アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
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それぞれの立場、理性、感情
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ケニア上空の英国偵察ドローンが、テロリストの隠れ家を発見する。
で爆弾投下しようとするが、家の横で少女がパンを売ってた。
攻撃すると、65%ほどの確率で少女が死亡すると試算できた。
この機を逃すと、テロリストは自爆テロで何十人と殺すだろう。
少女1人の犠牲は、本当に重要な問題なのか?
政治家・軍それぞれ考え方や立場があり、なかなか決断できない。
で結局女性大佐が軍曹に無理やり死亡確率45%と算出させる。
この結果、作戦実行。少女は倒れてたが、まだ生きてた。
しかしテロリストの1人が生き残ってることが判明。
再度爆撃し、殺すことに成功。でも少女も死亡してしまった。
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目先の1人の犠牲と、近い将来の複数の犠牲。
どっちが大事なんでしょう?というテーマの映画。
おれは正直、ここは多少の犠牲を払っても作戦決行やろって思った。
でもその決断をしたり、爆撃する立場だとどう思うだろう?
目先に救える命があれば、救いたいと思うに違いない。
理性と感情の狭間で揺れる、そういう難しいテーマやな。
できることなら目を逸らし、一生こういう任務には関わりたくないな。
現代の空爆
市街地を空爆する以上、そこにいる民間人が犠牲になるのは当たり前なのに、それにも関わらず過去にも空爆は行われてきました。
しかしこの映画では、「eye in the sky」によって女の子が危険にさらされるのに気付き、躊躇する様子が描かれます。
ただ、これが見えなければすぐに攻撃していたはずなのです。
放題では「現代戦争の衝撃」などと題をうってはいますが、「eye in the sky」によって、攻撃側に葛藤が生まれている分、昔の戦争よりもいいじゃないかと思いました。
その葛藤をスリリングに描写しているのが秀逸に感じました。
現場で少女を助けようと奮闘するバーカッド・アブディも良かったですね。
衝撃的…
まさに衝撃的でならない。
今やらなければ、今やってしまったら、、、
今やらなければ
タイミングを逃しターゲットを逃してしまう。
そうなれば、今後さらなる被害が及ぶ可能性か高い
今やってしまったら
ドローンからの映像に映るパンを売る少女が死んでしまうかもしれない、、、
ずっと続くこの緊張感、ターゲットが逃げてしまう、早くパン売り少女居なくなって、、、焦る中での葛藤が続く。
また、政治的に手順を踏まなければならないモヤモヤ感、フラストレーションが溜まる感じと
あたかもその場に居るかのような気持ちになり
とても衝撃的だった。
数年前の映画ではあるが
今の戦争の一部はこんなになっているんだと…
やはり衝撃的だ。
誰でも相当悩む決断
映画の大半がミサイルを発射すべきかどうかの判断に迷うシーン。そりゃ誰でも悩むと思う。
ラストは想定外の結果となってしまった。怪我をしたかもしれないが、どうにか助かったと思っていたので、ちょっと裏切られた感じだ。45%、しかも最終的に現場から少し離れたので、怪我をしたかもしれないが助かったとみんな思ってたはず。もし彼女が結果的に死んでしまうのであれば、映画的には爆撃した時点で即死したシーンのほうがよかったかも。そうでなければ、ミサイル発射の判断をした政治家や軍人たちは、彼女が動いているのを見ているので、もしかしたら生きているかもしれないと思っていた人もいるはずで、彼らが悲しんでいるシーンがいまいち曖昧に感じた。
怖い世の中ですね。
前半は責任の盥廻し状態に終始イライラさせられ、後半はどのような結末が待っているのかドキドキさせられました。
緊迫感もあり、不謹慎な表現になってしまいますが、とても面白かったです。
ああやって映像としてしっかり見れてしまうと、この先幾ら多くの人々がテロに巻き込まれると分かっていても決断はし難いですし、ドローンを操作する人間もかなりストレスを感じるでしょうね。
様々な立場の人間の心情が上手く描かれていましたし、後半の緊迫した展開も含め、脚本はとても上手く書かれていたと思います。
これが正解だったかどうかは分かりませんが、こうやってこれから先も負の連鎖が続く事だけは間違いない事ですね。
ただでさえ、監視カメラにドライブレコーダーが溢れているのに、更にはドローンばかりでなく、あのような鳥や虫型のカメラまであったらプライバシーなんて無いも同然ですね。
怖過ぎですw(゜o゜*)w!?
