観客の心も打っていたように感じました。
お勧めです。
圧倒される。命懸けで挑み続けた勝負師の半生。
【賛否両論チェック】
賛:病と闘いながらも、自らの命を削ってまで将棋の世界で戦い続けた主人公の姿が、時に痛々しく、時に凄みをも感じさせる。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味がないと眠くなりそう。将棋の試合内容のスゴさそのものも、あまり伝わっては来ない。
“怪童”と呼ばれ、その将来を嘱望されながらも、重い病に苦しめられ、それ故に次第に偏屈になっていってしまう主人公の葛藤が、淡々とした中にも切なく描かれていくのが印象的です。
同時に、そんな彼が文字通り命を削りながらも、“将棋”という命懸けの勝負の世界に身を投じ、迫り来る命の終わりと共に戦い続ける姿には、鬼気迫るものを感じます。そしてそんな彼と対峙し、真剣勝負をし合ったからこそ生まれた、羽生善治とのライバル故の絆にも、また考えさせられるものがあります。
展開は淡々としているので、思わず眠くなってしまうかも知れませんが、勝負の世界に生きた1人の男の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。
二人の演技に努力賞
将棋にはそれほど詳しくなくても、羽生善治が7冠を独占し、それまでの谷川名人らを一挙にゴボウ抜きして「羽生世代」が登場してきた事くらいは知っている。
村山聖は、そんな羽生世代の中でも異色の存在で、風貌もさることながら、存在感があったことは覚えている。そして、若くして亡くなった村山聖を描いた原作は、連載時からそれなりに話題となり、筆者も単行本化された際に読んだ。
そんな筆者からすると、映画化された本作は、もう一つの出来だった。1度だけの視聴だったので的確なことが言えないのだが、村山聖の人生を描くには淡々としていた印象だ。否、ストーリーは決して淡々としてないが、どうにも物足りない。
一方で、主演の松山ケンイチと、羽生善治を演じた東出昌大の役作りは、なかなか努力したなと好印象を持った。役作りという点では、必ずしもモノマネ的にする必要はないのだが、これはこれで一つのアプローチだし、村山と羽生の特徴はよくつかめていた。
そんな二人の役作りや、周りの助演者たちの演技は評価したい。
マツケンの安定感の安心感( ̄∇ ̄)ノ
伝説の将棋士、村山聖の伝記の実写化を実力派松山ケンイチの主演とあって、鑑賞しました。
感想は普通に面白いです。
原作の漫画を読んでましたので、あのお話を2時間にどうまとめるかが気になりましたが、子供の頃に将棋に出会った話などはバッサリと切ってましたが、それはそれで良かったかなと。
圧巻は20kg増で村山聖を演じた松山ケンイチさんの変幻自在さ。いろんな作品に出演されてますが、どんな役にも合わせて来る、ある意味形が無いのが彼のスタイルで、それが安心感に繋がります。松山ケンイチが出演しているだけで、作品にハズレが無い様に感じるのは彼の今までの演技の積み重ねの功績だと思います。
また、羽生善治役を演じた東出昌大さんの羽生っぷりは見事です。
ただ、将棋に真摯に向き合うが故にワガママに振る舞っている様に見える事や、死への葛藤からの焦りや行動に対する内面のフォローやしぐさ等の描写が薄いのが痛いです。これでは、ネフローゼを抱えていて、常に死に恐怖していてもその道のプロは将棋以外はグータラで生活や服装、言動、行動もだらしない様に見えてしまいます。
まあ、普段の生活も確りとしている羽生名人との対比は面白いのですが。
また、もう少し、師匠の森役のリリー・フランキーさんに焦点を当てて、師匠から見た村山聖を見せても良かったかなと思います。
将棋や囲碁、カルタと昨今は日本古来の遊戯文化がブームですが、どの道においても、その道のプロになると言うのは平坦な道のりでは無いと思います。
死を感じながらも、道を全うした村山聖と言う青年の生きざまを知るだけでも、この映画を観る価値は有るかと思います。
迫力と緊迫感のある良作
迫力と緊迫感のある作品で、とても良かった。
松山ケンイチの底力をみた気がしました。完全に憑依していて、松ケンの良さが存分に出ていた。
東出くんも、羽生さんの特徴やクセなどよくとらえていたと思う。
他にもリリーさんや、時折緊迫感を払うように現れる柄本トキオなど、役者陣が粒ぞろい。
向井康介さんの脚本が好きなのですが、今回もとても良かった。
君の名は。で泣き所がわからなかった私は、こちらの作品で泣きました。
マンガで読んでから
映画化を楽しみにしていた
松山ケンイチの演技に感動し、羽生との対決シーンも
背筋がゾクっとなった
ただ1つ、途中の駅のシーンの改札が完全にSuica対応の改札で
なんかその瞬間興ざめしました
静かな感動
羽生善治さんを負かした実績と、生きたい、勝ちたい熱意が静かに、だが、強く伝わってきた。良い映画を見たと感謝。村山さんの名前は知っていたが、刃物を突き付けられるような対局の長時間の静かな緊張感、その中の一手一手、ひりひりするような互いの強い気持ち、ぼんやりと生きてきた自分を恥ずかしく思いながら見た。
松山ケンイチの気迫
松山ケンイチさんの演技を見たくて行ってきました。
予想以上に彼の演技はすばらしかった。まったく別の人格が乗り移ったかのようなしぐさ、振る舞い、にじみでてくる病気の陰。
役作りが本当に完璧になされていると感じました。
いっぽう、東出さんは、何を演じても東出さんのまま。
羽生さんに似ているのはよかったけれど、その表情からもセリフからも
なにひとつ読み取れなかった。
淡々とした感じを演じていたのかもしれませんが、深みがなかった。
松山ケンイチと対局をはれる人物が、羽生さん役を演じてほしかった。
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