好きにならずにいられないのレビュー・感想・評価
全66件中、41~60件目を表示
この結末をどう見るか
個人的には「あ、終わってしまった...」というエンディングであり、確かにあれでこの映画で描きたい部分は完結したのかもしれないですが、どうしてもサッと幕が降ろされてしまったような印象でした。
しかし、物語の中ではいくつも身につまされる思いを抱かされ、理不尽や自身の不器用さに苛まれながらも淡々と強く生きる主人公フーシの姿には惹きつけられるものがありました。
演出のよって制作側が伝えたいことを視聴者に分かりやすく表現するというよりは、観る側の視点に任せているといった印象があり、人によって解釈が180度違うような映画だと思います。
前へ進むための失恋はハッピーエンド
43年間恋人が出来たことがない。当然独身で、趣味はジオラマ製作。職場では同僚にいじめを受け、でも逆らうことが出来ない弱気で内気な性格。見た目は大男で強面だから、仲良くなった少女をドライブに連れて行っただけで誘拐犯扱い。そんな男が、43歳にして大真面目に恋をした。ルックスも経験もお金も何もない彼は、ただただ優しさだけをもって彼女に近づいていく。彼女に恋をしたことで、少し行動する男になる。そんな姿に、こちらが勇気をもらうような感じ。だからと言って、ハートウォーミング映画みたいなことにはならないし、映画がゴールにしているのは、二人が結ばれて終わるような安易なハッピーエンドではない。この映画が応援しているのは、彼女との出会いをきっかけにして、フーシが一歩踏み出す勇気を得ること。だからハリウッド・ロマンスやハートウォーミング映画のような筋書きは通用しない。きちんと、フーシの「思い癖」の変化を見つめている。
ひょんなことで別の職場で働くようになった時、「おい新入り!」と声を掛けられ一瞬身構えるフーシが、「試合を見に行くからお前もどうだ?」と誘われて戸惑ったような顔をする。まるで虐げられて当然の自分が誘われて驚いたかのように。そして「これはお前の分だ」とビールを差し出される。世間は、あなた自身の自己評価ほどあなたを低くは見ていないんだよ、と主人公にそっと微笑むような優しいシーン。とても印象に残った。
フーシの恋路は、その優しさだけではどうにも出来ずにビターな結末を迎えるけれど、それでもこれはハッピーエンドだと思える映画だった。傷つき、落ち込むんだりしても、昨日までより少しでも前へ進むための失恋なら、それはハッピーエンドなんだと、フーシの肩を叩くようなそこには優しさがある。エンドロールで流れるメロディーはとても切なくて悲しい旋律だったけれど、同じくらい優しくて慰められるようでもあった。だからこれは、とても切ないけれどハッピーエンドなんだ、と思った。
観たよ。 いい人の話だった。 太った人を見る目が変わる。 ひたすら...
観たよ。
いい人の話だった。
太った人を見る目が変わる。
ひたすら、いい人の話だった。
この映画の評価が高いってことは、けっこう幸せなことかもしれない。今日も満席だったしな。
彼の何がいけないんだ!
好みのタイプの男性が「優しい人」って言う人にはお薦めです。是非あなたの周りにも彼のような優しい男性はたくさんいるはずなので、今一度見直してみて下さい。きっと、一生を掛けてあなたを愛してくれるはずです。
男の矜持
初めて好きになった女に対するフーシの献身な行動(度が過ぎた所もあったが)
それは、フーシが男としてのプライドに目覚めた結果だったのか
デブでもハゲでもオタクでも優しく行動力ある男フーシはカッコいい!
劇中、陰湿なイジメのシーンが出てくるがイジメも世界的な問題なんだな
イジメはイジメてる側が全面的に悪いんだよ!それを傍観してる奴もイジメてる側だな!
