キング・アーサーのレビュー・感想・評価
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何がやりたいのかわからない
不親切
近くにある映画館では 3D 版の上映がなかったので,2D 字幕版を鑑賞。マドンナの元夫の監督が,シャーロックホームズを格闘家にしただけでは物足りず,今度はアーサー王の伝説に手を加えようとしたらしい。アーサー王の物語は,日本での認知度はかなり低いと言わざるを得ないが,西洋諸国では日本での桃太郎並みに非常によく知られた話である。これに手を加えようというのだから,賛否両論になるわけだが,どちらかというと否の方が多い出来ではないかと思った。邦題は,「キング・アーサー 聖剣伝説」という原案だったが,「聖剣伝説」というゲームを販売しているスクエニからクレームが来たらしく,「キング・アーサー」だけになったらしい。
アーサー王の物語は,成長して岩に刺さった聖剣エクスカリバーを引き抜くところまではあまり面白い話がないと思っていたのだが,本作はむしろアーサー王が生まれて成長する過程の方に非常に重点を置いた作りになっていた。聞くところによると,全6部作になる予定で,本作はその1作目だという。アーサー王の父ユーサー・ペンドラゴンが不慮の死に見舞われる原因に重点を置いてあるが,本来のアーサー王伝説にはない話で,ヴォーティガンはペンドラゴン家の者ではなく,ユーサー・ペンドラゴンの兄コンスタンス2世を殺害して王座を奪った実在の人物である。いくらアーサー王の伝説には定本がなく,様々なバージョンがあると言っても,これはかなり思い切った改変である。
アーサー王と言えば円卓の騎士が有名で,日本で言えば真田十勇士のように各騎士の名前が知られているのだが,この騎士の数も伝承によって相違がある。有名なところでは,トランプのクラブ(♣︎)のジャックのモデルになったランスロットや,ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」にも出てくるトリスタンなどが特に知られているのだが,本作ではそれらの騎士についての説明はほぼ皆無で,それぞれの人物が何者なのか,なぜそれほど重要な扱いを受けているのかが全く分からなかった。極めて不親切な脚本であるという他はない。
見所はと言えば,聖剣エクスカリバーが本領を発揮してものすごい威力を見せるところだが,全編の中でほんの僅かでしかなく,あとはただひたすら暗い画面で物語が進行するのみである。敵の裏事情にも立ち入った話は興味があったが,あんな代償を払ってまで王になって何が嬉しいのかと全く同感できなかった。役者は,主役と適役を交換した方がいいのではと思えるほど,主役に魅力が乏しく,適役の方が生き生きしていた。また,某有名サッカー選手が出演していて驚いたが,彼の演技は,彼の妻の歌唱力と同じくらい微妙に思えた。:-p 音楽はやたら耳に残るものの,全く好きになれなかった。
演出は,まず気になったのが登場人物たちの服装で,どう見ても現代風の衣装にしか見えなかったことである。ワーグナーの聖地バイロイトの祝祭歌劇場では,戦後の再開時からそれまでの伝統的な演出を一切やめて,抽象的な舞台セットにパリコレのファッションショーのような衣装を着て演じられるようになってしまったのだが,その理由は,ヒトラーの好みだったという理由もあって,戦時中にナチスドイツが兵や国民の戦意の高揚にワーグナーの楽劇を活用し,ナチスのイメージに深く染まってしまったのを払拭するためという切実な理由があってのことなのだが,アーサー王の物語は特にそのような事情もないのに,バイロイトを模したような現代風のコスチュームには非常に違和感を感じた。また,肝心な場面で個人的に大嫌いな爬虫類が出て来たのも気に入らなかった。6部作という話は,この出来では計画倒れで終わるのではないかと思う。
(映像5+脚本3+役者3+音楽2+演出3)×4= 64 点。
ちょっとこれは
スペクタルとして
CGが...な... ベッカム気づかなかった(笑) ジュードロウ ...
