「結局は現実」レディ・プレイヤー1 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
結局は現実
すごく良かったと思います。
スピルバーグもまだまだ新しいことを取り込んでいける、エネルギーにあふれた監督さんなんだと思わされました。
・良いところ
とにかく楽しい。お祭り映画的な要素がふんだんに盛り込まれています。様々な映画やゲームがオマージュされており、劇中で探して見つけたりすると本当に楽しい気分になります。メカゴジラは……正直名前だけのロボットでしたが、ガンダムは完璧でした。不覚にも熱くなりましたね。
何よりも、映像が幻想的で派手。アクションもすごく激しくてまさにエンタメ映画でした。
・悪いところ
オタク描写がステレオタイプ。まさに陽キャが想像するナード系オタクといったところ。そのくせハリウッド的英雄描写がしたいがために、主人公はコミュ力の高いなんちゃってオタクとなってます。本当のオタクはもっとキモイです。私がそうなのでよくわかります(笑) 本物はもっと引っ込み思案で、卑屈で、疑心暗鬼で、自分の世界で完結しています。まぁ、この映画の世界では人類総出でオンゲーやってますので、一口にオタクと言っても映画内のオタクは違うのかもしれませんが
せっかくのゲームの中という設定が生かしきれてない。ところどころアイテムを使用してゲームっぽさを演出していますが、全然足りません。ゲームというよりは近未来描写と言われた方がしっくりきます。じゃあどうすれば、と言われれば答えられないんですが……。
オチが好きじゃない。これは完全に自分の好みの問題なんですが、どうしてリアル世界に話を発展させるんでしょうか? 最後も結局はゲーム世界はリアルに勝てないという結論を出しましたよね。いや、そうかもしれませんがオタクな自分にはその正論を言われても「あーハイハイそうですねー」としか思えないし、所詮ゲームはおもちゃの一種と否定されている気分にもなりました。要はそんなありきたりな正論をワザワザ映画で見たくなかったということなんです。
なんだかんだと言いましたが、全体的には良作だとおもいます。