「生きる事の不条理と真っ向から立ち向かった命…」聖の青春 もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
生きる事の不条理と真っ向から立ち向かった命…
クリックして本文を読む
神様って本当にいないんだろうなぁ…
自分だったらこんな風に生きられない…
でも、本当に命の期限が決まってたら、どんな生き方をするのだろう…と
昨年来たくさんの特集が組まれて、話題になった村山聖のたった28年の人生をベースに描かれた映画ですが、本当に壮絶で、生きる為に命を燃やし続けたという表現がぴったり当てはまるな…と感じました。
小さい頃からネフローゼを患い、自分の人生が短いと知っているからこそ、その短い時間を将棋というものに全てを賭ける…。
村山聖という人をさらに劇的に演じきった松山ケンイチも素晴らしいし、リリー・フランキーや柄本時生の個性あるキャラクターが、息の詰まる真実の物語と、人が生きて死ぬと言う壮大なテーマに少しの抜け感を作ってくれたのもとても良かったです。
劇中、聖が江川に「人はいつかは死んでしまう。いま僕らが考えなくてはならないのは、目の前の一手です」という旨の事を言いますが、死を意識しながら様々な人、将棋に真っ向からぶち当たっていく聖のセリフで1番頭に残りました。
こんなに壮絶な人生は送れないけど、生きる事には限りがあり、それは意味のあることでもあるし、もしかしたら本当に死んでしまうだけなのかもしれない。
限りの中で何を成していくか…ものすごく考えさせられる映画でした。
途中途中に、話の流れを暗示する情景描写や、聖が人として生きた事を描写する古本屋のエピソードなどが多数挟み込まれてて、大事な事なんだとは思うのですが…ちょい話を切り過ぎた感があるな…と思ったのは僕だけですかね…捉え方一つですが…
コメントする