「タイトルなし」ダンケルク 肉ネ~ムさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
いまなぜチャーチル?いまなぜ第二次世界大戦?というのはありながらも。
アメリカ参戦前のヨーロッパ戦線。当然英仏目線の作品だが、撤退だけをひたすら描写するというなかなか渋いチョイス。
連合軍側は基本やられ役で最後に一矢むくいるというか、なんとか最悪の事態は免れる訳だが、それでもあくまで命からがら撤退できたに過ぎないというなんともストイックな作品。
この作品では、ドイツ人を殺害するシーンはほとんど出てこない。それは、敵を殺す高揚感ではなく、戦争の恐怖感を擬似体験させるためだろう。戦争賛美にならぬよう苦心したのがうかがえる。
また3つの異なる時間軸の使用によって、航空戦力の圧倒的重要性がいみじくも表されている。題材は真珠湾攻撃の一年以上前だ。
この後5年間戦争は続く訳だが、脱出できたうちの何割が戦後を見られたのだろう。気が遠くなる話だ。
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