「娯楽怪獣映画!」キングコング 髑髏島の巨神 nobさんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽怪獣映画!
先ずは冒頭がよい。
シーンの意外性と共に、本作が良質なアクション映画であることが提示され、安心して鑑賞に入ることができた。
主体的な視線を意識したカメラワークは最近の流行りだが、多用せず、うまく使っている。
製作者はかなりの怪獣映画マニアなのだろう。
「あのシーンの元ネタは、あれだよね。」などと、トリビア探しをするのも楽しい。私は平成ガメラシリーズの影響を多く感じた。
サミエル・L・ジャクソンだけに、ドラマパートににも期待してしまうが、登場人物が多い上に未整理で、”大佐の狂気”も拍子が抜けてしまった。かの大作と比較するのは元よりナンセンスで、虎(地獄の黙示録)の皮衣を借りた"見せ物"と言う風だ。その辺りも”怪獣映画”ならでは…となるのだろう。
コングの表情が良い。
あの”やわらかい”表情が映画に奥行きと説得力を与えている。
時代背景が具体的なだけに、少し深読みをしたくなるが、”具体的背景”以上には機能しない。娯楽映画の”味付け”と思うのがよい。
悪口に聞こえるかもしれないが、むしろそれが”怪獣娯楽映画”であり「キングコング対ゴジラ」の正統な後継であると思う。
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