はじまりへの旅のレビュー・感想・評価
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子育ての話じゃなかったんだ!
最初は子供側に感情移入して、「こんな人が自分の父親だったら大変だなぁ」と思いながら観ていました。
しかし話が進むにつれ「これは父親であるベンの成長物語なんだ」と視点が逆転し、その後はエンディングまで一気でした。
自分の信条とかより子供が無事に育ってくれることが大事、とベンが気づいてよかった。
そして子ども自身で色々選択できる生活(とりあえず普通に学校は通うetc)へ軌道修正してくれて。
父親に振り回され、ハイスクールでの恋愛を経験できなかった長男のボウドヴァンや屋根から落ちてあわや死ぬところだったヴィスパーは可哀想でしたけど、まあ「終わりよければすべてよし」かな。
・・・とまとめつつも、ベンが最後まで突っ走る展開も見てみたかったと少し思うのでした。
子育てするにあたってのバランス
父親は世間一般の形ばかりの教育を嫌い、徹底して自らの方針一本で、子供たちを強い人間にしようと英才教育、というより軍隊並みの訓練を施す。これが極端で面白い。
気持ちはよくわかります。
ビブンセキブンとかより、肉のさばき方を知っている方が絶対に役に立つ。
日本でも、アメリカその他の国でもそうなのでしょうが、形骸化した教育への突っ込みがいい。
でも、この地球上に生きている以上、人とのかかわりは必須であり、そのためには妥協や、不条理なことへの譲歩も必要。
この家族にはぶっ飛んだままでいてほしかったので、ラストはちょっぴり残念な気持ちにもなりましたけども、子供たちが良い人間になるために、父親が良い父親になるために、なるべくしてなった結果ということで、ハッピーエンドですね。
ガンズの曲で歌い踊るシーンはよかった。
あれを見て、いくら一般社会に迎合しようと、この子たちは自分を失わずにいける、と納得できた感じがします。
子供に聞かせたくない
妹家族との夕食のシーン
大人が子供に聞かせたくない事って何だろうなって
本当に大切なことを教えてないのって親なのかもしれないって思った
あとボウが旅立つ時に言ったベンのセリフが最高すぎた
「女性を抱く時は優しく、大切にしろ。愛してなくても大切にしろ。常に正直に。高潔に。その日を人生最後の日だと思って生きろ。大胆に挑んで楽しめ」
こんな親ばかりならいいのに。
何故か父親を思い出した。
父も自分をこんな風に育ててくれてたのかなと思うと泣けた。
劇場出る時に泣けるタイプの映画でした。
親と子の成長の物語
「何も知らない!本で読んだこと以外は何も知らないんだ!」
この時点で子どもはただ知識を蓄えているだけの状態。それはつまり、親の敷いたレールの人生を生きることで、現実社会では生きられない。
では、そこから自分の人生を歩むにはどうすればいいのか。
そう、知識を活かして行動するしかないのである。
「希望はない と思うと確実になくなる。自由への衝動と物事を変えるチャンスを感じたら 世界をよくできるかもしれない。」
こうして、子どもたちはようやく自分自身の人生を歩み始める。それは父親にとって自分の子育て観を見直すことに繋がる。
最後の食卓を囲んで家族で朝食を食べるシーン。父親はただ見つめるだけ。子どもたちは自分のやらねばならぬことをそれぞれしている。父親は与えられるもの全てを子どもに与え、それを見守り支える。子どもは与えられたものを生かし自らの人生を歩む。
そう、ようやくここからが人生の始まりなのだ。
お母さんがくれたきっかけ
お父さんにとってもはじまりなんだなと感じました。
