「若きエリザベスが凛として清々しい異色の歴史ドラマ」ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
若きエリザベスが凛として清々しい異色の歴史ドラマ
史実を彩るエピソードに、若干の脚色を加味した歴史ドラマの佳作。オスカー受賞作『英国王のスピーチ』はジョージ6世が「開戦」を宣言するラジオ放送を行うところで幕を閉じたが、それから6年後にあたる本作では、同じ英国王がラジオで、今度は「勝利」を宣言する。その放送を宮殿内ではなく外で、一般の民衆と共に受け止めたいという若きエリザベスの願いもあって、彼女と妹、それに従者たちはお忍びで外出を許されることに・・・(これは有名な史実)。外の生活と人々の熱気に翻弄されるエリザベスは、さながら不思議の国に落下したアリスのよう。後の女王へと成長する彼女が次第に凛とした表情を獲得している様が清々しく、頼もしい。
ちなみにルパート・エヴェレットは、『英国王のスピーチ』のコリン・ファースと名作『アナザー・カントリー』にて共に名を馳せた名優。彼らが別々の作品でそれぞれジョージ6世を演じているところにも、キャスティングの”遊び心”が感じられる。
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