少女(2016)のレビュー・感想・評価
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なにが少女やねん?
原作読んでないが、女性監督の悪い面が出ている典型作。
作家性など誰も望んでなく、原作ありきのエンターテイメントなのだから、もっと本やキャストの魅力を見せられるだろうに、中途半端な心象描写が続く。
「難解?私さえ分かっていればいいの」ってのが女性監督の典型。もっとも最近は一概にそうともいえず、「百円の恋」みたいな良作もあるのに。
キャストもなにが「少女」やねん?って感じ。20代も半ばを過ぎりゃ自分でたいていの問題は解決できる。おまえらいい年こいてなにしょうもないことで悩んでんねんって感じ。少女の「まだ何者でもない揺れ動く危うさ」こそキモのはずなのに。
別に30でも40でも高校生役やっても構わないが、こういう作品はリアル女子高生でやってもらわないとすべてがウソっぽく見える。
音楽もものすごくありきたりで、BGMが耳について気になった映画ってのは久しぶり。
後半、親子関係や職場関係がどんどん繋がっていくのだが、それがこれ見よがしなのがむしろコント。特に稲垣吾郎親子の髪型とメガネ一緒なのは、ギャグなのか?誰かも書いてたが、そんなに世の中狭いのか?そこ「どや!」ってやってくのではなく、あらかじめといてその揺れる「関係性」こそ描いていくのが映画なのでは?
本田翼の説得力ある目線と子役達の演技が光ったが、あとはちょっとすべて「女性監督の自己満」って感じの映画。他に人材いなかったのか?
原作ものはテレビドラマ撮り慣れてる職人監督が撮った方が、たいてい良作になるね。
まあまあだった
卑怯な人ばかり出て来てつらかった。あんな人ばかりなら学生時代は確かに地獄だ。
しかし、剣道で日本一でも本当にそんな感じなのだろうか。例え一回負けたとしてもそこまで落ちるものではないように思うし、剣道の栄光が全然感じられなかった。
夏の嫌になるくらいの暑さが感じられなかった。他の季節に撮っていたのかな。
良作?駄作?
映画<小説
原作は未読だけど…きっと小説の方が何倍もいいんだと思う。
全ての登場人物を誰かに投影できるし、創造できるから。
各人の中で膨れ上がる「少女」の世界観とバックボーンに映画では追いつかないような気がする。
それでも、よく出来た脚本だったと思える。
現実と心象風景の切り替わりが、前半は多く、転換が必要だったりもするけど、10代の苦悩と閉塞感をよく表現してくれてた。
「想像の中の現実」
そんなものはないのだが、今の世では誰かがついた嘘が、簡単に真実に転ぶ。
そしてろくでもない信憑性が付加され、口伝されたりする。
そういうものに振り回される未熟で幼い魂達に同情もする。
そんな内容だからこそ、登場人物のモデルは自分の半径500mの人が望ましい。
朧げな嘘が真実に変貌していく過程を体験できるのかも。
絡まる人間関係は、小説の方が時間をかけてその線を濃く太くしていけると思う。
映画では…結果しか提示できない、のが、もどかしい。
主役の片割れは、声を作らない方がいいんじゃないか?
