「濃いめの希望」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー fall0さんの映画レビュー(感想・評価)
濃いめの希望
帝国軍に押し殺されたような雰囲気が随所から漂ってきた。強力なジェダイがいるわけでもないし、EP4冒頭の字幕でさらっと流されちゃうような出来事だし、「ヒーローの不在」を強く感じるんだけど、そこが魅力的だった。
ジンが物凄くかっこいい。反乱軍も作戦に消極的な中、絶対に迷わないしブレない。ただ前向きなだけのキャラクターって私はそんなに魅力を感じないんだけど、ジンはそうなるまでの過程がきちんとあったので、物凄く納得してしまった。序盤が地味だなぁと最初思ってたんだけど、「父親が長い年月命懸けで作った僅かなチャンス」を丁寧に描写してたのかもしれない。自分が生きることだけで精一杯だったジンが変わっていくのに、違和感なく感情移入できた。
キャシアンが言ってた反乱軍サイドの任務に対する葛藤とか、ボーティーみたいな帝国軍の末端の人間の思いとか、「普通の人」の生々しさがあった。
暗い時代に生きてきた人達が、希望を見出して立ち上がるの、熱い。"死を覚悟で"みたいな展開、簡単に賛美するべきものじゃないけど、演出が良すぎて思わずカッコイイって言っちゃう。
ベイズとチアルートは何者なの?とかゲレラは何があったの?とか、色々気になるところが残るのも、巨大シリーズの一部っぽい。チアルートのアクション、キレキレだったなぁ。
戦闘機アクションもスピード感あってカッコよかった。EP4っぽい小物が多かったのもキュンとした。
あと、Kが大好き。ハッキングも戦闘もいける有能さも素敵だし、毒舌に愛嬌あるし、目の位置にあるライトのチカチカが表情に見えるのも心を掴む。
ラスト、キャシアンとジンが支え合いながら星の消滅を待つシーンが綺麗だった。消えてしまう影のヒーローと、この後に受け継がれた設計図で大活躍するヒーロー、対比が思い起こされて、ぐっときた。