フェニックス・インシデント 襲来のレビュー・感想・評価
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自宅にて鑑賞。日本劇場未公開作。SEやBGMの附いたPOV。'97年3月13日アリゾナ州フェニックスで発生した“フェニックスの光”と呼ばれる怪光現象、エストレラ山で起きた男性四人の行方不明事件を軸に描く。短い尺乍ら、中盤迄繰り返される事件の背景を語った「静」のパートと事件に遭遇してからの激しい「動」のパートとメリハリがついており、何度もインサートされる実際の映像等、多角的な凝った構成。好みは分れるであろうが、昔のTV番組『○○スペシャル UFO特番』が好きだった向きは、きっと愉しめる筈。65/100点。
・複数のエキゾチックな地域で繰り広げられる暗視映像から始まる冒頭は『モンスターズ/地球外生命体('10)』を想起した。亦、以前に同じ事象を扱った『CE4 エイリアン・アブダクション('07)』があったが、主人公カップルとその妹、友人夫婦に居合わせた男性ドライバーと6人の男女が被害に遭う上、エイリアンの誘拐に焦点を合わせた作品であり、本作とはテーマが違う。
・実話に基づくと云うオープニングのテロップやエンドクレジット内のキャスト欄に並ぶ多数の"himself"・"herself"からも判る通り、虚実ない交ぜの内容だが、舞台となった地域で事件以降の或る時期に行方不明者が多発したのは現地新聞でも報道された事実である。亦、製作中にwebサイトに米国司法省から不正アクセスがあり、肖像権を盾に双方が弁護士を立て、交渉中との報道があったが、後にサイトは復旧している。
・途中、V字型のUFOについての証言や言及もあるが、作中では(画像以外)三角形のしか確認出来無かった。ショットガンで撃たれても問題無かった筈なので、エンドロール後にある動画は蛇足にも思えたが、振り返ると寧ろ銃撃のシーケンスの方が不要な事に思い当たった。そして実際の証言に度々登場するベルギーと大阪はやや意外に感じた。
・アップルTV起ち上げ時のコンテンツの一つとして公開された際は、様々な映像が追加された"secret viral campaign"と銘打たれた特別篇があり、四時間以上の長尺になっていた。
・独創的なデザインのエイリアンは、TVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ('11~)』に登場する“ドラゴン”のVFXを担当したチームが当たっている。他にも明滅やノイズ等が気にならぬ程の迫力に満ちた戦闘シーンは、ゲーム業界でFPSと呼ばれる正にPOV手法のTVゲーム『コール・オブ・デューティ』シリーズ等を代表作とする製作陣がボイスオーバーやモーションキャプチャー等の技術を駆使し、参加している。
・鑑賞日:2016年3月29日(火)
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