軍事物なのに評価がやけに高いので、ある意味、予想は的中
最初から近所の人や子供にパンを買いに行ってもらったら良かったに尽きるな。話を伸ばし伸ばしして仕方がなかったで着地して終わり。このサイトの評価を信頼しているのでサクラとかいるなら徹底的にブロックしてほしい。
承認承認承認許可…長い長い…綿密に緻密に離れた相手を殺すと言う事
しかしトリガーを掛けた兵士の発言がこんなに重いとは思わなかった。
上司に「撃て」と言われ「待って下さい」と言ってよい環境…これが人を殺す機関でなければ素晴らしいと思うところだが、国、その陰にある営利を求める企業や人間がいる限り、この手の悲惨な出来事は決して無くならない。
いくら空の上からこの娘だけの命をこの場かぎりの感情で助けようとしても理解は得られないだろう。
指名手配が二人、爆弾テロ兵士二名、爆弾手配師が一名、巻き添えの一般人…その場に居ない第三者が差し引きで考え決める。
殺る側の理由は殺られる前に殺る。
殺られる方は殺られたから、報復する…。
争いは無くならない。
法律や倫理や道理で何を言い繕っても、殺られた側は忘れない。
殺られた側がまた相手を怨み、報復するだけだから…。
終盤、兵士に戦争の代償を知らないと政治的立場から言うシーンがあるが、仕事として一線を越えた事をやっている…やる覚悟を持っている人には敬意もあるが、それを命じる人次第で恐ろしい事も考えられる。
政治力にも軍事力にも同じような事が双方違うやり方で可能だからだ。
物語はモニターに見える少女一人に右往左往する連中の感情や責任の押し付け合いを中心に進むけど、結局やるんだね。
一発やったら二発目も躊躇わない…。
この作品が公開される前に兵士の心的外傷後ストレス障害が話題になったのが、もう随分前に感じる。
今は世界中の空をこんなものが飛び回り、他人の生死を判断しているのだろうか?
空恐ろしくなる。
正解のない問い
ドローン攻撃って、「ゲーム感覚」で命の重さが軽んじられてるというイメージでしたが、この作品では決してそんなことはなかった。周りが見る余裕があるからこそ、自分の命の危険がないからこそ、状況が鮮明に見えるからこそ、その命の重さが感じさせられて、攻撃に踏み切れないものなんだと感じました。
ストーリーとしては、判断が難しい選択、いつ動くか分からないテロリスト、留まる少女、来ない作戦決行と、終始緊迫感がありました。目の前の1人の少女の命か、見えない80人の命か、どちらを選ぶのか、どちらかが正解でもう片方が不正解というものではない問いはホントに難しい。。いろんな立場、考え方があったけど、最後のシーンは全員が「早くそこから離れて!!」と願っていたのが印象的でした。
作品としては、1人の命を犠牲にして、80人の救った選択でしたが、やはりラストはこの選択でよかったのかとやりきれない気持ちになりました。
先の犠牲者の心配より今守るべき命・・
戦争で犠牲となる民間人の悲劇は映画や報道で数多見知ってきたが本作のようにあらたまって少女の存在を描かれてしまうと心底辛い、テロも憎いし軍人の論理も分からぬわけではないが逮捕が一気に抹殺とは作戦にしては場当たり的すぎて到底同意できるものではないでしょう。
ただ、映画は愚かさを描いての問題提起がねらいなのだろうから致し方ない。
英国ノースウッドの司令部を拠点としてナイロビの地上部隊、上空のドローンを操縦する米国のネバダ基地、人物解析のハワイ基地、英国上層部たちが鳩首会議するロンドンをリアルタイムで結んでアル・シャバーブへの対テロ撲滅作戦が進行するのだから凄まじい時代です。
映画ではターゲットのテロリストは英国籍や米国籍の犯罪者の設定で自国の警察権の行使のようにもとれるように脚色はしているが度を越している、テロリストにはミサイルでの抹殺も辞さないというのは力の誇示、いわば公開処刑、見せしめ的な効果も狙っているのだろう、巻き添えになる少女の命を天秤に掛ける思い上がりにはぞっとする。
まだ先の自爆テロの犠牲者と今起こりうる犠牲者の数を比べるのは拙速、自爆テロの阻止の手だてが他にないと決めつけているでしょう。
劇中のドローンはプレデターの改良型MQ-9 リーパー、搭載ミサイルは元は対戦車攻撃用に開発されたヘルファイア、実際にアフガンやパキスタンでのタリバン暗殺に使われたが威力が大きすぎ巻き添えとなる民間人の死者は1000人を超え問題となり、CIAの要請でより小型のスコーピオンミサイルが開発されている。何も本質的な問題は手つかずに戦術のみが巧妙化するのが現実かと思うと気が滅入るばかりである。
