劇場公開日 2016年11月19日

  • 予告編を見る

「マツケンの安定感の安心感( ̄∇ ̄)ノ」聖の青春 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5マツケンの安定感の安心感( ̄∇ ̄)ノ

2016年12月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

伝説の将棋士、村山聖の伝記の実写化を実力派松山ケンイチの主演とあって、鑑賞しました。

感想は普通に面白いです。

原作の漫画を読んでましたので、あのお話を2時間にどうまとめるかが気になりましたが、子供の頃に将棋に出会った話などはバッサリと切ってましたが、それはそれで良かったかなと。

圧巻は20kg増で村山聖を演じた松山ケンイチさんの変幻自在さ。いろんな作品に出演されてますが、どんな役にも合わせて来る、ある意味形が無いのが彼のスタイルで、それが安心感に繋がります。松山ケンイチが出演しているだけで、作品にハズレが無い様に感じるのは彼の今までの演技の積み重ねの功績だと思います。
また、羽生善治役を演じた東出昌大さんの羽生っぷりは見事です。

ただ、将棋に真摯に向き合うが故にワガママに振る舞っている様に見える事や、死への葛藤からの焦りや行動に対する内面のフォローやしぐさ等の描写が薄いのが痛いです。これでは、ネフローゼを抱えていて、常に死に恐怖していてもその道のプロは将棋以外はグータラで生活や服装、言動、行動もだらしない様に見えてしまいます。
まあ、普段の生活も確りとしている羽生名人との対比は面白いのですが。

また、もう少し、師匠の森役のリリー・フランキーさんに焦点を当てて、師匠から見た村山聖を見せても良かったかなと思います。

将棋や囲碁、カルタと昨今は日本古来の遊戯文化がブームですが、どの道においても、その道のプロになると言うのは平坦な道のりでは無いと思います。
死を感じながらも、道を全うした村山聖と言う青年の生きざまを知るだけでも、この映画を観る価値は有るかと思います。

松王○