ニュースの真相のレビュー・感想・評価
全12件を表示
報道とは…
裏を取らなければならない。それが新聞やテレビの報道番組の使命であり、だからこそ人々の信頼を得られているのだと思う。この映画はその裏取りが十分に信頼を得られる結果でなかったことから、そのニュースを伝えた側が一方的に叩かれ、社会的に抹殺され、本来伝えたかったブッシュの軍歴詐称疑惑の真意や、さらなる追及がなくなってしまったことを描いている。メディアの責任としては当然だが、実話だけに仕方ないだろうが、エンディングがやるせない。
結局、真実はわからないまま
ジャーナリストの信念と意地が描かれていて、興味深かったです。それにしても、なんでそんな簡単にみんな騙されてというか、いいように操られてしまうんでしょうか。私も民衆の1人やけど、ちゃんと考えて行動したいと思った。そして、なにより真実はなんだったのか、みんな気にならないのだろうか。うちは気になる…
調査委員会での最後のセリフとニュース番組の最後のセリフが凄かった。
疑わしきは
証拠不十分、後から出てくる真実、ターゲットは大物なので反発も大きい。色々とついていないと思う。
映画のみでの判断だが、ブッシュは経歴詐称なのだろう。
夫婦に証拠となったものを渡したと男と女何者だよ。
この事件聞いた事あるな
と途中から思い出した。テレビでやっていたのか。このアンカーが選挙後降板したのも確か聞いた。どんな風にスクープが作られていくのか、とても興味深かった。
「スポットライト 世紀のスクープ」は新聞で、選挙のようにタイルラインがあるものではなかったから、記者達が粘って被害者や隠蔽の事実を追っていたが、この映画は大統領の軍歴の偽装を選挙戦の最中に暴くというもの。
番組の時間に間に合わせる事、情報の確認など記者のエネルギーは相当なものだ。しかしこれはどうも陰謀にはめられたように思える。
演技、脚本がとても良かった。後味悪い結末ではありましたが、少なくともこの映画を見る事で真相をより深く知ることができたと思いました。
集中して見られるけども。
飽きることはなかったですが、私にはちょっと難しく(アメリカの政治にも報道現場にも疎い)、
メアリーたちのやった事のどこがよくなかったのかが、はっきりコレとわからなかったのです。
おそらくメアリーたちの何が悪かった、というのではないようにおもいますが。
情報提供者の奥さんが、メアリーたちに言ったことが、
私の実感に近い気はします。
力のない市民の意見は、まさにあれ。
逆を言えば、あの程度とも。
保守とリベラルの差、とか、
自分がどっちで、どっちの考えがどんなのか、
などを全然知らないと、あまり見る意義がないでしょう。
「勇気を」のエピソードがよかったです。
FEAが、なんだったかちゃんと聞き取れなかったけれど。
メアリーは父親から逃げているけれど、
未だに足を引っ張る父親に、
異議を強くはいえないのかなとおもいました。
父を喜ばせないために、殴られている間に
何も言わなかった、というのは、
メアリーの抵抗の証でもあるだろうけれども、
「怖くて何もできなかった」ということでも
あるのかな、と想像しました。
ケイトブランシェットの低い声が大好きですよ。
ロバートレッドフォードは今までちゃんと見たことなかったので、
初めてでした。
この2人以外の役者は知らない人ばかりでした。
それぞれの正義感が、真相を歪めてしまう。
丁度アメリカ大統領選のキャンペーン中に観た映画で、なんとなく「大統領選が終わってからレビューを書こうかな?」なんて思っていたけど、大統領選が終わったら尚更どう描くべきか悩んでしまった。シンプルに、映画の感想だけ書こう。
ニュース番組の敏腕女性プロデューサーが、ブッシュ元大統領の軍事経歴詐称を暴こうとした報道の有様が描かれたこの映画。主人公のメアリー・メープルは、ブッシュ大統領の軍事経歴詐称を暴こうとするあまり、重大かつ致命的なミスを犯してしまう。わずかな不注意か勇み足だったかもしれないそれは、ジャーナリズムにとっては致命的な「証拠の捏造」。物語はその致命的なミスが引き起こす顛末が克明に描き出される。この映画では、実際のところ何が正しかったかという点は曖昧にしている。それはジャーナリズム的には「逃げ」のように思うが、映画として観る分としては、不十分な裏付けのまま報道してしまったことに対する責任と、メアリーの体内に流れるジャーナリストとしてのプライドが常に対峙し、衝突し合うようなシーンの連続にサスペンスが生じて悪くはなかったかなと思う。
日本でも、この映画に近しいことがよく起こる。何か大きな事件やスキャンダルが報じられた後、それを騒ぎ立てる喧騒の中、いつしか論点が別のものにすり替わり、その本質を逃してしまうことが。彼女らの報道は確かに不十分なものであったことは間違いなく、責任は追及されてしかるべきなのだが、それを指摘する有識者やブロガーたちの声によって、議論は完全に彼女たちを裁くことに注視してしまい、本来議論されるべきブッシュの軍事経歴詐称問題は脇に追いやられ、ブッシュの経歴よりもタイプライターの書式がより精査されるという捻じれを見せる。メアリーが証拠不十分な報道をしたこととその尻拭いの手段は、報道の送り手としての間違った正義感としか言いようがないが、一方で報道の論点をずらして本質を闇に葬ってしまったのは、報道の受け手側(「世論」という何よりも巨大な組織)の間違った正義感だったとも言えるわけで、終盤に弁護士団の前でメアリーが発したセリフは強く印象に残った(それが正と取るか否と取るかは別として)。
