トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のレビュー・感想・評価
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ヘイルシーザーを合わせて鑑賞
面白い!
扱っている話は結構シリアスだし、ずっと脚本書いてるだけなので退屈になりそうなものですが、要所要所で観客を笑わせるシーンがあり最後まで飽きずに楽しめる作品です。
同時期のハリウッドを扱ったコーエン兄弟のヘイルシーザーも合わせて鑑賞するとより楽しめると思います。
時代の闇を余すことなく表現
かつての時代の暗部を実に軽快なタッチで描きながらストーリーを軽薄にする事なく表現されている良作
戦後アメリカの赤狩りを題材としていて映画の舵取りによっては暗い映画になってしまうところをいいバランス感覚で仕上げていてとても観やすい
トランボ本人のセンスをとても上手く表現出来ていてその点でもよかった
胸のすくような
レッドパージ時代のハリウッドを舞台とした胸のすくようなお話。
実話ものは案外スッキリしない話も多いけど、このくらいスキッとすれば文句ないよな。
それもトランボの才能あっての話なワケだけど…
しかし、主演のクランストンさん、全然存じ上げなかったけど素晴らしい役者さんですな。
ダイアン・レインもエル・ファニングも良かった。
そして、ジョン・グッドマンの怪演…ww
名作の裏に隠された真実はエンターテイメントとしてだけでなく、伝える...
名作の裏に隠された真実はエンターテイメントとしてだけでなく、伝えるものとしての映画を考えさせられる。
今はアメリカが様々な国の権利問題を追求しているが、自由な国と言われる国の全く自由じゃなかった時代を振り返ると単純に非難するのは難しい。彼らにもそういう時代があったのだから…
映画を通して映画を知るのはおもしろい。
カット割や過去の映像、白黒映像の使い方は映像の中に埋没させてくれた。
とりあえず50年代、60年代の映画が改めて見たくなった!
映画を超えた映画!
50年代から70年代、ボクの学生時代は映画の時代だった。しかし、まだ、何も知らず楽しんでいた。これは映画を超えた映画。カーク・ダグラスもジョン・ウェインもプレミンジャーも楽しませてくれた。映画っていいですね、ありがとう。
前振りなのかな?
104本目。
年配者が多いし、昔からの映画ファンだと思う。
やたらウケてた。
僕も面白いと思ったけど、笑うツボがね。
ここでも笑うかって。
アメリカらしい作品で面白かった。
最後のスピーチに向けての前振りなのかな?
●心から尊敬する男のはなし。
ダルトン・トランボが好きだ。その不屈の戦いたるや。彼の作品にはそのまま彼の生き様が投影されている。そうかと思うと、「ローマの休日」終盤にある秘密の共有は、たぶん彼のメッセージ。
とまあ、作品に脚本家の本音がみられて粋なのだ。本作みてから彼の作品たちを観ると、絶対楽しいと思う。
さて本作はそんな彼の半生。当時のハリウッドの様相も知れて興味深い。
「真昼の決闘」が嫌いなタカ派のジョン・ウェイン。立場よりも女を選んだロナルド・レーガン。ネットもない時代に絶大な影響力を誇ったヘッダ・ホッパーの筆致。
怖いもの知らずの「スパルタガス」カーク・ダグラスに、「栄光への脱出」オットー・ブレミンジャー。
時代の本流は完全に反共だ。本作には出てこないけど、ウォルト・ディズニーも本流だ。「エデンの東」エリア・カザンは転んじゃう。チャップリンは最終的にアメリカを追放されている。赤狩りが時代の要請だったことは想像に難くない。
そうして干されてからも、トランボは書いて書いて書きまくった。時にはユーモラスに。決して折れることなく。そんな彼を無口な妻が支える。時代を受け入れる心の広さ。ラストの肉声には泣かされる。の前のケネディもイカしてる。
にしても、彼の映画化は遅すぎる。と思ってたら、アメリカで本作は、当時の社会主義のあり方を検証してないだろうと、保守派から叩かれたらしい。それほど難しい問題なのだろう。
ノンキなのは承知だけど、さまざまな考え方を受け入れられる世の中であってほしいもんだと切に願う。
理解しようとすること
当時の人々にとって、共産主義は脅威に感じられたから、人々は弾圧が正しいと信じた。過激な思想に脅威を覚えることは心情として分かるけれど、解雇や収監はやり過ぎだったと思う。その人となりを見てもトランボは過激な思想というのではなく、おそらく育ってきた環境などから、貧富の差や特権といったことを不条理と思い、声をあげる勇気があった。
なのになぜそのような弾圧が行われたのかと考えると、映画の中のヘッダのように、他人の考えを聞かず、理解しようとしなかったためではないかと思った。
また、トランボは出所後、家族を失いそうになる。そのときに繋ぎとめたのは妻の言葉だが、トランボが妻や娘を理解しようとしたからでもあるのではないか。
トランボには文章を書く才能はもちろん、柔軟な思考の持ち主で、頭の回転が早くユーモアもあり、不屈の精神も併せ持っていたのだろう。それでも、家族がそばにいなければ、あれほど幸せそうには見えなかったと思う。
インコ?を頭に乗せている姿に和み、思わず笑みがこぼれた。やはり、優しい物語を書く人なのだと思った。
才能で生き延びる
どんな時代も生き残る才能は有るんだなあ。
映画はよく見るが脚本に注目することはなかった。脚本家以外の映画人の登場やタイトルが話に(私的には)リアリティを与えてくれる。
過去の名作が心の中でさらに分厚くなる。
後半良い
