ブランカとギター弾きのレビュー・感想・評価
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主演女優のアナク良かった SNSで聞いた
2022年8月19日に配信が終わるので、もう一度見た。感想は同じ。彼女は歌がうまいので、もう少し活躍してもらいたいと感じた。日本の就業人口が減るのだから、難民や貧困層を受け入れると言う方法もありだと思う。少なくとも『plan75』よりはマシだと思う。但し、フィリピンは日本に対してあまり良い感情は持っていないが。
日本人目線でフィリピンを描いているのかなぁ?
僕は養子縁組には反対ではないなぁ。
もう少し、歌が聞きたかったなあ。
You Tubeで主演の女の子の歌聞いた。声量はあるし、低い声なので、ミュージカルとかもできると思った。アナク(息子)暫くぶりに聞きました。良かった。
ミュージカルで神田沙也加と共演させたかったかなぁ。大変に残念です。ご冥福を祈ります。
この映画だ。
僕にとっての使ってはいけない技法
映画で所謂禁じ手で言うと夕陽を背景にメローな曲を流して主人公を走らせる・・「流し撮り」は安易の極みとして力量のある監督なら使わない・・それと同じくらい子供を使って厳しい環境からさらに一回落して救うようなシナリオも事実の映像化だとしても安易に提供してはいけないシナリオ構成だと考える。その意味でこの作品はブランカの美しい声に救いを見出そうとする観客を安易に裏切った点で罪は深い・・たとえ最後に希望に向けた救いのシーンが用意されていたとしてもだ・・・
何も解決していないけれど。
「大人は子供を買えるのに、子どもは大人を買えないの?!」は、痛烈な叫びでした。
ラストも、ギター弾きとともに暮らすストリートの生活を選んだ。それは、決してハッピーエンドではなく、結局、「誰も救われていない」。
ヒロインの「帰る場所=家=ギター弾きのおじさん」を見つけた、そのときの満面の笑顔で終えた映画だが、「誰も救われていない」。家のない実情は変わらず、お金もない、行く当てもない。
でも、少女には、進むべき人生の道が、一筋の光が見えてきた。
「歌」で認められたことが、「自分の存在」を認めてもらえた経験となった。母に捨てられ、その日暮らし、自分より年下の子どもにも容赦しない弱肉強食の世界で生きなければならなくなり、人間としての社会性より、動物的本能で生き延びてきた少女。はじめて、人としての扱いを受けたきっかけは、歌、だった。そして、その「自分の存在」を引き出してくれたのが、盲目のギター弾き。
盲目のギター弾きが、結果として導いてくれた、自分で見つけた「一筋の光」を見失わぬよう、彼女は『生きるなら、どう生きるか』ということを孤児院で考え、養子を期待しながら他人に選んでもらうより、『自分で選んで、生きる』ことを決めた。
いたいけな少女の選択の瞬間が、とても愛おしく切なく、美しかった。
それでも、残酷な現実は変わらない。
それでもそれでも、笑顔でいる少女。
ほんの少し、手を差し伸べてくれる人はいるけれど、基本的には、救いはない。
自分で自分を救うしかない環境、狡猾に生きるしかない世界が、地球にはある。ただそんな印象だけが残った。ヒロインの笑顔にハッピーエンドを感じてしまうことはなく、これからの道のりを考えると、胸が痛くなった。
でも、「人生は選べる」ことを心でわかった人間は、世界が違って見える。
それがわかっただけでも、彼女のこれからは、だいぶ明るいはず。
『暗く険しい』道のりは、ケガばかりだけど、『明るくて険しい』道のりなら、ゴールまでたどり着ける気がする。
ちゃんとした映画でした。
ブランカの歌声に聞き惚れた
ブランカのようないたいけな子どもを観ると、本当に何とかして助けてやりたくなる。
悪さもするけれど生きるため。
人との触れ合いを求めて、懸命に自分ができることを考え、行動している。
辿々しく一冊の絵本を繰り返し音読したり、まさかの天使のような歌声を披露したりするたびに、このような才能を持ったたくさんの子どもたちを路頭に迷わせている社会とはいったい何だろうと歯噛みしてしまう。
「みんな目が見えなければ、戦争なんか起こらないのに」とつぶやくピーターと、
「子どもを買う大人はいるのに、なぜ子どもはお母さんを買ったらいけないの」と抗議するブランカ。
2人のこの言葉に、何か理にかなう言い訳ができる人間はいるだろうか。
ブランカの最後の笑顔に一筋の光明を見出してしまいそうだが、彼らのその後の人生に、何か希望の光が差し込んだわけではない。
登場人物たちの助け合いを「共助」という名で美化するつもりはないだろうけれども、なんとなく最後の笑顔でごまかされた気になってしまうのが、やや気になる。
とにかく、ブランカの無垢な歌声は一聴の価値がある。
自然な演出と少女の歌声
意地の悪い見方をすれば、この映画は数々の矛盾を指摘することが可能である。