「イジメられたらやり返せばイイんだよ」と
言う意見もあるが、フーシのように誰も傷つけたくないという想いが強い人ほどイジメの標的にされてしまうという現実・・・
イジメっ子もイジメられッ子もこの映画を見て優しさや強さを欠けらでも学んで欲しい。
飛行機マニアにもたまらん映画です(笑)
ポツンと島国ゆえ、ハリウッドともヨーロッパとも違う感情表現を持っているのかしら。ふと思う。
階下の父子家庭の父がビョークそっくりでビックリ…。
毎週金曜日にひとりでタイ飯パッタイとジオラマにシリアル+牛乳だけの生活から脱却。
ハリウッド映画みたいにハッピーエンドの形にはならなかったけど、フーシの世界は恋によって広がったね。エジプトでさらに彼なりの成長があるに違いない。
きっかけを作ってくれた母親と別れたカレシに感謝だ。
しかし、どの国でもイジメはあるもんだね。イジメた同僚はイケスカンけど、クリーンセンターの外国人労働者たちはいい奴ばかりだ(ドゥシャン?と聞こえたからセルビア人か、スラブ系の人たち?かな)あとタイ飯やのタイ人らしきオーナーとか。
フーシという男の話。
原題はFusi(フーシ)
その名のとおりフーシという名のデブ、ハゲ、オタク、童貞の43歳独身の男の話。
子供の質問は直球すぎて笑えるし、フーシがイイ人すぎて同情を通り越し思わず好きになりかけた。
フーシの人生が一歩だけ前に進み変化したかのように感じられるんだけど結果コレ誰も救われてないよね…
これからという感じで終わる。
それをやったらアカンやろうって事を全て優しさから、やってしまうフーシ。
容姿も含め差別されてしまうフーシ。
あんたどこまで優しいんじゃい!
フーシの優しさと純粋さに心の中がかきむしられた…それはもう無茶苦茶に…
ひとりで抱えず、専門機関に相談を
シャイな中年男が恋をして成長する物語…かと思いきや!
重いメンタル系疾患を持つ恋人をひとりで支えようとして失敗した事例報告の映画でした。
フーシは優しくて器用で適応力もけっこうあるし、じわじわ伝わる魅力を持った人だと感じました。本当に優しい人じゃないと子どもは懐かないからねぇ〜。
シェヴンとの出会いは、彼が外の世界に出て行く良いきっかけだったと思います。
でもまぁ、シェヴンがあんなに重いとは予測つかないよ。フーシはヘルプを出すのが苦手な人だからひとりで頑張っちゃったんだよね。大好きなシェヴンをなんとか支えられると思ったんだろう。
でもまぁ、あんだけ重いとひとりじゃ無理だ。
次は安定した人と出会えればいいな、と思いました。でも、またシェヴンレベルの重い人を好きになっちゃった場合、今度は専門家(医療・福祉)と連携して愛を深めていってほしいと思う次第です。
誰も成長しない話
ポスターを観た時はコメディー映画なのかな〜と思ったのだけど
ああ、何と悲しい映画だろうか〜。
途中まではとても良かった!
始めて女性と接する童貞男のためらいや淡い期待が
画面の中に溢れてて、ワクワクし、思わずフーシ、頑張れ!
と呟きそうになった。
大男で、見た目は全く冴えないけど
大事にしている戦争ゴッコのおもちゃが
丁寧にパッキングしてある様子や
同僚の車のエンジン音だけで調子を聞き分けるなど
本当はとてもとても繊細な男である事が解る。
料理だって上手いし、大工仕事も起用にこなす。
なんでも出来る男なのに
優しくする事しか出来ない彼は最後まで優しさしか見せない。
自分の立場が悪くなっても言い訳も出来ない〜〜
そのせいで、犯罪者扱いされてしまう。
優しさ故にストーカーまがいの事をやらかす辺りから
ヤバイんじゃね?と言う空気が漂う。
優しい事は大事なのだけどもう一歩進んで、
優しいからこそ、時には強くなって
何かを動かせなければ、優しさの意味が無い。
ヒロインが途中から何も努力しなくなるので
全く魅力が無くなって、単なるぶち切れ女に成り下がる。
そこも、入り込めない所なんだけど
この映画の様な、男は黙って〜〜みたいな終り方が
カッコ良いと思ってる事自体が男性目線の映画なんだよな〜〜
女にとっては、優しいだけの男では、ダメなんだよ…
面白いと思って観ていたんだが
最近多いかな?アイルランド映画。
狭い世界で、自由に生きている独身貴族の主人公。
自分に甘すぎる(太り過ぎ)が、存在感はある。
しかし、後半からは感情移入でき無くなってきた。
彼女の魅力が分からない・・・・
とても美しいとの設定の様だが?
フーシよりもフーシの親友が良かった。
無償の愛・無性の愛
気になる人がいる。
その人に近づきたい。
話しかけたい。
自分のことを見てもらいたい。
自分のことをいい人だと思って欲しい。
自分を良く見せたい。
いい人と思われたい。
フーシと自分を見比べてみた。
自分はこれほど
無償に人を好きになれるか?
