アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のレビュー・感想・評価
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故アラン・リックマン、最期の演技を見逃すな!
最新テクノロジーを駆使したドローン戦争の実態を描くまさに驚きの一作だ。一口にドローンと言っても上空から爆撃可能なものから、小鳥、あるいは昆虫サイズの密偵用のものまで使用機体は様々。その作戦命令をめぐって、現場の工作員、ドローン操縦室、英国軍の作戦室、そして英政府高官が集う指令本部といった四元中継を交えながら、この変則的な室内劇は得も言われぬスリルとサスペンスを増幅させていく。
工作員は現場で駆けずり回り、他の登場人物たちは職務上、室内で席に張り付いたまま。その動と静のせめぎ合いが本作に強烈なコントラストをもたらしてやまない。また、誰もが職務と信念に従って正しい行いをしているつもりでも、そこに伴う煩雑な手続きや責任の所在の明確化、法的解釈などによってジレンマは増すばかり。故アラン・リックマンが最期に放つ台詞の重みもさることながら、救う命、奪う命をめぐる鋭いテーマが、深く胸に刺さって抜けない鮮烈な一作である。
これリアルなのかな
こんな事が現実に行われている?という点に衝撃を受けた。
テロの情報を事前にキャッチすることがあるけど、こんな風に監視してるのかな。脚本的には単純だったけど、勉強になった。
評価:3.5
それぞれの立場、理性、感情
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ケニア上空の英国偵察ドローンが、テロリストの隠れ家を発見する。
で爆弾投下しようとするが、家の横で少女がパンを売ってた。
攻撃すると、65%ほどの確率で少女が死亡すると試算できた。
この機を逃すと、テロリストは自爆テロで何十人と殺すだろう。
少女1人の犠牲は、本当に重要な問題なのか?
政治家・軍それぞれ考え方や立場があり、なかなか決断できない。
で結局女性大佐が軍曹に無理やり死亡確率45%と算出させる。
この結果、作戦実行。少女は倒れてたが、まだ生きてた。
しかしテロリストの1人が生き残ってることが判明。
再度爆撃し、殺すことに成功。でも少女も死亡してしまった。
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目先の1人の犠牲と、近い将来の複数の犠牲。
どっちが大事なんでしょう?というテーマの映画。
おれは正直、ここは多少の犠牲を払っても作戦決行やろって思った。
でもその決断をしたり、爆撃する立場だとどう思うだろう?
目先に救える命があれば、救いたいと思うに違いない。
理性と感情の狭間で揺れる、そういう難しいテーマやな。
できることなら目を逸らし、一生こういう任務には関わりたくないな。
現代の空爆
市街地を空爆する以上、そこにいる民間人が犠牲になるのは当たり前なのに、それにも関わらず過去にも空爆は行われてきました。
しかしこの映画では、「eye in the sky」によって女の子が危険にさらされるのに気付き、躊躇する様子が描かれます。
ただ、これが見えなければすぐに攻撃していたはずなのです。
放題では「現代戦争の衝撃」などと題をうってはいますが、「eye in the sky」によって、攻撃側に葛藤が生まれている分、昔の戦争よりもいいじゃないかと思いました。
その葛藤をスリリングに描写しているのが秀逸に感じました。
現場で少女を助けようと奮闘するバーカッド・アブディも良かったですね。
衝撃的…
まさに衝撃的でならない。
今やらなければ、今やってしまったら、、、
今やらなければ
タイミングを逃しターゲットを逃してしまう。
そうなれば、今後さらなる被害が及ぶ可能性か高い
今やってしまったら
ドローンからの映像に映るパンを売る少女が死んでしまうかもしれない、、、
ずっと続くこの緊張感、ターゲットが逃げてしまう、早くパン売り少女居なくなって、、、焦る中での葛藤が続く。
また、政治的に手順を踏まなければならないモヤモヤ感、フラストレーションが溜まる感じと
あたかもその場に居るかのような気持ちになり
とても衝撃的だった。
数年前の映画ではあるが
今の戦争の一部はこんなになっているんだと…
やはり衝撃的だ。
誰でも相当悩む決断
映画の大半がミサイルを発射すべきかどうかの判断に迷うシーン。そりゃ誰でも悩むと思う。
ラストは想定外の結果となってしまった。怪我をしたかもしれないが、どうにか助かったと思っていたので、ちょっと裏切られた感じだ。45%、しかも最終的に現場から少し離れたので、怪我をしたかもしれないが助かったとみんな思ってたはず。もし彼女が結果的に死んでしまうのであれば、映画的には爆撃した時点で即死したシーンのほうがよかったかも。そうでなければ、ミサイル発射の判断をした政治家や軍人たちは、彼女が動いているのを見ているので、もしかしたら生きているかもしれないと思っていた人もいるはずで、彼らが悲しんでいるシーンがいまいち曖昧に感じた。
後味の悪い映画です。 でも、今現在の戦争なんでしょうね。 登場人物...
