「心優しき道化」好きにならずにいられない Yyさんの映画レビュー(感想・評価)
心優しき道化
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映画を見終わった頃には、冴えなくてどんくさくいけれど、心優しいフーシが好きになる。
宮沢賢治の雨にも負けずを思い出した。
「東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
誉められもせず苦にもされず …」(抜粋)
あまりに自己犠牲的で素直だから、途中何度も騙されてバッドエンドになるんじゃないかとひやひやした。けれど周りの人間たちも彼の心根の良さを知っていて、気遣ってくれたのが救いだった。
ハッピーエンドとはいかないが、希望のある終わり方でよかった。
彼の愚かしくも温かい優しさに、少し勇気をもらった。
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