映画に挿入されるリアルの欠片が、歪な状態で迷子になっちゃうような気がする。
刺される父親とその息子には、頑なな説得力を感じてた。
点と点が……
「死」
膨れ上がった風船が割れ、いじめられている「死」を望む少女。死にたい、でも「死ぬ」というものがわからない、怖い、わからない、心が闇の中にいる少女。二人は親友である。いつも互いのことを考えている。でも不器用で本当の気持ちが伝えられなくて、わからない。わからない。この2人の少女が本物の親友になるというのがストーリー。
色んなことが繋がる。すべてが繋がる。それぞれの人物は何を思い、考えているのか。とても見応えのある映画であった。
オチもよかったと思う。主題をぼかす、もしくはそれが主題なのか。「因果応報」悪いことをすれば必ず自分に返ってくる。ヨルの綱渡りは終わらない。
良かったです。
良かったです。原作は読んでいませんが、ストーリーがどう展開していくか先が読めず、最後まで緊張感を持ってみることができた。よく2時間にまとめられていたと思います。また白を基調とした映像も美しく、詩のように感じる場面もあり、落ち着いて映像に集中することができた。登場人物たちは、誰にでもあるかもしれないそれぞれの闇と明を表現していたと思う。主人公の二人は長い闇から明へ抜ける感じがよく出ていた。たとえ社会が闇であったとしても、信じるものや、お互いを照らしあえる存在があるのなら、生きていくことができるのではなかろうかと感じさせる映画だった。
見たほうがいい
本田翼は素晴らしい
「血」を見る映画ではない。
「人が死ぬところを見てみたい」そんな映画だ、これは一大事だと映画館に足を運んだ。
映画を見てまず思ったのは、
女子校生が血みどろになるような、園子温のような映画だと思って見に行く人と、
原作が湊かなえで、監督が三島有紀子と知って見に行く人では、見え方が180度違うだろうということ。
私は、原作を読んでいなかったので、どちらかというと、園子温のような、血みどろになる映画を期待していた。(好きだから)
本田翼の演技にも期待できるとは言えないし、山本美月なんて映画で見た記憶がないし。
なぜ、この2人を起用したのか疑問に思っていたが、映画を見てそれがわかった気がする。
まず、映画の軸となっている小説。これが人のために書いたものであるということは映画の中でもいわれてた通りだ。
そしてそれは、本田翼が気持ちをしっかりと言えない少女であるということがわかれば、こんどはあの下手な演技がこの少女に変に当てはまって見えてくる。
彼女の演技を見ていると、なぜか違和感しか覚えない。目が死んでいるようにしか見えない。笑ったりする演技は自然なのに。ドラマ向きで、こういったシリアスな映画には合わないと思っていたのだが、それを逆にうまく三島監督は生かしたのではないかと思った。
痴漢の冤罪で金儲けする女子校生が出てきた。あのシーンはのちのちその少女が自殺するうえでは必要なシーンなのだろうが、長い。
被害者の稲垣も、小説のストーリーに乗っているような生活を送っていて、子供から刺されて、、、って、必要?なんかとってつけたような印象がぬぐえない。
そのへんのシーンがあったので、「少女」というタイトルが薄れるような感じがありました。
自殺した女子校生役の佐藤玲。この子は(他の2人と比べてしまっただけなのかもしれないが)、これから伸びていってほしいと思った。
それでも、少女の気持ちを、なんだかわからない踊りで表現したり、海に落ちたり、駅のホームで2分してみたり、映像から伝わってくる部分が多く、「害虫」に似た感覚を少し覚えました。
さすが、湊かなえ。
さすが、三島有紀子。
最後の最後にそう思うと、自然と涙が出てきた。
以上
闇に落ちても差し伸べてくれる救済の手
数ヶ月前までは全くスルーしていた作品。
どういう映画なんだろうと解説など覗いてみたら、湊かなえ原作のサスペンスではないか!