1番上のお兄ちゃんはお父さんの気持ちとお母さんの気持ちを感じ取って大変だっただろうな。
ハーバードに行って、同級生を驚かして欲しかった。
シュール感はいいけど、微妙なかんじ。
ちょっとおしゃれで小粋な小品ぽさに惹かれてみました。
自分の考えが正しいと信じて疑わず、
それを子供に強制する親がだいっきらいなので、
最初っから父にイライライライラ。
次男の反抗、長男の悩みなど、あたりまえよーーと思いました。
まあ、チョムスキーの誕生日を祝うとかシュールすぎるし、
なんであの環境で6か国語もしゃべれんねんとか、
胡散臭さが一周まわって笑えるという感じで、胡散臭いと
面白いが同居しつつ見られたって感じです。
誰しもが、自分が思う正しいことに従うしかないんだけど、
自分の正しさは、他人にとっても等しく正しい訳ではないことは、
自覚すべきだし、
子供に伝えるときは、自分はこれが正しいと思うから、あなたをこのように教育するけれども、
いろんな考え方があるから、あなたはあなたの正しさを見つけて、親の正しさが違うと思ったら、拒否する権利があるんだよって、ことと合わせて伝えられる親であり、人生の先輩になりたいです。
ジョージマッケイ(長男くん)がよかったです。
親子の業からは逃れられない
資本主義がはびこる人間社会を嫌い山奥で暮らすヒッピー家族のお話。
ストーリーのテンポも良く、映像も美しく、子どもたちも可愛らしく、愉快で笑えてちょっぴり泣けて、バランスのよい作品で、そしてメッセージ性が強い。
監督は彼らの生き方を讃えるような映画を作りたかったんだろうか?とも思えるんだけど
それにしては描写が極端でコメディちっくで、皮肉めいてる感じも受ける。とはいえ、彼らと対比してもっと皮肉に表現されているのは資本主義社会で一般的な暮らしをする人々。
超マッチョな父だが、そのあり方を否定され、傷つき、自身を深く反省するシーンもある。
家族のあり方、社会との関わり方、異なるものの受容性、を考えさせられる作品でした。
一番強く考えたのは、子は親を選べない、ということ。
家庭で学んだことは子のスタンダードになってしまう。思想も生活スタイルも感情も愛情も。
子の自我の形成のためにも、そのスタンダードを自分自身で認め、自ら消化し自分のものにするためにも、他者の存在から遠ざけるべきではないと改めて感じた。
親自身の価値観を否定されたくない、自分を正当化したいというのは自衛本能的なものだと思うが、それを子どもに押し付けるのは親のエゴだ。
押し付けなくても子どもは理解し、自分で考え、受容していく。その過程には反抗期もあるだろう。
親は子を守るためといいつつ、自身を守るために愛情を歪めてしまってないだろうか、
親の心子知らず、子の心親知らず。本作後半のベンのように自問自答し自身と子とを省みながら育てていくのが、親のあるべき姿なのかなぁ。
社会風刺×家族ムービー=スーパー強盗?
登場人物がひとりひとり、とても魅力的。
父から子へ伝えられる「アメリカのアメリカによる社会風刺」はとても自然で小気味よい。
…しかしながら、子どもたちが6人もいるせいなのか、全員を描き切れなかったのは残念。
大自然の中で妻を癒し子どもを育てよう、高水準の教育を施そう…うん、立派。分かるけど…何でコンバットナイフと対人格闘術が要るのか。社会に出すことを考えてるのかーってのは序盤から見えているし、後半には人物の造形がブレブレ。スーパーの強盗にいたっては祖父の言うとおりだろうなあ。
そして、これは私の見間違いかもしれないが、もしかして字幕にミスがあったのでは?
×鈍器損傷 ⚪︎臓器損傷 ?