後味の悪い映画です。
でも、今現在の戦争なんでしょうね。
登場人物誰の視点で見るかによって、印象が変わる。
又、登場人物誰の立場と主張も解る。
又、見返したいと思います。
現実が映画を越えていく 悪い方に
娯楽映画ではないから、少女の運命は最初から確定していた
そうでないとお話にならないからね
わかっている結末に向かって、どういう落とし所を作るかだけの映画です
8月に、アメリカがアルカイダ最高指導者アイマン・ザワヒリを無人機のミサイルで殺害した
この映画は2015年放映ですが、7年後に全く同じ事が現実に行われたわけです
民間人の犠牲リスクを最小限にした作戦を実施し、容疑者以外の死者はいなかったそうだけど、
人一人を殺すのにミサイルなんて、無茶苦茶するなあと、なんか嫌な気持ちになったのを覚えています
アメリカは居所さえつかめば、ピンポイントで人を殺害できることを証明した
それも裁判もなしにです
映画は、切迫した状況下、大勢の犠牲を出さないために、少数の犠牲を容認するという、ジレンマに話をすげ替えているが、
今回のアメリカの行動は
兵士を駐留させなくても効果的な対テロ作戦は実行出来る事の証明のためだった
ロシアの理不尽なウクライナ侵攻といい、現実は映画以上に非情で非人道的になってきたんだなと実感します
未来はまったく真っ暗です
ハリーポッターシリーズのスレイプ先生で知られるアラン・リックマンにとって”アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅”と共に本作が遺作となりました
怖い世の中ですね。
前半は責任の盥廻し状態に終始イライラさせられ、後半はどのような結末が待っているのかドキドキさせられました。
緊迫感もあり、不謹慎な表現になってしまいますが、とても面白かったです。
ああやって映像としてしっかり見れてしまうと、この先幾ら多くの人々がテロに巻き込まれると分かっていても決断はし難いですし、ドローンを操作する人間もかなりストレスを感じるでしょうね。
様々な立場の人間の心情が上手く描かれていましたし、後半の緊迫した展開も含め、脚本はとても上手く書かれていたと思います。
これが正解だったかどうかは分かりませんが、こうやってこれから先も負の連鎖が続く事だけは間違いない事ですね。
ただでさえ、監視カメラにドライブレコーダーが溢れているのに、更にはドローンばかりでなく、あのような鳥や虫型のカメラまであったらプライバシーなんて無いも同然ですね。
怖過ぎですw(゜o゜*)w!?
軍事物なのに評価がやけに高いので、ある意味、予想は的中
最初から近所の人や子供にパンを買いに行ってもらったら良かったに尽きるな。話を伸ばし伸ばしして仕方がなかったで着地して終わり。このサイトの評価を信頼しているのでサクラとかいるなら徹底的にブロックしてほしい。
承認承認承認許可…長い長い…綿密に緻密に離れた相手を殺すと言う事
しかしトリガーを掛けた兵士の発言がこんなに重いとは思わなかった。
上司に「撃て」と言われ「待って下さい」と言ってよい環境…これが人を殺す機関でなければ素晴らしいと思うところだが、国、その陰にある営利を求める企業や人間がいる限り、この手の悲惨な出来事は決して無くならない。
いくら空の上からこの娘だけの命をこの場かぎりの感情で助けようとしても理解は得られないだろう。
指名手配が二人、爆弾テロ兵士二名、爆弾手配師が一名、巻き添えの一般人…その場に居ない第三者が差し引きで考え決める。
殺る側の理由は殺られる前に殺る。
殺られる方は殺られたから、報復する…。
争いは無くならない。
法律や倫理や道理で何を言い繕っても、殺られた側は忘れない。
殺られた側がまた相手を怨み、報復するだけだから…。
終盤、兵士に戦争の代償を知らないと政治的立場から言うシーンがあるが、仕事として一線を越えた事をやっている…やる覚悟を持っている人には敬意もあるが、それを命じる人次第で恐ろしい事も考えられる。
政治力にも軍事力にも同じような事が双方違うやり方で可能だからだ。
物語はモニターに見える少女一人に右往左往する連中の感情や責任の押し付け合いを中心に進むけど、結局やるんだね。
一発やったら二発目も躊躇わない…。
この作品が公開される前に兵士の心的外傷後ストレス障害が話題になったのが、もう随分前に感じる。
今は世界中の空をこんなものが飛び回り、他人の生死を判断しているのだろうか?