エンドロールで本作が遺作となったアラン・リックマンさんへの追悼が出る、映画ではベンソン中将を演じていた、私生活では孫娘への人形を買う好好爺が軍務では真逆な決断を行うというダブルスタンダード、酷な役柄を課したものです。
やるせない
ケニアのイスラム過激派のアジトをドローンで爆撃する際、アジト近くで少女がパンを売っており、爆撃するべきか否かの過程をイギリスの作戦司令部、イギリス政府、アジト近くの工作員、ドローン操縦士のそれぞれの視点で描かれる。政府要人は責任取りたくない故、外務大臣、首相に至るまで判断を棚上げ。アメリカ政府はテロを未然に防ぐためには少女一人の犠牲も厭わない姿勢で描かれている。被害数値を低く誤魔化してでもテロ撲滅に動く現場の大佐役にヘレン・ミラン、政府要人に爆撃を迫る中将役にアラン・リックマン。やるせない思いで爆撃したドローン操縦士は実際こうしてPTSDになっていくだろう。工作員以外は誰も現場におらず、傷を負わない。少女の死が新たな憎悪を生む結果になっていくだろうと負の連鎖を感じるが、多くの死者を出す可能性があるテロを防ぐにはどうすべきなのか、ラストは微笑む少女のフラフープを回すシーンで終わるが、何とも救われない、やるせない気持ちになった。
終始ハラハラドキドキ
状況が刻々と変化していくので、終始ハラハラドキドキでした。だれる場面がなかったのが良かったかな
一番頑張っていたのは、多分、現地でドローンを操作していた若いお兄ちゃん笑
最後まで、任務を全うする心意気はかっこよかった。
面白かったのは、少女たった一人のために作戦が難航するんだけど、その少女は作戦のこと等つゆ知らず、フラフープを楽しみ、父親に叱られ、母親の言いつけを守ってパンを売る、ふつーの少女でしかないこと笑
あなたのおかげで、どれだけの人間がため息をつき、頭を抱え、嘆いたことか、、
ミサイル発射のボタン押す軍人しかり、ターゲット狙撃したいのに本部の許可が下りなくて困っている大佐しかり、本部?の会議室の司令官しかり、各所に確認するためにお偉いさんに連絡をつなげた事務官しかり、死亡率を下げるよう指示された分析官しかり、、、
だいたい、エビ食って腹壊すとか知らねーよっていう笑
みんな大変だなーと思いつつ、次々に状況が変わっていく感じとか、関係当事者で意見が錯綜する感じとかは、仕事ってこういうものだよな、、と共感してしまった笑
で、現場の兄ちゃんが一番ガッツ見せるという笑
家のテレビで見ましたが、映画館で見てもよかったなーと思える作品でした。面白かったです。
戦場の実態…決して目を背けてはならない…
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
近年急速に科学技術が発達して、戦場から遠く離れた場所からでも戦争を遂行出来るようになりました。遠隔操作されたドローンでの攻撃が、今や主流になりつつあります。もはやゲーム感覚で戦争しているみたいに感じる今日この頃です。
テクノロジーの進歩に戦争が起因していることは紛れも無い事実ですが、戦争という現象自体は良い方向に進歩することもなく、より残酷でやるせないものになっている気がします。
テロを未然に防ぎ、多くの命を守るのか、それとも今そこにある小さな命を優先するのか?―命は尊い。数の違いでその天秤が動くことなど決してあってはならないことですが…
ヘレン・ミレン演じる攻撃司令官とアラン・リックマン演じる上官との切迫したやり取りの中、ブリーフィングルームで繰り広げられる結論の出ない議論に、この問題が内包しているものが表現されているように思いました。
テロリストは死亡し、自爆テロを防ぐことは出来ましたが、少女は爆発に巻き込まれてその幼い命を落としました。少女はただ、日々の暮らしの糧を得るためにパンを売っていました。それは彼女にとってありふれた日常に過ぎませんでした。
その運命は遠く離れた場所にあるボタンに握られ、そして蹂躙されてしまいました。これが現代の戦争の実態なのかと、やるせない現実をストレートに突きつけられた気がしました。
現在進行中の出来事の中にも多くの犠牲があり、今こうしている間にも、多くの命が天秤に掛けられているのかと思うと、やるせなさに胸が苦しくなって来ました。あまりにも不安定な平和が続いている状況の今、考えるべきことは何か、正義とはなんなのかを観る者に投げ掛けて来る作品でした。
※修正(2021/10/20)
ドローンからミサイルを撃ちます
【アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場:おすすめポイント】
1.屋内の昆虫型小型ドローンを使った驚異の映像が最高!!!