子育てっていろいろだな
夫のチョイスにより、予習なしで観に行った作品。2007年に観た映画以来思い出すことがなかったノームチョムスキーの名前や思想を聞くとは、懐かしかった。隣の人が私とは異なるポイントで幾度も笑っていたので、教養があればもっと楽しめたのかもしれない。
子育てはいろいろだ。ベンのように全てを伝える子育ても、伯母さんのように子どもを守るために情報を操作する子育てもあり、どちらが正しいとも良いとも言えない。しかしながら、大学へ行くにも渡航するにも物資を購入するにも、結局は「お金」が必要なのだと改めて痛感した。
宗教の風刺を描いた作品としては、PKの方が好きだ。この映画は宗教について、PKのようなメッセージをこめたものではなかった。宗教の話は好かないので、両作品くらいの扱い方が私には良い。
奇しくも、前回同劇場へ行ったときも、火葬場以外で火葬を勝手に行う作品を観た。たまたまなのか、最近の流行りなのか。ちょっと気になる。
ひどいけど憎めない
ホームスクーリングであそこまで叩き込むのはスゴイと思うけどやはりその限界もある。その限界に父が気づくのはよかったけれど、母親(妻)の命が犠牲になったことを考えると、代償は大きいと感じる。などなど、いろんなことを考えてしまったけど、映画の中に出てくる子どもたちはみんな本当に魅力的で生命力に満ち溢れていて、魅了された。お父さんの教育法には色々問題もあるけど、興味深いという感想じゃダメで自分の意見、考察を求められる、つまり自分の頭で考えて自分の言葉をもつことを求めるやりとりは共感だし、最後に巣立つ長男にかけた言葉、とくに女の子の扱いについてかけた言葉はあの父親らしくて、最後まで憎めなかった。
批評性に飛んだ作品
家族愛、常識についてなど切り口はたくさんありますが、この映画はエゴを扱った物語だと感じました。
父親は子供たちを支配するモンスターで、社会から孤立した環境で彼らを洗脳しているように見えます。
そのような中、ある事件をきっかけに父親が自らの過ちに気づき、森の生活を選んだ本来の理由を思い出すことで愛の意味を再確認でき、その結果家族の絆が再生していきます。
閉じられた世界の中の暴君であるCaptain Fantasticから地に足のついたCaptain Realistic に転回するところにドラマがあるなぁと感じました。
しかし、個人的には冷めてました。それまでの父親のやり方は度が過ぎていて手遅れに近いと思ったから。
8歳の子供が合衆国のナンチャラを暗唱し、自分の考え(という名の父の思想)を語るという背筋が凍るシーンがあるけど、小さい子ほど父親の価値観に疑いがなく、純粋培養なのが伝わります。父の改心で一家は社会の中に戻るが、生まれてからずっと森で育った若年グループの子供たちは、ゲームをはじめポップカルチャーが氾濫する現代の子ども社会にすんなりと馴染めるのだろうか?今までの社会を敵視した価値観を持ちながら適応はできないだろう。
エンド後の彼らの大変さ・苦しさは想像を絶するものになると思います。オヤジ罪深過ぎます。
(子どもだから可塑性が高く、今の家族関係が安全なのですぐに馴染む可能性もあるけど)
一方で、頻発するブラックなギャグは基本気まずくて面白かったです。チョムスキーおじさんの誕生日は気持ち悪すぎで最高でした。あれ、チョムスキー本人が見てもキモいと思うだろうな。
現代の価値観に疑問を抱かせつつ、一家の価値観もどうなのか…と投げかける本作品はとても批評性が高いと思います。従って、多様な受け取り方ができるような作品なのでは、と感じた次第です。
父親が問題ありすぎに感じられたため、個人的には作品に没入できませんでした。しかし、色々と思いを巡らせることができる深い内容だったため、結果的に観て良かったと言えます。スイートチャイルドのメロディの良さを再認識できたし。アコースティックバージョンは本家ガンズより好みかも。
a happy hippie family
人里離れた山奥に暮らしながら、個性的な6人の子供達を教育するお父さん。
野生動物を狩り先住民のような成人の儀式、自給自足の生活、護身術や厳しい体育を行い、様々な書物で科学や文学、政治的思想や哲学を教え、試験もするし、楽器を奏でて即興演奏もする。子供だからと言って、彼らの素直な疑問にあやふやな回答はしない。家族の団結力は強く、親を敬い、兄弟で助け合う。
学力や能力という面では学校教育より優れてみえました。お父さん凄すぎです(^^;)。
しかし社会生活や人間関係の構築、多様な価値観だけは、いくら大家族でも学べない。同世代と関わりながら共に成長する機会も必要ですよね。
お父さんが何故アンチ資本主義となったのか、何故あれほど文明に反抗するのか、弁護士だった母親の詳細など、その辺りも知りたかったです。
お父さんの後悔の涙、家族の絆に泣けました。
子役がみんなとても良かった。
子供達、軍に志願したら重宝がられるだろうなぁ。
ん?思想的にダメかな?
