「まるで唐獅子牡丹」ラスト・サバイバーズ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで唐獅子牡丹
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近未来のオレゴン州、長年の干ばつで村は干上がる寸前の水を巡って争いが絶えない、マッドマックスとは似たような雰囲気だがスケールは西部劇クラス。村に住む少女ケンダルと青年ディーンは廃屋の屋根裏に隠れてかろうじて生き延びている。
井戸水を独占するカーソン一家の略奪行為で生き残った農場主たちも次々と殺されてゆく。映画は近未来とされているが西部開拓史の時代でも水の利権をめぐる農場主の小競り合いは絶えなかったのだから根は深い。
なんと一家の中には牧師もいて、率先して人殺しだから世も末かと思ったが、布教の名を借りて原住民を殺して征服したスペイン人、アメリカの黒歴史を思い返せば強烈な風刺にもとれますね。
映画の殆どは耐え忍ぶばかり、ディーンを一家に殺され孤児のアルビーを誘拐されたケンダルは近くの農場主の形見の日本刀を墓から掘り出して復讐の殴り込み、この辺は往年の東映やくざ路線と瓜二つ、主人公は17歳の少女だしタトゥーこそないが唐獅子牡丹が聞こえてきそう・・。
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