ローマの休日が大好きなので、母と行きました。前半は、メリハリなく、眠気に襲われましたが、後半は見応えありました。
奥さん役のダイアン・レインが素敵でした。美しかった。
役が実名だったので、鑑賞後に母と昔の映画の話で盛り上がりました。
誰もが知るローマの休日を創った男の話
前提知識無くとも楽しめた。
赤狩り、ハリウッド・テン、映画連盟等等、知らなくてもスッと入る。
家族愛の物語。
トランボの主義を曲げない生き方も凄いが、
それを支えた妻子はもっと凄いと思った。
エンドロールのインタビューも泣ける。
ジョン・ウェインが悪者に見えてしまうのは、トランボ側視点だと仕方無いのだろうか。
マイケル・ダグラスの父カーク・ダグラスが男気溢れていて格好良かった。
ヘレン・ミレンが憎たらしい女性を演じていたが、素晴らしく憎たらしかった。
ナショナリズムを糾弾する映画
アメリカはナショナリズムの精神構造を代表とする同調圧力の非常に強い国で、それは今も昔も変わらない。アメリカ人のナショナリズムこそ、世界を駄目にしてきた元凶なのだが、誰もそのことに触れない。ナショナリズムを否定するとアメリカでは生きていけなくなるからだ。アメリカだけではない、たいていの国で生きていけなくなる。
国家を第一義とするナショナリズムは、人間の自由と尊厳を大切にするヒューマニズムと正反対の思想である。ヒューマニズムの主張は尤もなのだが、ナショナリストからはエゴイストあるいはコミュニストと非難される。ヒューマニズムの主張は穏やかなのに対し、ナショナリズムの主張は攻撃的で高圧的で、時として暴力的である。そして大抵の場合国家権力を掌握しているのはナショナリストである。議論ではヒューマニストに敵わないが、権力を背景にした暴力で圧倒する。ヒューマニストは黙りこむことになる。
民衆はというと、世界を立体的に考えることができない多くの人々は、ヒューマニズムを理解することができず、ナショナリストの大義名分の圧力に抗うことができない。むしろナショナリズムの一員として全体に同調し、高揚する。肩を組んで「America the Beautiful」なんかを歌うのが幸せなのだ。
トランボはヒューマニストである。したがって、当然ながら反戦思想の持ち主だ。第二次大戦前後のアメリカでは反戦思想の政党はアメリカ共産党だけだったから、彼は共産党に入党する。そこにソ連との冷戦がはじまり、レッテル張りをするのが得意なナショナリストの格好の標的となってしまう。マッカーシーの赤狩りの餌食となったのだ。そしてトランボたちを攻撃している中にロナルド・レーガンやジョン・ウェインといった有名俳優もいたことが少なからずショックだった。
この映画は、酷い目に遭いながら、不屈の精神力で脚本を書き続けるトランボと彼を支える家族たちの苦闘の映画である。
トランボの生き方は見事だったが、映画はそれだけではなく、ナショナリズムの恐ろしさも端的に伝えている。
風呂場で映画の脚本
ローマの休日に脚本を書きアカデミー賞を受賞した脚本家の実話です。
ハリウッドの赤狩りの話は他の映画でもあったので知ってはいたのですがこのトランボという人の事は全く知りませんでした。
評判良かったので劇場鑑賞しました。
共産党員という事で弾圧され酷い目に遭いますがやっぱり才のある人は違いますね!
偽名を使って脚本を書き2度のアカデミー賞受賞!!!
ローマの休日の脚本がまさか風呂場でタバコを吹かしながら書かれていたとは。。。
これが実話とは思えないトランボの人生その才能!
見応えありました。
脇役もダイアン・レイン、エル・ファニング、ジョン・グッドマンとキャスティングもいい
エンタテインメント色たっぷりの社会派映画
米ソ冷戦がはじまった1940年代後半から、米国では共産主義的思想の持ち主を徹底的に弾圧した。
ハリウッドとて例外ではなかった。
いや、大衆への影響が大きいことから、その弾圧はすさまじかった。
ダルトン・トランボもそのひとり。
いや、ハリウッドの共産主義の中心人物と目され、徹底的に排除された。
しかし、トランボは変名・偽名を使い、仲間とともに次々と脚本を書き続けていく・・・
という事実に基づいた映画で、とにかく面白い。
興味深い、ではなく、面白いのである。
その面白さの中心は、トランボそのひとにある。
とにかく、信念の人である。
自分を曲げない。
自分にできることは書き続けること。
ただし、主義主張、メッセージを重視するのではなく、量だ。
その量の中から、「質」が現れる。
「質」は、作品の質であると同時に、そのひとの内面の質だ。
「ひと」が認められることで、主義主張を通そうというのだ。
まぁ、やりすぎて、ワーカホリック状態になり、家族との危機も迎えるのだけれど。
この映画では、トランボを演じるブライアン・クランストンも素晴らしいが、妻役のダイアン・レインが素晴らしい。
いつもは控えめだけれども、家族の危機に際しては、言うべきことは夫に言う。
このシーンが良かった。
実話なので、エドワード・G・ロビンソン、ジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、サム・ウッド、オットー・プレミンジャーなど、ハリリウッドの面々が登場するが、なかでも、カーク・ダグラスが酷似。
さらに、映画コラムニストのヘッダ・ホッパー役のヘレン・ミレンが憎々しくて、これまた良い。
社会派テーマをエンタテインメント色たっぷりに仕上げるのは、かつてハリウッドが得意としていたものだが、これは久しぶりにそういった類の秀作佳作である。
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