空恐ろしくなる。
仕事もおなじパラレルな状況でもある
この映画は以前予告編を見てみたかった。
ヘレン・ミレンに会いたくて今回DVDを借りてきた。
引いた映像シーンが軍事の緊張感がある。。
ヘレン・ミレルはいつもjどおりで仕事への献身と義務、そのプライドを持っている。
残念ながら品が欠けているのは役柄が原因かもしれない。
戦争はマムの「サッド。他に方法がなかった」や中将の「今日コーヒーとビスケットを見たことがー」が軍人の判断の現実のすべてを語っている。現場におけるあ正義とは何か?
全体をみた判断とここに起こる現実は仕事の現場でもいつも起こる。だからこそ「なにが正しいか」の判断と個々の「起こり得る現実のすべて」を、リーダーであればだれだって覚悟し受け入れている。その意味で「世界一安全な場所」などどこにもないが、恐ろしく鈍感なリーダーが無傷で居られるかもしれない。
民間人が巻き込まれぬ戦争なんてない。
あなたがそれを言うな!
鑑賞しなおせば、もっと早い段階で介入ポイントがあった。でも、それこそ、”最も安全な場”からの意見。後出しじゃんけんなら、何でも言える。
軍事×政治×法。
たった数人の捕獲に、政府の承認が必要なことに驚き。
他国での活動だからか。それが”警察”としての活動ではなく、”軍部”が主導しているからなのか。
確かに、他国への攻撃は、それが世界的な戦争になる可能性があるからなのだろう。軍部の暴走を阻止するには、良いシステムだ。
けれど、命の重み。
起こりえるであろう惨撃で失われる多数の命と、今失われる可能性が極めて高い一人の命の重みに対して、様々な意見が取り交わされる。
だが、それぞれが感じる命の重みは同じなのだろうか。
推定の被害者と、目の前の命に悩みながらも、自分の選挙や、マスコミの追求・批判とを、天秤にかける政治家と法律家。テロすらプロパガンダに利用しようとする政務官。
奨学金返済の代わりに、バイトのような期間限定でこの仕事に就いている兵士。
職業軍人として生涯を軍人として生きてきた中将と大佐。
キャリア組として、現場に出ることはなかったか、どのような現場を経て今の地位に着いたのかは語られていないが、今までのキャリアの中で、冒頭に協力者の死が出てくるように、途中で現地のスタップが命を狙われるように、自身も命を削る思いをしたかもしれない。部下を失くしたかもしれない。そんなことも含めての”任務”。テロ被害者や被害者の家族にも、実際に会っている人々。『ハートロッカー』が頭をよぎる。
ここまで来るのに、どれほどの危険を伴う任務を積み重ね、犠牲を払ってきたのか。
政務官が希望することを叶えるために、どれほどの犠牲が必要なのか。
これを逃せば、どんな阿鼻叫喚が広がるのか。
そしてまた、一からのやり直し。
同時に一人一人の思いの中にいる少女。一人の人間としての思い。
土産を用意した孫と、フラフープで遊ぶ娘。家族や、親しい知人…。
有名な「トロッコ問題」。
この命題に、犠牲者になりうるメンバーの中に、あなたの家族がいたら…。憎い知人がいたら…。
判断の基準は、皆同じようでいて、同じではない。
どんなに、ドローンからのリアルな映像を共有できても、そこから喚起されるものは同じものではない。
だからこそ、議論が必要なのだが、お互い、相手の考えを尊重しないままに、自分の立場・意見だけが主張される議論。
”プロ”としての経験がないがしろにされる世界。
何のために、何が必要なのかが、混乱する世界。
45%。被害が及ぶ範囲を数値化して検討する。
自爆テロが行われた場合の被害者も80人以上と推定される。
では、自爆テロが行われる可能性は?行われない可能性は?
