「時間軸での物語の魅せ方がとにかく上手い。」ダンケルク アルさんの映画レビュー(感想・評価)
時間軸での物語の魅せ方がとにかく上手い。
内容は至極普通で史実に基づいているが、戦争のリアルをテーマに生と死を体感する、そんなサスペンスに近い。
''死''という事をかなり近くに感じられる作り。臨場感はほぼワンカット撮影の映画【1917】と対照的で、時間軸の切り替わりが斬新でとても面白い。
陸=1週間
海=1日
空=1時間
と最初に字幕で説明があるが、やはり難しい。頭の中でこの時間軸の断片を組み立てて、理解していくのを''楽しく''感じるか、''苦痛''に感じるか。ここが「評価」が大きく分かれる部分。
変に誇張せず、淡々と''死の恐怖''を表現。不本意にも関わらず命を賭してまで行う、戦争の意味とは何か。その戦争においての"退却"という判断を、軍部上層部、当事者と、無事を待つ人達、それぞれの考え方、その素直な反応。
血や残酷なシーンは限りなく少なくし、且つ死体に対する"慣れ"の怖さ。鑑賞者に、"死"と"戦争の意味"を至極静かに時間一杯に問う、新しいアプローチが斬新で良い。
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