「感慨深い!クリストファー・リーヴとヘレン・スレイターが「S」マークのスーツで並んだ図。」ザ・フラッシュ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
感慨深い!クリストファー・リーヴとヘレン・スレイターが「S」マークのスーツで並んだ図。
子供の頃、小野耕世氏が翻訳した(責任編集だったか?)「アクション・コミックス」が貸本屋(古本屋だったかも?)にあり、読み漁った。
日本のマンガ雑誌に比べると薄っぺらいが、ヒーローたちの読み切りコミックが3〜4編は掲載されていたと思う。
日本版の特集記事のページで、スーパーマンやバットマンに関する豆知識的を得たものだ。
そんな子供の頃のDCヒーロー(ジャスティスリーグ)の記憶だが、フラッシュはあまり印象がない。グリーンランタンやアクアマンは覚えているのに…。
オープニングのシークェンス、ゴッサムシティで事件が発生した連絡を受け、フラッシュが緊急出動する。現場に続く街道を赤い光のラインが突き進む。この場面が私は気に入った。
カッコいいところはバットマンに持って行かれながらも、フラッシュの能力を確り見せるのがこのシークェンスのテーマで、それは充分成功している。
だが、結局フラッシュもバットマンも最後はワンダーウーマンに一瞬で持っていかれた印象だ。
さて、本筋はフラッシュが超スピードで時間を越える(というか、遡る)ことができると知ったことで動きだす。
過去の出来事を変えると異なる結果の世界が新たに生まれる。そうして無数に枝分かれしたパラレルワールドの一つで物語は進む。
過去の自分(ただし、歴史が違う過去の)と会ってしまったフラッシュ=バリーが、二人でゴタゴタするのがやや冗長。過去を変えたことで状況が異なり、能力を失ってしまうのだから大変なのだ。
二人のバリーがドタバタしていると、ゾッド将軍が出現する!
このパラレルワールドのバットマンやスーパーマンがどうなっているか、二人のバリーは二人のフラッシュになるのか、そこは観てのお楽しみ。
と言っても、スーパーガールが登場するのは予告で周知済みだし、その他キャスト情報などが事前に溢れていたので、ある程度は想像できる。
敵をゾッド将軍にしたことで、地球が滅亡させられるからスーパーマンを探そう…という展開に違和感なく入れる。
さて、決戦はなかなかシビアだ。パラレルワールドのジャスティスリーグたちは決死の戦いを挑み、悲壮感に充ちている。
時間を戻して誰かを救おうというのは使い古された発想だが、本作はそこも結構ハードだ。
『スーパーマン』('78) では、スーパーマンが地球の周囲を超高速で飛ぶと自転が逆回転して時間が戻るという、驚きの発想だった。
本作の時間を戻すシーンは「走馬灯」をデザインしたかのようで奇抜だ。
そして、最後にはあらゆるユニバース(パラレルワールド)のスーパーマンたちが通りすぎていくサービス。
そこで遂に、クリストファー・リーヴ=スーパーマンとヘレン・スレイター=スーパーガールが並んで立つのだ。
映画『スーパーガール』('84)へのカメオ出演をリーヴが断り、その後のシリーズ化計画も頓挫したため実現しなかった画であり、感慨深い。
コミカルなシーンとシビアなシーンがバランス良く配置されていて、少しもたつく箇所もあるが、胸熱だったり泣かせたりで、充分楽しめた。
スーパーガールがキャプテン・マーベルと重なって見えたのが、ちょっと残念。
以下は非難を覚悟で言う……
スーパーガールは金髪でミニスカートじゃなきゃ‼️