「【”女王になる前に、私も民と共に祝いたい!”今作は、1945年戦勝記念日にエリザベス王女と妹マーガレットがお忍びで街に出て、民、兵士の喜び、哀しみを経験し、成長するヒューマンコメディである。】」ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”女王になる前に、私も民と共に祝いたい!”今作は、1945年戦勝記念日にエリザベス王女と妹マーガレットがお忍びで街に出て、民、兵士の喜び、哀しみを経験し、成長するヒューマンコメディである。】
ー 世界に、王族、皇族が居る国は多いが、個人的には英国と日本ほど、王族、皇族の方々を敬愛している国はないと思っている。マア、英国では最近そうでもない人も、いるけれど。その中でも、エリザベス2世ほど長きに亙り、民に愛された方は少ないと思う。
それは、様々なドキュメンタリー映画でも描かれているが、持ち合わせた聡明さと機知に富んだ対応や、ユニークさを兼ね備えた方だったからだと思っている。
今作は、実話ベースであるそうだが、エリザベス2世が若き頃から、上記の資質を持っていた事が、明瞭に描かれているのである。
■1945年5月、ヨーロッパ戦勝記念日。
国を挙げてのお祝いの夜に、お忍びでバッキンガム宮殿を後にするエリザベス王女(サラ・ガドン)とやんちゃな妹のマーガレット(ベル・パウリー)。
付き添いがガッチリと監視するはずが、彼らもイロイロとはしゃぐ中、目を離した隙にマーガレットはバスに飛び乗り、エリザベスもそれを追って街に飛び出していき、離ればなれになってしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・産まれてから、庶民の生活をほぼ知らずに育った、エリザベス王女(リジー)とマーガレットが、はしゃぐ様がとても可愛い。
この設定は、誰でも知っている「ローマの休日」である。
・リジーが、初めてバーに行き、民が喜びで踊り歌う中、知り合った宿舎から逃亡していたジャック(ジャック・レイナー)との関係が、徐々に好転していく様が観ていて、気持ちが良い。
・その中で、リジーは自分が知らなかった、ジャックが語る仲間の死に至る過程に耳を傾け、又、民の悲しみも学んでいくのである。
・面白いのは、お付の者もはしゃぎすぎているシーンであろう。こらこら。
そして、お転婆なマーガレット王女が、一見紳士風の男に娼館に連れていかれ、眠りクスリの入ったカクテルを呑んでしまうシーンから、リジーがジャックの助けにより彼女を助け、娼館の主が男を殴りつけて、主が並べてある英国王室の人々の写真を嬉しそうに説明するシーンも良い。
・リジーがエリザベス王女と分かると、人々が直立不動で敬礼している中、悠然と歩くシーンも良かったな。
・そして、リジーはジャックを宮殿に招き、国王ジョージ6世(ルパート・エヴェレット)と、王妃エリザベス(エミリー・ワトソン)との朝食の席で、彼の戦功を説明する姿を見る国王ジョージ6世(「英国王のスピーチ」で有名ですね。)の、彼女の成長を見る父親としての姿も良かったと思う。
<そして、リジーが車をブッ飛ばしてジャックを兵舎に送り、別れ際にそっとキスを交わし、衛兵に”見なかったわよね。”とニッコリと笑う姿も良いのであるなあ。
今作は、1945年戦勝記念日にエリザベス王女と妹マーガレットがお忍びで街に出て、民、兵士の喜び、哀しみを経験し、成長するヒューマンコメディなのである。>