すべてを数値化できるわけではない。
可能性が1%以下であっても、行われた場合はその時点で100%となる。
被害が及ぶ範囲とて同じだ。安全圏にいても、何がとんでくるかはわからない。
数字のマジック。
だのに、その数値が幅を利かす。
人権。
犯罪を犯した人にも、公正な裁判を受ける権利がある。至極まっとうな意見だ。
当たり前のことが、当たり前として通じなくなる。それが戦争という状態なのだ。
「少数の命を犠牲にしても多数の命を守ることを考えるのが、政治家。少数の命のために働くのが、宗教家」と塩野七生さんがおっしゃった世界は遠くなった。
これが正しいかは議論のすべきだが、こういう腹くくりができる人もいなくなった。
だからと言って、人の命を奪う行為は避けたい私もいる。
他のレビューサイトで指摘されている、原爆投下の問題。戦争終結を早まるため(とUSAは主張するが)とはいえ、投下が”仕方がない”行為だったとは絶対に認めたくない。
また、これも、他の方のレビューで気が付かされたが、被害者の家族がテロリストになる可能性もある。憎しみの連鎖。
判断は簡単ではない。個人の暴走がないように、判断基準の遵守は求められるが、マニュアルで対応できるようなものではない。
この映画を観て、テロに身を投じる人をなくすためにできることを探そうと思う私は、軍人にも政治家にも向いていないのだなとわかった。
『パラダイス ナウ』を見返したくなった。
ラスト、中将が部下におもちゃを渡され「ああ」と受け取って帰る後ろ姿。
その直前に、政務官へ強烈な一言を発して、会議室を後にした後の姿。
己の仕事を全うした、起こるべき悲劇を阻止した、国民をテロから守った、軍人としてのプライド。そのもう一方での感情。
後ろ姿で演技ができるリックマン氏。言葉がでない。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
このレビューを書いている2022年2月27日、ロシアがウクライナに侵攻している。
何故?どうして?大義名分すら見えてこない。完全に、ロシアからの一方的なわがままにしか見えない。(NATO云々とかいう話もあったようだが、それでなんでウクライナ侵攻?)
子どもを含む、民間人の犠牲者も出ていると聞く。死には至らなくても、日常の破壊。
プーチンは、”戦争の代償”をわかっているのか。判断する力が無くなっているのか。
日本にいるロシア国籍を持つ方をはじめ、関係している人は「NO」との叫び声をあげているが、ロシアの方々は何を思い、どうしているのか。支持しているのか、容認しているのか、昔の”東側”のように「NO」を言えない状況なのか?
NATOは何している?ということを言うニュースも見たが、これで他国が軍事介入したら、第3次大戦になだれ込む可能性だってある。『博士の異常な愛情~』の世界に入っていくのか?
戦争。どんなに精密な機器が開発されようと、それが、人々が生活する場で行われる限り、民間人が巻き込まれる可能性は0にはならない。
サバゲーのように、戦争やりたい人だけが集まって、戦争すればいいのに。なんて夢のようなことを考えてしまった。
【現代の対テロ戦におけるドローン攻撃の、”究極のトロリー問題”を緊迫感溢れるスパイ衛星からの映像で描き出した作品。観る側に現代の戦争における、重いテーマを投げつけてくる作品でもある。】
ー 「ゼロ・ダーク・サーティ」でも、「アメリカン・スナイパー」でも、テロ集団への攻撃は、鍛えられたネイビー・シールズが行っていた。犠牲を払いつつも・・。
だが、今作で、テロ集団”アル・シャバブ”(英国人、米国人も在籍)を攻撃しようとするのは、遠隔地にいる、パウエル大佐(ヘレン・ミレン)達英国軍である。ー
◆感想
・これが、現代の戦争なのだろう。”世界一安全な戦場”。皮肉なタイトルである。
・テロ集団”アル・シャバブ”のアジトに飛んだ、昆虫型ドローンが映し出したモノ。
それは、大量の自爆テロ用の爆弾であった。
それを確認し、ロケット弾、”ヘル・ファイヤー”による攻撃を英国及び米国政府外相、首相に求めるパウエル大佐や、フランク・ベンソン中将(アラン・リックマン:合掌・・。)の姿。
ー ここで、英国の外相が判断を避けるシーンが、現実的である。気持ちは良く分かる・・。ー
