「マーベル映画が挑んだ、歴史に刻まれし最大の跳躍。」ブラックパンサー ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
マーベル映画が挑んだ、歴史に刻まれし最大の跳躍。
一つのブランドが安定してくると、その範疇で冒険する余地が生まれる。これまでもマーベル映画は気鋭の監督を巧く活用することで精力的に多種多様なミクスチャーを生み出してきたが、今回、彼らの“冒険”はついに最たる跳躍を見せる結果となった。
キャストの大部分がアフリカン・アメリカンの俳優らによって占められている点も唯一無二ながら、太古からその大地に根ざしたリズムに乗せて彼らの身体から文化、音楽、言語の要素が発せられることで、これまでにない劇的効果が生まれる。そして何よりも、あの真っ赤な民族衣装の近衛兵を始め、キャラの一挙手一投足がしびれるほどカッコイイ。そこに伝統のみならず、科学力や技術力が組み込まれてハイブリッドな物語が生まれ、さらには『ロード・オブ・ザ・リング』をも思わせる様々な民族を交えてのバトルが展開。これで面白くないはずがない。ヒーロー映画の範疇に収まらない、見事な快作に仕上がっていた。
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