「特撮関係なく、「ヒーロー」が何たるかを理解してない」パワーレンジャー onzさんの映画レビュー(感想・評価)
特撮関係なく、「ヒーロー」が何たるかを理解してない
別に特撮に詳しくもなく、ヒーローの勧善懲悪モノを見たいと思い映画館へ行きました。
冒頭から、やはり私の知っている戦隊モノとは全く異なる展開。この物語の根底にあるのは、「様々な事情を持つ若者たちの友情と戦い」ですね。そういう意味では、やはりジャパニーズ特撮作品というよりはアメコミヒーローっぽい印象を持ちました。まあ、別に特撮ファンでもないのでこの点は特に問題なし。
序盤はヒーローに選ばれた若者たちの葛藤、戦いの訓練なんかを描いています。後半はスーツを着て戦い、ロボットに乗って戦いという流れ。まあ王道なのかなという感じです。
ただ前半のストーリーがちょっとお粗末に感じました。いまいち彼らに感情移入できない…。それぞれの目的とかは関係なく、なんとなく協力する流れになって、戦って…。
やはり私が期待していたのは、ヒーローが「なぜ戦うのか」という問いとそれに対する答えなのです。彼らにはそれぞれ事情があって、家族や学校で浮いた存在。しかしスーパーヒーローの力を手に入れて、見かけ上は強くなる。でもやっぱりそれぞれの問題は解決していないので、また悩む…。私がヒーローに求めるのは、自らの個人的な問題を、地球の危機を救うという巨大な目的に昇華させる過程なのです。それがないヒーローは、もはやヒーローに非ず。戦いの最中、いじめっ子が逃げ惑う姿を見て笑っているのは、正しいヒーローのあり方でしょうか?そうではなく、過去の遺恨はあるけれど、それでも世界を救うんだという葛藤と気づきが必要なんです。
というわけで、私の感想としてはこうです。アクションはまあまあ格好いいが、ストーリーは浅い、日本の特撮風の似非アメコミヒーロー作品。