「台詞に重みのある映画。」ダンケルク 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
台詞に重みのある映画。
映画館で観てよかったと思うし、叶うならIMAXで観るべき作品。…家でBlu-rayだったら退屈かもしれない。
戦争映画なのである程度のグロを見る覚悟をしていたが、『ダンケルク』にはそういったシーンは一切ない。各国の政府や軍の上の人間が出てきて無駄話を叩くわけでもなし、というかこの映画には敵国の兵士の登場がほとんどない(勿論襲撃はある)。ダンケルクは最早敵国とのぶつかり合いの場所ではなかったという事が示されているのか。
にも関わらずズッシリと重く、絶え間ない緊張。映画の冒頭からまるで自分がそこにいるかのような臨場感。ノーラン監督の映し出す静寂と激動とのコントラストに否応無く引き込まれていった。
台詞が少ない映画だけど、そのぶん1つ1つの台詞に重みがあって。戦争への怒りや恐れよりも、無意味さに焦点が当たっているような。
山場っぽい山場がないぶん、いつ終わるのか、いつ助かるのかはたまたもうダメなのか…手に汗握ったまま全編鑑賞できる貴重な作品だと思う。頭の後ろから迫ってくる爆撃機の轟音、ほんとIMAXで体感したかったー!
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