主人公の少女が生活の糧を得るために盗みを働く。さらに、盗みに協力した他の子供たちにはほんの少ししか分け前を与えない。幼いながらも相当のワルである主人公の姿が、それでも映画では肯定的に描かれる。
孤児院を出てギター弾きのもとへと戻る彼女の未来に明るいものが見えるだろうか?盲目の年老いたホームレスに少女を守る力などあるはずもない。
このように、映画は観客に様々な論理的破綻を無防備に晒している。
だから、この映画は駄作になるのだろうか。いや、そうではあるまい。
あらゆる人間の生が矛盾に満ちているように、映画という虚構もまた矛盾に満ちている。
フィリピンという国の福祉の現実を批判しつつ、発展途上国の人々に対する収奪によって成り立っている安い海外製品を消費することも矛盾である。
そのような欺瞞は誰しも陥る可能性がある中、一つずつそれらのことに気づきながら、向かい合いことが人生の側面だ。
ギター弾きのピーターがどこでどうやって生きてきたのか。大きな謎には違いない。誰かのレビューにあるように、これは神様なのだと思う他はない。
貧者が神に救われるという話は、昔から童話などの寓話に、繰り返し描かれてきた。この映画もまた、そのような類型の一端に連なる。
自然なカットの繋ぎ、自然な構図。少女の憂いを帯びた歌声が心に残る。
お金だけが正義の子供の世界の哀しさ
親から愛情を受けずに育った貧困の真っ只中にある両親のいない子供たちの世界観を描いた映画と言っても過言ではないと思う。
貧困さと愛情の欠如からくる、子どもたちのある意味実直な生きる力は、逞しくもあり、ずる賢くもある。
様々の方法でお金を子どもたちだけでお金を稼ぐとする中で盲目のギター弾きに出会う
あらすじは他のレビューに任せるとして、貧しい子どもたちだけの世界を見事に描いた映画、あるいはドキュメンタリーと言ってもいいかもしれない。
キャストの存在感が抜群
ブランカをはじめ、ピーターやセバスチャンらのキャストがとても生き生きと息づいていて、それだけでも観た甲斐がある映画だな、と思えました。
特にピーターの存在感はすごい。とにかく絵になる男だ。
この映画はブランカとピーターありきの作品なので、他の人が演じていたら、かなり今ひとつな作品になっていたかも。
また、映像もどことなく印象に残る。映像美みたいなタイプではないのですが、鮮やかで独特の美しさを感じました。スラムのリアル感もよかった。
キャストや映像、ロケーションの良さがあるものの、ストーリーは比較的アバウトでした。ドラマとしてはいささか退屈。77分とタイトな尺でありながら、結構飽きてしまった。
とはいえ、主題である自分を無条件で受けいれてくれる存在≒精神的な意味での家族の描かれ方は丁寧で胸に迫ります。ラストでピーターと再会したときのブランカの表情が本当に最高。観終わってからの方が、ジワジワと感じ入るものがある、心に残る映画でした。
最貧困地域の話でありますが重苦しい暗さはなく、それもこの映画の魅力のひとつかな、と感じます。
ただ、歌はもう少し聴きたかったかな。
待つ人の元へ
痛々しいスラムの実態の中、逞しく瑞々しく生きるブランカと彼女に寄り添う神様みたいなピーター、まっすぐな好意を向けるセバスチャンが際立っていた。
盗みも裏切りも身売りも当たり前の街で、一筋の愛情を求める子供とゴミはゴミらしくと諦める子供がいて、どうしても胸が痛くなった。
「母親を買う」という価値観しか持てない彼女達の、他の親子をじっと見つめる目線や人混みの中ギラギラした目付きがすごく特徴的。
自作の部屋のハート型の窓から外を覗くブランカが可愛らしい。
後にラウルに閉じ込められた鶏小屋にも小さいハート型の穴があって、状況も心境も全然違うけれど繋がりを発見できた気がする。
セバスチャンが必死でピーターを探して閉じ込められたブランカを助けるシーンがとても良かった。
飛ぶ鶏、人情派オネエ、もう盗みは嫌だと盾向かうセバスチャン、ピーターに縋り付くブランカ、怒るラウル
スリリングだけど全ての瞬間が美しかった。
母親を諦め孤児院に入るも、やっぱり大好きな人と一緒にいたいと夜中に抜け出すブランカに涙が止まらなかった。
「家に帰る」とギターの音を辿り広場のベンチに向かって、セバスチャンがタバコを売ってて、見えないはずのピーターがこっちを見て、ブランカと泣きながら笑い合って、その最後の表情は本当に最高だった。
大きな部屋がなくても、血が繋がってなくても、待っている人のいる場所こそが家なんだとブランカと共に学べた。
これから三人で仲良くやっていけるんだろうなと想像巡らせることができる。
ただ、映画はいい終わり方だったけど生きるために手段も選べないような子供が大勢いることは確かで、どうにか救われることがあればと思ってしまう。
その救いっていうのがまた厄介なんだけどね…ジレンマがすごいわ…
本編終了後の文章には驚いたし悲しくなったけど、この映画がずっと残り世界中を周り後々に残っていることで彼に感謝の気持ちを伝えられればと思う。
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