2.いつスイッチを入れるのか?娘は逃げられるのか?ドキドキ感がいいなぁ!!
3.少女アリア役アイシャ・タコウの商売シーンが好きだなぁ!
4.ジャマ・ファラ(現地工作員)役バーカッド・アブディが良い役を演じている!
【アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場:名セリフ】
1.キャサリン・パウエル大佐(常設総合司令部司令官)役ヘレン・ミレンの名セリフ
→「任務は”空の目”になること」
→「ドローンからミサイルを撃ちます」
2.アンジェラ・ノース政務次官(アフリカ担当) - モニカ・ドランの名セリフ
→「恥ずべき作戦だった」
3.フランク・ベンソン中将(国防副参謀長)役アラン・リックマンの名セリフ
→「戦争の代償を知らないなど軍人に言うな」
思考を刺激される良作。
事件は会議室で云々、なんて映画が昔ありましたが…戦争も今時は会議室でするのね。
でも、昔から上の人達は綺麗な姿で飲み物飲みながら会議で人殺しさせてたんだよね、それが戦争。
本当に恐ろしいことです。
アイヒマンの後継者という作品と共に見ると、人の善悪の判断がどんな心理なのか分かって更に面白いと思いました。たまたま同時に借りてとても良かったので。
間違わずに生きていくことの難しさをシミジミ考えたいと思います。
ああいう少女を出さないために、自分が今生きてる場所でする判断を間違わないように、ね。
私はあんな立場になることはないけど、それでも各々に判断することが、きっとあると思う。
すごくよかった
戦争映画なのに、少女のパンが売れるかどうかで緊張させるというのがすごい。すごく面白い。最初から最後まで緊張が途切れずあっという間だった。
テーマ性がとても高く、テーマとドラマががっちり嚙み合っている。
自分の子供があんなふうに扱われていたら絶対に爆弾は落とさないし、落とした連中を生かしておけない。
文明がどれだけ発達しても、決断することの苦しみは変わらない
ドローンを用いた遠隔操作で、あまりに簡単に空爆が行える時代。
その中で決断を迫られる人々の苦悩が克明に描かれ、画面から目が離せなかった。
権限が細分化され、トップの顔すら見えないイギリスと、「合理的」なアメリカの対比もお見事。
なんでそこで売るの。
冒頭でフラフープに興じる少女の命が焦点になることは明確だが、
そもそもこの少女があそこにいなければ即座に攻撃したのは明白。
周囲にまったく民間人がいなかったとは思えないし言い切れない。
あるいはこれが幼気な少女でなかったなら?(すいません)なんて
色々憶測してしまったところだが、やたら問われる1:80の比率。
命の重さを問うなら一兵卒を帰すため何人も兵士が犠牲となった
あの名作の作戦は正当だったのか?などいちいち問いたくもなる。
ヘレン演じる大佐は一刻も待たずに攻撃を要請、会議に挟まれる
中将は意見に阻まれ指示を出せない、ドローンパイロットは悩み、
工作員は何とかパンを買い占めようとする。其々が各々の役割を
果たすことにのみ集中する過程で、どうしようにもできない現実
が目の前に広がっているのだ。こんなに早くパンが売り切れて欲
しいと思ったことなど一度もない。そこから早く立ち去ってくれ。
今そこにある命か、今後予測される多数の命か。そんなこと人間
が即答できるものではないので、決断を迫られる人間達は結論を
先延ばしにしようとする。パイロットが指示に従い攻撃後に祈る
姿勢はもちろん、誰もが罪のない民間人を殺したいとは思わない。
こんな詭弁は安全な劇場で鑑賞した自分が言うに過ぎないけれど。
これが遺作となったA・リックマン。今作の彼ほど惜しい俳優だ
と感じさせてくれた役はない。最後の台詞の重みがズッシリと肩
にのしかかり、現場を見もせずにものを云う愚かさが身に染みる。
(神の目。が存在するなら民間人だけを避けられないのだろうか)
シンゴジラで見た劇だね
劇中の攻撃命令のやりとりが、これシンゴジラでやったやつだと思いました。あとドローンがどのように使われるかがよくわかる映画でもあります。鳥型もそうですが、虫型のドローンは凄い❗
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