そしたら急に見たくなり、今に至る。
かなり賛否両論真っ二つ。
個人的には結構好きなタイプの作品だったし、また賛否両論なのも分かる。
感想を順々に。
まず、酷評の矛先のほとんどであろう本田翼の演技についてだが、これにははっきり反論したい。
なかなか悪くなかったじゃん、ばっさー。
いつもの明るいキュートな笑顔を封印し、あんな生気を失った表情や死んだような目も出来るんだと感心。
確かに演技力は誉められたもんじゃないけど、今回ばかりは拙い演技が無機質な雰囲気にマッチ。
暗の中で時折見せる、“たっちー&すばる”との交流やラストの表情など、ああ、やっぱり本田翼なんだな、と。
本田翼の演技なんて大して見てないけど、今まで一番良かったんじゃないかな。
山本美月は受け身の側。
か弱く、脆く、こちらもいつものイメージと違う演技を披露。
稲垣吾郎とアンジャッシュ児嶋は曲者ぶりを発揮。
ハートフルな感動作が多かった三島有紀子監督だが、繊細な演出は一貫している。
陽を控えた映像が、独特な世界観を表現している。
人が死ぬ瞬間を見たいと望む二人の女子高生。
…と聞くと、いかにも“イヤミスの女王”と呼ばれる湊かなえワールドを期待してしまう。
“少女”という年齢が抱える闇、死などを散りばめ、“女子校”という名の地獄で餌食にされる陰湿ないじめ、虐待、援交など扱っている“題材”だけはR15。
しかし、それらに深く踏み込み、ドロドロしたものかと思うとちょっと違う。
ラストなど別ジャンルのようにセンチメタルで人によっては肩透かし。
あれ、こういうの期待してたんじゃなかった…と思って、気付いた。
本作は、鬱サスペンスじゃないんだ、と。
何度も挿入されていたじゃないか、「ヨルの綱渡り」の一節とその本当の意味が。
因果応報。自分が犯した罪は必ず自分に返ってくる。
それはどんな罪でも。
憎しみ。
死の望み。
しかし、実際自分が望んだ罪を目の当たりにした時、それに恐れた。
と同時に、気付いたのだ。自分がどんな罪を犯していたのかという事を。
劇中で因果応報を受けた者はゲスい奴らばかり。
自分の罪に恐れおののき、後悔した者には必ず救済の手が差し伸べられる。
救う為だったその手は、自分を救った。
闇に落ちていたのは自分だったのだ。
その時、手を差し伸べてくれる欠けがえのない存在。
闇が終わって、少女たちの救済は眩い輝き。
あの“猿かに合戦”、もっと見てたかったなぁ。
少女という存在
死にざわめく青春
in MOVIX清水
監督/ 三島有紀子
出演/本田翼●山本美月●稲垣吾郎●真剣佑●佐藤玲●児嶋一哉●菅原大吉●川上麻衣子●銀粉蝶●白川和子etc.
小説家志望の本田翼とかつて剣道の有望株だったが試合中の怪我で断念した山本美月。
高校でクラスメイトから村八分を喰らい悶々と過ごす二人は、何故か「人間が死ぬ瞬間を目撃すれば、人生観が変わるかもしれない」と狂った衝撃を抱えたまま迎える其々の夏休みを描いた作品。
同じ湊かなえ原作で、《人間の死にざわめく青春》ってぇっと、松たか子×中島哲也の『告白』が未だ強烈に記憶に深く刻まれている。
教え子の中の誰かに愛娘を惨殺された松たか子先生が容赦なく復讐を遂行する『告白』は犯人探しにサスペンス要素を絡めたエンターテイメント性に打ちのめされた噺だったのに対し今作は、己の興味本意の為に他人の最期に向き合おうとする自分勝手な主人公の葛藤は、当然の如く、後味が悪く、痛々しい。
特に本田が最終的に選んだ死の標的はボランティアで潜入した小児癌病棟で闘病する子供達やから、尚更、嫌悪感が積もった。
しかし、死と対峙する運命は、皮肉なカタチで見届ける事となる。
さっきまで笑顔で仲良くしていたのに、居なくなった途端に手のひらを返す裏表激しい二面性の世界観に、「女って恐いなぁ」と、女流社会の自分の職場と重ねては、気分が沈むばかり。。。
観ていて、辟易しながらも、最後まで付き合えたのは、湊かなえならではの過去と小道具を張り巡らし、凝らした伏線で、もがく人間関係の濃密さに尽きるだろう。
裏切りの裏切りは実は繋がりだった2人の奇妙な絆は、同性の監督の三島有紀子だからこそ、生々しいまでに表現できたのかもしれない。
そんな気紛れな女心は、ゲス野郎の私にゃあ、さっぱり解りゃあしないが、テーマの《因果応報》 の意味の深さを、相変わらず薄っぺらいアンジャッシュ・大島の演技を観て、つくづく感じた。
。。。って、児嶋だよ!!
・・・性懲りもなくスベったトコロで、最後に短歌を一首
『闇綴り 紅く引きずる 水中花 もがきに笑みを 眼下の懺悔』
by全竜
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