「3Dならでは」誰のせいでもない Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
3Dならでは
3D映像は「出てくる」感覚を楽しむものと思いきや、「奥に入り込む」感覚を味わえた。
部屋の奥に入る感覚(おかげで子ども用ランプの絵柄に気が付ける)。山の向こう側の風景。ガラスの奥の人影。
ヴェンダースの作品を観て思うのは、人の内部の深みと奥行きは、文脈と行間にかかっている、ということ。
出来事の断片が前後左右(今回は奥にも)と広がる文脈の中で、因果のロジックか理解できる。
子どもたちの成長によって時間が流れているように見えるが、実は時間は流れるものではないようだ。
過去のある時間と空間は、別の「出来事」との関係性のなかで「永遠的対象」となり、別の出来事の非連続的連続によって、時間が流れているように見えるのだ。とても哲学的な内容だと思った。
ラストでジェームスフランコは初めて画面のこちらに歩いてくる。
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