「黒き豹の想いが世界を変える!」ブラックパンサー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
黒き豹の想いが世界を変える!
マーベル・シネマティック・ユニバース第18作。
ブラックパンサー・シリーズ第1作。
Blu-rayで鑑賞(字幕)。
原作コミックは未読です。
ブラックパンサー/ティ・チャラが治めるワカンダは、表向きはアフリカ大陸の中で最も発展途上の農業国ですが、その実態は、地球上で最も発展した文明を持つ超大国でした。
真の姿は巧みに隠されており、外からそれを窺い知ることは出来ません。「表から見ただけでは分からない真の実力を秘めた人々」が本作のメッセージのような気がしました。
ラストの国連での演説シーンで、「農業国から何を学べばいいのです?」と云う皮肉の籠もった質問に対し、ティ・チャラが見せた表情が全てを物語っているように思いました。
ティ・チャラの前に立ちはだかったエリック・キルモンガーの言葉―「立ち上がった者はすぐに叩き潰される」。様々な想いを内包していて、とても印象に残りました。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアなど、偉大な先駆者たちが黒人差別撤廃のために声を上げて来ましたが、未だ問題は根深く残っており、考えさせられました。
抑圧されて来た歴史を持つ黒人たちの怒りを過激に具現化した存在がキルモンガーであり、ブラックパンサーは平和を望みながら現状を打破しようとする強い意思だな、と…
ハリウッド映画でスタッフやキャストの多くがアフリカ系の人々で占められているのはとても画期的な出来事であり、世界中で大ヒットを記録したことは大いに意義のあることだと思いました。国連での演説シーンでティ・チャラが語ったことが、現実世界でも実現して欲しいと願うばかり。
DCEUの「ワンダーウーマン」もそうでしたが、世界が今も抱え続けている問題に真正面から取り組み、ヒーロー映画と云う誰もが楽しめるジャンルを通して、メッセージ性の高い作品をつくり出していくことは、世界の常識を変えるための可能性が広がっていくようで、心を揺さぶられました。
[以降の鑑賞記録]
2020/03/21:金曜ロードSHOW!(録画)
2022/09/08:Disney+(UHD,IMAX Enhanced,吹替)
※修正(2022/08/16)