「驚異的なまでの娯楽作の誕生に、ハリデーの姿がスピルバーグのごとく見えた」レディ・プレイヤー1 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
驚異的なまでの娯楽作の誕生に、ハリデーの姿がスピルバーグのごとく見えた
スピルバーグにこの類の作品を生み出すことなどもう無理だと思っていた。だが不可能なことほど燃えるのがこの人の性分。あるいは単純な負けず嫌いとでも言おうか。結果的にこのノリ、アイディア、テンポ、スピード感、すべてにおいて彼にしか成しえない究極の映画がここに誕生した。
本作は見ての通りCG処理に膨大な時間がかかる。その間、スピルバーグは強靭なバイタリティで『ペンタゴン・ペーパーズ』を撮り上げてしまったというから驚きだ。そしてこの社会派から純然たるエンタメへの大きな揺り戻しもまた、リミッターを解除した本作の底から突き上げるような面白さの原動力になりえている気がする。ストーリーの面白さもさることながら、未来なのに濃厚な80年代色に満ち、さらにはバーチャルとリアルを手際よく重ねてクライマックスに向け超絶的なドライヴ感を生み出す手腕もさすが。創始者ハリデーにスピルバーグの姿がダブって見えるほどだった。
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