「映画の神に愛された男」トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の神に愛された男
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似たような映画に『真実の瞬間』があるが、あれは架空の映画監督だったのに対して、こちらは有罪判決を受けた、いわゆるハリウッド・テンのひとりである実在した脚本家の半生を映画化しているが……
印象としては重苦しいどころか、軽やかでスラスラと観れてしまう。
もちろんシリアスなシーンは沢山ある。裏切り、屈辱、生活苦、家族の崩壊の危機、そして別れ。なのにだ。
これはトランボを演じるクランストン(他出演陣)の力量だけではなく、監督のジェイ・ローチの手腕とがみごとにシンクロした結果としか考えられない。
『オースティ・パワーズ シリーズ』でもそこはかとなく感じていた「映画への愛」が、ここでもちゃんと存在するのだ。
だから「国家の敵」として認められた男が家族の協力と共に自らの力量で名誉を回復してゆく様を一種のさわやかな感動で終われるのは当然だ。
国家は映画の神と戦って負けたのだから。
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