「惨めでも、情けなくても人生」海よりもまだ深く 秋野咲良さんの映画レビュー(感想・評価)
惨めでも、情けなくても人生
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私は今是枝監督の作品を巡っていて、これは6本目なのだが強いていうなら「歩いても歩いてもと」似た鑑賞感の作品だと思う。母に樹木希林、息子に阿部寛をキャスティングし、決して綺麗事だけではない家族の人間関係を多面的に映像化した。
阿部寛が演じるのは、昔は作家として有名な賞を取って大成したが今は落ちぶれて、ギャンブルが趣味の情けない父役。母役の真木よう子との間には1人の息子がいるが、完全に愛想を尽かされており、養育費も払えないため息子と1ヶ月に1回会うのでさえ渋られている様子。現在も、真木よう子にはもう新しい恋人がいるのだが、そのデート現場をコソコソ隠れて尾行したりなど終始情けない。
でもそんな2人が昔は好きなもの同士だったから今息子の存在があるわけで、、、
この映画のタイトルである「海よりもまだ深く」という歌詞が入ったテレサテンの「別れの予感」という曲が流れるシーンでの樹木希林のセルフがとても良かったので必見です。
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