時代劇じゃなくて少年漫画コミカライズ感
他の円卓映画をいくつかと原作も読んでおりますが、キチッと制服着た連中を知恵と勇気と友情で倒すのは爽快だよな!っていう少年漫画魂を感じる映画。色んな円卓映画があるからたまにはこういうのもいいんじゃない?程度としては47ローニンくらいの原作忠実度。
ただこのキチッと制服着た連中というのが銀色の鎧に黒マントで親玉がジュード・ロウっていう最強に格好いい集団なのでなんていうか、最高。セクシー。正直キャラ的にはこっちの方が好きなので困る。
アクション的にはいつものガイ・リッチー節が無双で炸裂!以上でも以下でもないのですが集団戦で細かいことをやっているので2DIMAXでも見たい。
あと、音楽が格好いい。民俗調かな〜と思ったら途中でドラムがドコドコ鳴り始めてメタルか?!ロックか?!格好いい〜!ってなります。IQ低めで観るのが宜しいかと。
まさに無双のアクション。世界を救う伝説のひと振り!!
【賛否両論チェック】
賛:スラムで育った少年が、王座を奪った巨悪を相手に、真っ正面から戦いを挑んでいく様が痛快。桁外れのスケールで送るド迫力のアクションも圧巻。
否:CGを駆使したアクションの数々は、好き嫌いは分かれそう。ツッコミどころもかなりある。
身内の裏切りによって両親を殺され、スラム街で育った主人公・アーサー。そんな彼がひょんなことから、父がかつて手にしていた聖剣・エクスカリバーと出逢い、やがて抵抗勢力を率いて革命に打って出る様は、非常に痛快でカッコイイです。
まるで時が止まったように、一瞬で敵をなぎ払っていくアクションの数々は、人によっては好みが分かれそうですが、それでもド迫力のスケールで描かれる世界観は、圧倒されること請け合いです。
ツッコミどころもありますが、ただのアクションとはひと味違う無双アクションを、是非ご覧になってみて下さい。
Very good
エクスカリバーって…
ガイ・リッチー節炸裂!
ガイ・リッチー無双
ガイリッチー節
ガイ・リッチー的な3D"キング・アーサーBigins"
聖剣エクスカリバーによって、360度に取り囲まれた敵が一瞬にして砕け散る。このVFXを3Dで見ないなら、この映画の魅力の半分を失っている。
とはいえ、ディズニー超大作でない限り、2D/3D/4DX(MX4D)/IMAXといったマルチソース上映を楽しむことは困難で、本作を3Dで観ようとすると、自動的に4Dとのコンボになってしまう(涙)。4Dは監督の意図はないので蛇足だ。
歴史モノではあるが、"アーサー王"の存在は不確かで、1,000年以上前に数々の"伝説"が編み出された。これは いわゆる"スピンオフ"の走りであり、いまさらどんな話を作ろうとも、ビクともしない。
RPG(ロール・プレイング・ゲーム)でも、円卓の騎士やそのアイテムなどは頻繁に流用される。魔法使いマーリン、ランスロットや、トリスタンとイゾルデ、石に刺さった剣、キャメロット、エクスカリバー・・・そして本作は、独自の創作性をふんだんにつぎ込んだ、"キング・アーサーBigins"である。
中世ヨーロッパ伝説というだけで、「ロード・オブ・ザ・リングに類似してしまうのは仕方ない。
いきなりガイ・リッチー監督お得意の、ハイスピードカメラ収録からのストップモーション&スローモーションで、幼いアーサー少年が青年に成長していく。良くも悪くもガイ・リッチー化計画が、「シャーロック・ホームズ」(2010/2012)から「キング・アーサー」に移っただけである。あとは3D映像を手放しで楽しむだけ。
この手法で、日本の合戦(川中島とか桶狭間とか)を描写したら面白いかも。
(2017/6/17 /TOHOシネマズ六本木/シネスコ/字幕:林完治)
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