「見守られて生きる。」バースデーカード ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
見守られて生きる。
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チラシや予告編でも分かる通りのベタな王道ストーリーなのだが、
これがオリジナル脚本であることが(余白を残していたとのこと)
とにかく効いている。スッと通り過ぎていく日々を丁寧に丁寧に
掬い取るように描いた日常風景は、母亡きあと、娘と息子と父が
どんな風に生きてきたのかをしっかりと見つめる。綺麗事すぎる
描写は確かに多いが主人公が人見知りで悩みがちで引っ込み思案
というまるで橋本愛本人を見ているような人物なので感情移入が
しやすい。演じる彼女も成りきっているので上手い。ただ感動的
に見せることより母親の遺した軌跡を辿りながら成長していくと
いう普通さもかえってリアルだ。親を亡くしても妻を亡くしても
人間は家族と支え合いながら残りの人生を生きなければならない。
当り前の日常に幸福も不幸もあり、素直な時も反抗する時もあり、
そんな風に自分も子供も生きてきたことを実感する。もちろん何
よりも親は子供が可愛いものだが、出来のいい親ほど子供を支配
せず文句を言いながら見守るものだと今作の父親や、やがて彼女
を嫁にする彼氏を見ていて思う。愛情を受けるとはこういうこと
なんだよなとカードに見守られてきた娘の人生が微笑ましかった。
(アタック25とは懐かしい。こんなに舞台裏まで見せるとはね~)
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