「リアル。」アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 E.HOBA_666さんの映画レビュー(感想・評価)
リアル。
制服組と背広組、現場、それぞれの正義と理性と葛藤がリアルに描かれている。
悪者は一人もいない。(アルシャバブ除く)皆自分の正義と理性をフル動員して、ベストを考えている。
まあ、アルシャバブも自らの正義があるんだろうけど、イスラム教を屈曲解釈して、昔の戦国時代と同じことしてるだけ。派遣握って、最終的には世界を牛耳りたいわけだ。しかも前時代的な暴力と詐取、恐怖政治で。
イスラム教は本当は平和的宗教なのに、イスラム教徒が誤解されている。
つまり善良なイスラム教徒からも敵とされてる。
だから悪。更正させるのはシバいた後。
究極の判断が求められる、現代戦の意思決定の過程をここまでリアルに描いた作品はないのでは。
自分の国マンセーな洋画が多い中、偏らない作りであることも好感が持てる。
まあでも、安全保障になじみのない日本人には、わからないことがわからないというか、リアルすぎるゆえに一般人にはリアルさが伝わらないというか、実感が湧かないかもしれないが、ストーリー以外は(偵察用鳥型ドローンも、虫型ドローンも)ノンフィクション。
洋画版シン・ゴジラって感じかな。
いろんなセクションの、政府の人間が奔走するという点で。
これをきっかけに、日本人も安全保障を考えよう。
とかく日本は軍事アレルギーだが、軍人もかなりシリアスかつ、ちゃんと正義と理性を持ってるんだぜ。ってのがわかると思う。
戦争はだめです、はいそうですかで済んだら人類はとっくに平和になってる。
日本の「平和」「常識」は、とかく安全保障に関してはズレてるよ。
被害者面してピーピー平和を叫んでも無駄。
最後の、「決して軍人に言ってはならない、彼らが戦争の代償を知らないなどと。」のくだりは日本人が特に見るべき。ただ戦争はあかん、軍隊はあかん
って言ってたら、軍事作戦をしなかったら、それで、平和になるわけじゃないし、戦争を一番したくないのは軍人。