この映画の場合、何しろケイト・ブランシェットが素晴らしいので、ついつい彼女に気持ちが入ってしまう。あらゆる役柄を演じられる大女優だが、知的で凛としたイメージのある女優なので、こういった社会派のドラマで芯の強い女性像を演じさせた時の凄味や迫力が違う。同時に、その裏面に隠された脆さにシフトした瞬間の絶妙の表情まで引き出せる。ファンとしては、彼女の演技だけでもう満足感たっぷりだ。もう惚れ惚れする。この映画は、きっとアメリカ本国の人が見ると、それぞれの政治的な思想やら何やらが混じってしまって、立場によって見え方が大きく変わってきそうだ。もしかしたら、アメリカ以外の国の人が見た方が、より客観的に冷静に観られるかもしれない。僕はこの映画、ジャーナリズムのあり方を描くひとつの作品として十分に楽しめたし、ジャーナリズムの受け手の一人として、ひとつ教訓として記憶しておきたい映画だった。
FEA with courage
アメリカ大統領選挙期間中、George W. Bushの空軍州兵時代の疑惑を追求する主人公達。
テレビ局とて利益重視のビジネス企業。
スポンサーが付きやすいバラエティ番組に押され、そう簡単には黒字にならないニュース番組。どれだけ特ダネで他局を出し抜けるかという注目度とスピード重視の傾向にあり、信憑性を高めるための裏付けに割ける時間が限られていることが見えてきます。
仮説を立て、それを実証していく科学のように、報道でも裏付ける確固たる証拠・証人を集めていかなければいけないのですが、相手が本当に将軍かどうかも分からず、言葉のあやとも取れるような電話越しの一言でconfirmedとしたり、仮説に否定的な鑑定人の意見を軽視したり、素人目にも裏付け調査は不十分であったと思われます。主人公Maryのプロデューサーとしての経験と勘を、彼女の同僚、上司までもが、本人以上に頼り過ぎて公平性を見失っていたようにも見えました。
相手が権力者でも怯むな、というジャーナリストの根性と反骨精神は大事にして頂きたいです。しかし、故意でない誤報はいけないのか?ということと、疑問を呈することはいけないのか?ということは決して同じではありません。質問と好奇心を抱き続けるスタンスは勿論大切ですが、公平性と信憑性は報道に不可欠であり、そこを混同させてはならないと思います。ただ映画では、主役2人の演技が素晴らし過ぎて、同情を誘ってしまいます。
ガセネタを掴まされ、CBSは利用されただけなのか。それとも潰された真実だったのか。結局Bush本人しか分からないのかも知れません。
"Spotlight"がジャーナリズムの成功例なら、こちらはテレビ局の失敗例です。作品自体は重厚で、本作の方が主役2人に焦点が絞られており、感情移入しやすいので心を打つものがあります。
ゴミとまで呼ばれるようになった日本のマスコミ…。国家権力vsジャーナリズムのテーマは「運命の人」を思い出します。改めて良質な報道の難しさを実感しました。
"The day we stop asking questions is the day the American people lose."
薄汚れた社会
全ては闇の中、なのである。
結局の所、真実は公にはされないのだ。
誰かに都合の悪い事は特に。
確かに疑問である。
ではコレが全て捏造であるとして、作った人間は誰なのか?
映画は、そう問いかける。
後は、ジャーナリズムの根幹なのか本質なのか、理想なのか…。
そんな事が語られる。
ある方面からすると、正義も真実も作り上げるものらしい。
…なんとも、何を用いて「真実」を語るのか、その面の皮を引っぺがしてやりたい。
物語後半に「主旨」についての話がなされる。まさにその通りだとも思った。
真偽を問いただされるとマズい場合、その事には触れず、どうでもいい事で捲し立て大騒ぎし、論点をずらしたまま結論に至る。
よく、よく、覚えておこう。
自分の周りにも容易に起こるシチュエーションだ。誤魔化されない為に。
結局の所、傀儡に成り果ててるのである。
気持ち悪い。
「長い物には巻かれろ」
…これが今の社会に蔓延してる標語だよね。
結局の所、叩けるとこしか叩かないって事だよな、もう。
そんな事をリアルな社会に投影してしまう程、真に迫った作品で見応えあった。
ネットの力
ジャーナリストのメアリーをケイトブラシェットが強く、時にはもろく演じてました。魅入ってしまう女優さんです。キャスター役は大統領の陰謀で若き記者を演じていたロバート・レッドフォード。あの映画ではウォーターゲート事件を取材していました。
メアリーが公表した大スクープが、誤報だったことを見抜いたのはブロガーでした。それも凄い細かいところを。権力を巨大メディアがチェックして、そのメディアをネットがチェックするようになっているんですね。健全のような気もします。日本と同じく好きなことを極める人が活躍する社会です。
主張は強い映画だなと思いました。メアリーとは距離を置いて観ていました。私が完全に理解できていないのかも知れませんが、情報源は間違っていたが、趣旨は間違っていないと、メアリーが委員会の中で反論していました。それは苦しいのではないかと思うですが。反論シーンはアメリカ映画風でかっこよかったです。責任の取り方もアメリカ的で、すごい国だと感じます。
新聞社やテレビ局の映画は外れなしです。観てよかった映画でした。
スポットライト世紀のスクープも良かったが、また、違ったアメリカジャ...
スポットライト世紀のスクープも良かったが、また、違ったアメリカジャーナリズムの良心の作品。ケイトブランシェット最後まで一人でつっぱった。静止画の美しいショットが印象的。ハッピーエンドじゃない、エンターテイメント。食い入るように鑑賞。とてもいい。
全12件を表示