「シリーズでいちばん面白かった」マイティ・ソー バトルロイヤル うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズでいちばん面白かった
過去の『マイティー・ソー』シリーズを踏襲しつつ、今回はかなり遊びの要素が強い。セリフも今までの時代劇チックなものじゃなく、かなり現代風にアレンジしてある。地球の暮らしに馴染んだソーが、言葉遣いもくだけたものになった設定らしい。大歓迎だ。
キャラが立っているロキは、いいところで話に噛んでくるし、笑いのツボも外さない。基本的には裏切り者のイヤな男なのだけど、ソーがそれほど気にしていないところから、心の底では信頼しているのだろう。そんな関係は、アベンジャーズの中ではこの二人ぐらいじゃないだろうか。
ハルクが、一本調子で、扱いにくい存在なので、彼の単独映画がこけた理由も、新シリーズが立ち上がらない理由も何となくうなずける。
ハンマーを振り回したり、剣で戦ったりするアクションは、今までさんざん撮りつくされてきて、目新しさが無い印象だったけど、今回はどうやって撮ったのかも含めて、ライブアクションでは絶対に不可能で、それでいてCGに頼っても、演者の運動能力を問われるものばかり。新次元の戦いを演出している。
とにかく、全編通して、暗いトーンがなく、コミカルな演出があちこちに見受けられる。実際に、私の隣で見ていた男の子(おそらく米国人)3人組は、始めから、終わりまで、笑いっぱなし、エンドロールには拍手していたほどだ。(それなのに、エンドロール後のおまけ映像は見ないまま帰ったが)
個人的にはヴァルキリー役の女優さんがお気に入りの一人になった。今後の活躍に期待したい。それと、この映画もブルーレイが発売になったら、購入して、何度でも見てみたい作品になった。
カメオ出演で、アスガルドに里帰りしたソーが出くわす、劇中劇「英雄ロキ物語」なんとロキを演じているのはマット・デイモン。貴族役でケン・ワタナベ。一瞬しか映らないので、お見逃しなく。
さあ、MCUのバトンはしっかりと次の『ブラックパンサー』に渡された。