「ジャンル「ノーラン」という映画」ダンケルク 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャンル「ノーラン」という映画
見終わって「良かったー」と思う反面、もう1度見たい?と聞かれれば「あ、もうお腹いっぱいです」と答えてしまう・・そういう映画ですね。
戦争なので色々と大変です。その大変っぷりはIMAXか、爆音系の映画館で見ると更に高まります。もう船の横っ腹に縦断の小さな穴が1つ開くだけで、見てるこちらの胃もキリキリします。ですが、殊更に戦争の悲惨さを描いてる訳でもない。救助劇ですが、ロマンチシズムに溢れカタルシスを以て描くでもない。時系列の異なる3つのスタート地点を持つ「ダンケルク現地(のイギリスの二等兵)」「救助に赴く英国老人の商船」「スピットファイヤ3機」のドラマが淡々と進んで、遂には同じ場所時間で交差して、そしてそれぞれの結末を迎えるだけ。
つまらない訳じゃないけれど、見終わったら疲れて感動というより仏頂面になってしまうのが、劇中の英国軍人達と完全にリンクしてて、映画というより、ひとつの体験に近いですね。
あと空撮が良かったです。デジタルカメラではなくフィルムならではの空気感という事でしょうか、大海原やダンケルクの海岸線が、最後の最後までとても美しく撮られていて、印象に残りました。
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