「圧倒される。命懸けで挑み続けた勝負師の半生。」聖の青春 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒される。命懸けで挑み続けた勝負師の半生。
【賛否両論チェック】
賛:病と闘いながらも、自らの命を削ってまで将棋の世界で戦い続けた主人公の姿が、時に痛々しく、時に凄みをも感じさせる。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味がないと眠くなりそう。将棋の試合内容のスゴさそのものも、あまり伝わっては来ない。
“怪童”と呼ばれ、その将来を嘱望されながらも、重い病に苦しめられ、それ故に次第に偏屈になっていってしまう主人公の葛藤が、淡々とした中にも切なく描かれていくのが印象的です。
同時に、そんな彼が文字通り命を削りながらも、“将棋”という命懸けの勝負の世界に身を投じ、迫り来る命の終わりと共に戦い続ける姿には、鬼気迫るものを感じます。そしてそんな彼と対峙し、真剣勝負をし合ったからこそ生まれた、羽生善治とのライバル故の絆にも、また考えさせられるものがあります。
展開は淡々としているので、思わず眠くなってしまうかも知れませんが、勝負の世界に生きた1人の男の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。
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