・アジトの傍で、パンを売り始めてしまった少女アリア。焦る、パウエル大佐達。
ー 頻繁に使われる、”付随的被害”と言う言葉。何処に、ロケット弾を落としても、65%の被害であるという分析・・。ー
・ロケット弾攻撃の後、地面に臥せるアリアの姿を見て、眼に涙を浮かべる、任務遂行した軍人たち。
ー あれは、キツイだろう・・。ー
<英国政府の女性高官が”恥ずべき作戦だった”という言葉に対し、フランク・ベンソン中将が言った言葉の重み。
現代の戦争での、被害者は”何の罪もない無辜なる一般市民”の比率が増えていくのであろう。
スリリングで、面白い作品であるが、この作品が現代社会に問いかけるテーマは重い。>
正解のない問い
ドローン攻撃って、「ゲーム感覚」で命の重さが軽んじられてるというイメージでしたが、この作品では決してそんなことはなかった。周りが見る余裕があるからこそ、自分の命の危険がないからこそ、状況が鮮明に見えるからこそ、その命の重さが感じさせられて、攻撃に踏み切れないものなんだと感じました。
ストーリーとしては、判断が難しい選択、いつ動くか分からないテロリスト、留まる少女、来ない作戦決行と、終始緊迫感がありました。目の前の1人の少女の命か、見えない80人の命か、どちらを選ぶのか、どちらかが正解でもう片方が不正解というものではない問いはホントに難しい。。いろんな立場、考え方があったけど、最後のシーンは全員が「早くそこから離れて!!」と願っていたのが印象的でした。
作品としては、1人の命を犠牲にして、80人の救った選択でしたが、やはりラストはこの選択でよかったのかとやりきれない気持ちになりました。
アイ・イン・ザ・スカイ世界一安全な戦場
正義と悪は背中合わせ
己を貫く事は戦争をも巻き起こす
その根源を排除するにはまた犠牲者が出る
犠牲者の家族はまた人を恨む
人間は脆い
世界平和は誰にも解くことのできない
超難問でしか無い。
これが今の戦争か。
これが今の戦争か。
軍事的、法律的、外交的、政治的、そして人道的に戦争を見る試み。
実際に今世界の戦争を仕切る米国ゆえのリアリティ。
ゆえに何処か似る和製シンゴジラ よりこっち。
濃密な密室劇の巧さも米映画の強味。
ビターなラストは驚いた。
必見。
先の犠牲者の心配より今守るべき命・・
戦争で犠牲となる民間人の悲劇は映画や報道で数多見知ってきたが本作のようにあらたまって少女の存在を描かれてしまうと心底辛い、テロも憎いし軍人の論理も分からぬわけではないが逮捕が一気に抹殺とは作戦にしては場当たり的すぎて到底同意できるものではないでしょう。
ただ、映画は愚かさを描いての問題提起がねらいなのだろうから致し方ない。
英国ノースウッドの司令部を拠点としてナイロビの地上部隊、上空のドローンを操縦する米国のネバダ基地、人物解析のハワイ基地、英国上層部たちが鳩首会議するロンドンをリアルタイムで結んでアル・シャバーブへの対テロ撲滅作戦が進行するのだから凄まじい時代です。
映画ではターゲットのテロリストは英国籍や米国籍の犯罪者の設定で自国の警察権の行使のようにもとれるように脚色はしているが度を越している、テロリストにはミサイルでの抹殺も辞さないというのは力の誇示、いわば公開処刑、見せしめ的な効果も狙っているのだろう、巻き添えになる少女の命を天秤に掛ける思い上がりにはぞっとする。
まだ先の自爆テロの犠牲者と今起こりうる犠牲者の数を比べるのは拙速、自爆テロの阻止の手だてが他にないと決めつけているでしょう。
劇中のドローンはプレデターの改良型MQ-9 リーパー、搭載ミサイルは元は対戦車攻撃用に開発されたヘルファイア、実際にアフガンやパキスタンでのタリバン暗殺に使われたが威力が大きすぎ巻き添えとなる民間人の死者は1000人を超え問題となり、CIAの要請でより小型のスコーピオンミサイルが開発されている。何も本質的な問題は手つかずに戦術のみが巧妙化するのが現実かと思うと気が滅入るばかりである。
エンドロールで本作が遺作となったアラン・リックマンさんへの追悼が出る、映画ではベンソン中将を演じていた、私生活では孫娘への人形を買う好好爺が軍務では真逆な決断を行うというダブルスタンダード、酷な役柄を課したものです。
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