アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
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ジレンマに魅せられる
ドローンを使ったミリタリーもの。人道的観点からの描き方、ハイテクが一方的な攻撃に介入している現実、小さな犠牲で大きな悲劇を防ぐという観点、それら予想通りの内容ではあったけれど、攻撃する際のジレンマなるものを巧みに表現していて、予想以上にハラハラドキドキさせられてしまった。
映像も、冒頭のタイトルバックからエンドロールに至るまで、非常に練られていてしかもカッコ良く、ずっと集中して見ていたように思う。
ヘレン・ミレンの軍人役が、正直、はまっていたのか違和感があるものだったのか判断がつかなかったけれど、個々の演技など問題にならないくらいに展開が面白くて、しかも戦争賛美にも平和主義にも偏ることができない現実的な問題をしっかりと提示しているような気がして、少なからず考えさせられるところがあった。
映画は終わっても、描かれている事柄には終わりが見えないというふうに捉えることができたので、なおさらこの作品を評価したくなってしまった。
今年1本目、満足。
正義とは…
わかりやすい負の連鎖
学生ローンから逃れたくて軍隊に入った若者がテレビゲームのように、テレビモニターをみながら人を殺す。より大勢を救うという大義の元に。その一回の攻撃で失われるものはテロリストの命だけではなく、周辺の一般市民の命を奪うことも避けられない。さらには攻撃をした、その攻撃を許した国々への一般市民の憎悪は増し、その憎悪はテロリストへの大きな追い風となる。こんなことが毎日毎日たくさんの国で起こっているのかも知れない。テロリストを、反社会的か集団から善良な市民をという目的のために、どこかの誰かの命を簡単に奪う権利が誰にあるのだろう。私たちは武力攻撃が平和を生み出さないということを、この映画を観て目を覚まし、学ぶべきなのではないかと考えさせられた。
いい意味で裏切られた
ボタンひとつで…
優れた反戦映画!
現代の戦争は病んでいる
ドローンを使った現代の戦争を描いた作品。戦争は会議室で起きています。
現代の戦争の闇ですね。ドローンパイロットは、PTSDと言うか、精神疾患に罹患する確率が高いと聞いたことがありますが、こんな事が繰り返されていればそうなりますよね。それにしても、ターゲット確認からミサイル発射までの話だけで、一本の映画になるとは。驚きです。それほど、この戦いが病んでいるということでは無いでしょうか?
この作品は、もうヘレン・ミレンに尽きます。イギリス女王から、冷徹な陸軍軍人まで、演技の幅が広いですねぇ。まぁ、だからオスカー女優でも有るし、大英帝国勲章受賞者でも有るんですけどね。
予測と推測
どっちにしろツライ
緊迫の展開!
考えさせられるし、考え続けなければならない
他人の命の重さを、会議室内の議論で決定していいのか、時間をかけた調査の末の結論なら、それに犠牲が伴うのは仕方がないのか…
鑑賞中も自分の気持ちが揺らいだり、鑑賞後もいろいろな登場人物の気持ちになって、自分の気持ちの立ち位置を考え直したり、本当に考えさせられる作品でした。
遠く離れた民家に落とす爆弾を発射するボタンを、押す、押さない、の緊迫感。本当に手に汗握る、ハラハラドキドキさせてくれる映画としての面白さも十分にありますし、今現在起きているドローン攻撃について、知る、考える機会にもなる重要な問題提起作品にもなっていると思います。
アラン・リックマンの遺作となった今作。厳しさの裏側に優しさを秘めた、彼ならではの演技は素晴らしかったです。
本当に鑑賞できてよかったです。
精神の疲れる戦い
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