アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
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新たな戦争の在り方とは。
第二次世界大戦では、多くの国民を巻き込み戦争をしていました。
大量の血が流れ、たくさんの大切な命が失われてしまったあの時代。
あれから70年。
今の時代の戦い方は、進化したと言えるのでしょうか…。
会議室に座り、指示を仰ぐ中佐。
彼らの指示を静かに待つ一人の兵士。
実に静かな場所でも、確実に戦いは始まろうとしています。
標的はテロを行おうとする人物のアジト。
アジトの建物をドローン兵器を使って撃ち落
とそうとしています。
いざ撃ち落そうとした瞬間!
パンを売る一人の少女がその建物のそばに…⁉︎
罪なき一人の少女によって攻撃は実行に移せません…。
しかし、確実にテロ組織の準備は進められて行きます。
少女の命を守るため攻撃を中止するのか?
テロで失われる多くの人々の命を守るため、少女もろとも攻撃するのか?
選択は二つに一つ。
彼らが出した答えとは?
自分がもし大佐だったなら、爆弾の発射スイッチを押せるのだろうか?
とても難しい問題です。
やはり、戦争は犠牲ばかりを生んでいるとしか思えません。
最後に…この映画が遺作となったアランリックマンさんのご冥福をお祈りします。
舞台劇としても成り立ちそうな内容。主要人物たちによる会議の応酬に徹...
舞台劇としても成り立ちそうな内容。主要人物たちによる会議の応酬に徹した構成は『シン・ゴジラ』と同じで、対話から滲み出るユーモア度も似てる。しかし徐々にシニカル度が増してついには手に汗握る展開に。
これを観た後だと、『シン・ゴジラ』がいかにヌルいかがよく分かる。
心を揺さぶり続ける102分
見る側に究極の選択を突きつけるだけではなく、それぞれの立場の人間の葛藤をとても丁寧に描いている作品でした。
◆緊張感のある映像で、いちいちドキドキハラハラが止まりません。
敵に見つかるのではないか?と、ドキドキハラハラ。
コイツはどんな決断を下すのか?と、ドキドキハラハラ。
この後、一体どうなっちゃうの〜?と、ドキドキハラハラ。
お堅い映画ではなく、エンタメとしても楽しめます。
政治家が保身に走るグダグダ感は、『シン・ゴジラ』でも同じようなシチュエーションがありましたね。
(そのてん本作のアメリカはキッパリしていて凄い)
しかし、絵空事ではなく、ここまで出来てしまう現代の技術に驚き。
そして、軍が下した命令なのに一兵士が再考を要求出来ることにも驚きました。
◆究極の選択ではありますが、物語としての結論は、きちんと出ます。
ラストに向けて、アラン・リックマンの芝居もビシッときまり
「やっぱりそうだよな。これで正しかったんだよな。。。」と観客が自分を納得させようとしている矢先に、事の顛末が描かれます。
更に追いうちをかけるようなシーンが続き、
そこから“見る側の価値観を揺さぶり続けたい”という意図がみえてきて…
映画は「常にいろんな立場から考え、葛藤し続けるべきなのだ」と語りかけてきます。
だって、善と悪の二つだけで割り切れる世界こそが、一番恐ろしいのだから。
少女を乗せるトラックもテーマを象徴しています。
集団として見れば敵でも、個として見れば誰もが良き隣人。
心を揺さぶり続ける102分。多くの方に見ていただきたい!
最後にアラン・リックマンに合掌 ( ̄人 ̄ )
彼の、身悶えするほどのジェラシーに耐える演技が大好きでした。
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