劇場公開日 2017年2月3日

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「ファンタジーの中で描かれる、本当の自分らしさとは。」ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ファンタジーの中で描かれる、本当の自分らしさとは。

2017年2月6日
PCから投稿

悲しい

楽しい

怖い

【賛否両論チェック】
賛:“自分らしくあることの大切さ”という普遍的なテーマが、ファンタジー色満載の世界観の中で描かれるのが印象深い。
否:小さい子が怖がりそうな演出や、グロシーンもあったりするので、家族サービス等には向かない感も。

 異質であるがゆえに迫害を恐れ、“ループ”と呼ばれる安全な1日の中で永遠に暮らす子供達と、平凡で退屈な毎日から抜け出し、祖父の遺言に導かれてループへとやって来た主人公。ともすると奇妙な小旅行モノで終わってしまいそうなところですが、主人公には“彼らを守る”という使命と、そのための大切な能力が備わっているという、ハラハラすること必至のストーリーに仕上がっています。
 他人とは違う容姿や能力を持った時、子供達のように、閉鎖された同じ1日の中ではあれど、ありのままの自分で生きるのか、それとも他人と同じであることを追い求めた結果、ホローのように我を忘れた異形の怪物へと変わってしまうのか。その恐ろしくも哀しい対比に、“自分らしくあること”の本当の大切さが、伝わってくるようです。
 ただ、目玉を食べたりするグロいシーンや、急に驚かせたりする描写もあるので、家族サービスなんかには不向きかも知れません。不思議で奇妙な世界観を、是非お楽しみ下さい。

映画コーディネーター・門倉カド