劇場公開日 2016年12月16日

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「SW番外編は戦争映画臭強し」ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)

3.5SW番外編は戦争映画臭強し

2016年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『スター・ウォーズ』シリーズの番外編は、映画第1作『エピソードIV 新たな希望』の前日譚にあたる物語で、帝国の最終兵器デス・スターの設計図を盗み出すハナシであることは、喧伝されていた。なので、観る前から予想出来ることもいくつかあり、それはそれで、映画としての足かせになっているはず。

帝国軍の支配は強まり、最終兵器を完成させようともくろんでいた。
兵器の名はデス・スター。
惑星ひとつ、消滅させるほどの威力がある。
完成に必要な技術は、科学者ゲイリン・アーソ(マッツ・ミケルセン)が握っている。
帝国軍に拉致された彼には、一人娘のジンがいた。
幼い彼女は、反乱軍の一匹狼ソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)に救出されるが、ある時、帝国軍に捕らえられてしまう。
それから、十年ほどの月日が経ち、長じたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は帝国の手から逃れて・・・

というところから始まるハナシは、最終的にはデス・スターの設計図の争奪戦になるのだが、どうにも、まだるっこい。

特に前半。
反乱軍もまだ一枚岩ではなく内紛があり、誰が味方で誰が敵かわからないような情況。
そんな様子を、辺境の星の地で繰り広げられるのだが、なんだか西アジアの地や、北部アフリカを思わせるような状況で、なかなかスカッとしない。

ということで、はたと気づいたのは、この映画はあくまでも「番外編」。
本筋の『スター・ウォーズ』は、家族(というか血の宿命)に縛られた騎士道的冒険譚。
基本は、かなり中世的な雰囲気。

それに対してこの映画は、第二次世界大戦におけるレジスタンス映画さながらの雰囲気。

そうなんだよなぁ、戦争映画って結構苦手なので、この映画、そういう意味ではかなり苦手な部類。
登場するドンパチも、かなりリアル。
白兵戦で、どんどん生身の人間が死んじゃう。

本編の方では、たぶん、こんなに生身の人間は死ななかったのではありますまいか。
死んだとしても、白いロボットのような見た目のトルーパーや、Xウィングやタイ・ウィングに登場したパイロットたちで、死ぬシーンは隠ぺいされていたはず。

しかし、この映画では、どんどん死ぬ。
そして、主要な登場人物たちもエピソードIVには登場しないのだから、結果は推して知るべし、である。

ということで、それほどワクワクしなかった。

さらにいうと主役のふたり、フェリシティ・ジョーンズとディエゴ・ルナに魅力を感じない。
彼らを支えるドロイドのK-2SOの方が魅力的というのは、いがなものか。

なお、帝国軍モフ・ターキンのピーター・カッシングと、若きレイア姫のキャリー・フィッシャーはCGで登場。
ピーター・カッシングは、いやぁ、よく似た俳優を連れてきたのかと思ったほど。

りゃんひさ