無性に人を好きになれるか?
このレビューを書きながら
なぜだか涙が止まらない。
フーシを通して自分を見たような。
そんな感じ。
60点
フーシいい奴!
非モテおたく、頼りないけど周囲からそれなりに愛されてる。女ていう最高にノイジーな存在によって収奪/同時に贈与を覚え、日常が少しずつ変化していく。Happy/Badでないラストが詩的
フーシはフーシ
40過ぎて童貞、親と暮らし、同僚にいじめられ、趣味の世界を大事にするフーシ。
限りなく狭い彼の生活に、意味を探してしまう。
良いことはないし、恋の行方も分からない。
彼のような人生は送りたくない…かな?
でも、誰も彼の人生に口出しなんてできやしない。彼は、人に同調するでもなく、いじめられても相手を恨むでもなく、好きな女性のためそこまでやらなくてもというとこまで尽くす。
フーシはフーシ。
だから意味なんて探す必要ない。
私は原題のvirgin mountainの意味を知る前、彼にとって初めて自分以外の人と向き合うという山を越えようとすることなのか、とおもいました。
そんな風に深読みしなくても、フーシはフーシなのですね。
ビバ映画。
フーシの精神性に感動
童貞で中年の大男が憐れにも恋に落ちる話だ。この男が見掛けに似合わず素直で寛容で優しくて純情で一途なものだから、それだけでも泣けてくる。
ジオラマやラジコンが好きで子供も好き、しかもきれい好きでマメな性格なのに、持って生まれた内気な性格が災いして、中年になるまで女性に縁のない生活を送ってきた。母親の愛人からチケットをもらったダンススクールのレッスンで女性と出逢う。その女性がまともならいいのだが、映画は一筋縄でいかない展開になっている。
女性はプライドが高くて我儘でズボラで、おまけに躁鬱病だ。ほとんどサイコパスみたいなこの女性に振り回されるだけ振り回されながら、主人公フーシは決して怒らず、どこまでも優しく接し、限りなく与えていく。
ほとんど何もいいことがないフーシだが、気にせずに静かに淡々と生きていく。そして人に優しくしつづける。このような奇跡の精神性が禿げて太ってオタクの中年男に宿っているという設定が素晴らしい。
邦題は映画の内容とまったくイメージが異なっており、こんな邦題をつけるくらいならカタカナで「フーシ」というタイトルにしておけばよかった。この傑作映画の日本での興行成績が芳しくなかったとしたら、それは邦題によるところが大きい。
フーシがいい人すぎて切ない
淡々とした日常の中で、それぞれが抱える不安や不満を、フーシはその巨体で跳ね返す強さと優しさを持っている。
けれど躁うつさんに振り回されて同情してしまう。彼にとってはこの「振り回されが社会への、大人への第一歩になったのだが。
またもや邦題がダメ。
凄烈な優しさに感動した!
人の根っこにある優しさを現代の生活の中で表すと、こうなるよな。実際には表しきれない自分を分かりつつも、心が揺すぶられる。
見て良かった。
それにしても、北欧系の映画に心が洗われることが多い様な気がする。物や金の存在感を軽くして、人間を真正面から描いているからかな。
オタクの優しさが世界を救うのだ!
洋の東西を問わず世界中どこにでも、フーシみたいなオタク人種は存在する。
映画を観ているあいだ中、フーシの幸せをずっと祈ってしまった自分…。
見た目はイマイチだけれど、とてもチャーミングな男性でした。
淡々とした日常
デブは摂生が出来ないからデブのままで、だから、デブは嫌われる。
だけど、他者や社会に迷惑をかけてなければ、摂生するもしないも本人の自由。マイペースで生きればいい…。
本当、マイペースな作品だった。
淡々とデブの話が続くし、美人と言うよりもオバさんとの恋愛はオバさんの病気が怖かった…。
実際、あの病気はそう言うものらしいですね。
それに戸惑いつつ、自分を犠牲にしてまで、優しく包み込もうとする主人公はデブだけど良い奴です!。
哀愁漂うなぁ…
容姿がパッとしないフーシに職場や家族からの冷たい言葉。やっとであった彼女と、毎日を変えようとゆっくり動くフーシ。奔走しているのでは決してない。
マイペースだ。
だけど、フーシに感情移入してしまう作品。なぜだろう。
フーシが辛いときは、私も辛かった。
全66件中、41~60件目を表示