少し共感しづらい
原題「Captain Fantastic」邦題いまいち。主人公がエキセントリックすぎて、なかなかに共感しづらい。子供たちは、最高に可愛い。あと音楽がいいなあと思った。まぁ、ヴィゴが泣く演技は最高にカッコイイ(と指輪の時も思ったのだが)ので、満足である。
家族愛を感じるファンタジー
深く考えないで、そのまま没入して、観れば、結構楽しめる。
文明から途絶した山奥から、都会へ出てきた大家族の心温まるお話。
「嘘でしょう」と言いたくなるのが、
幾つあるかで、貴方の知性が試されます
そう言う意味では、「反文明」「反社会性」
的な内容です。決して真似をしてはいけません。結果せいぜい餓死するか、崖から転落するか、刑務所に入ることになるでしょう。
まあそれが映画の楽しみでもありますがね。
気楽に観てください。
とてもよかった
山でサバイバル生活をする一家の話でワクワクしたのだが、もうちょっと狩や自給自足ぶりを見せて欲しかった。また、欲を言えば、家族の殺人マシーンぶりも見せて欲しかった。
焚き火の明かりで読書するのは目が悪くなるのではないだろうか。虫やダニにどう対処しているのか気になった。
長男がキスをされた途端、プロポーズするところがとても童貞らしくて面白かった。女の子の性も描いて欲しかった。
そんな彼らが文明社会と折り合いをつけなくてはならないところが悲しかった。しかし、お父さんもちょっと頑なすぎる。葬式に赤いスーツはどうかと思うし、本当に遺灰をトイレで流すのもどうかと思う。
嗚咽が…
人里離れた山の中で暮らす、父親と子供6人。学校には通わせず、狩猟して生肉を食べたり、崖を登って滝行したり、けったいなスパルタ教育をする親父かと思ったら、『カラマーゾフの兄弟』や私もいつか読もうと思ってまだ手を出せていないジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』や物理学の本など、書物を通じて子供を教育し、クリスマスの代わりに人権主義者のノーム・チョムスキーの誕生日を祝って、物質主義、資本主義の問題点を教え、教室で学ぶ以上の知識を子供に与えている。それが、入院していた母親の死によって、祖父母の家で行われる葬式に向かうことに。
父親は確かに変わっているけど、それもこれも全て子供のため、妻と一緒に理想の教育を考えて実行していること。途中で立ち寄った、自分と正反対の妹夫婦の教育方針(というか普通の家庭教育)に対して強く否定するわけではなく、子供の反抗に対してもきちんと耳を傾ける。実際、妹夫婦の息子達よりも教育効果が上がっていることは誰の目にも明らか。
6人の子どもと力を合わせて愛する妻を失った悲しみを乗り越えていた、のに。祖父母の家で、それが綻び始めた。
妻と話し合って築き上げたこの教育方針は子供を傷つけることだったのではないか、と気づいて、とても辛い決断をする。それは自分自身の生き方の否定にも繋がることである。愛する人達と信念の両方を失って、生き直す主人公。
ヴィゴ・モーテンセンは50年代生まれなので、子供達の年齢からするともう少し若い俳優でも良さそうだけど、彼でなければならなかったんだろう。
アカデミー賞授賞式で彼の隣にいた、太ったロン毛の若者が息子だそうで、彼自身の教育方針に主人公と通じるものがあったのかもしれないと思った。
「悪意のない過ち」に気づかないうちは、本人も周りの人間をも不幸にする
この家族に肯定的な意見が多いことに、大きく違和感を感じずにいられない。
信念のある子育てを徹底していることには頭が下がる。それが、「普通」でないとしても。変人であることを否定するつもりもない。家族愛は強固だし、一人一人がたくましい。
だけど、どうも違うんだよなあ。
徹底したコメディなら笑って面白かったんだろうが、どこか説教クサかった。
たしかに、食事中にゲームに気をとられるような子供がいいはずはない。しかし、だからと言って、8歳(だったか?)にして合衆国憲法を諳んじ、その精神を自分の言葉で語れるようになることも、どうかと思う。そりゃ頭脳明晰で結構だろうが、この年代は友達と遊び、子供社会における社会性を身に付けることの方を、僕が親なら優先したい。
結局、ミッションのいくつかは犯罪なのだ。
救いは、親父が自らの「悪意のない過ち」に気づき、最後にようやく、ちょうどいい着地点での生活をはじめたことくらいか。
偉大な家族
簡単に言うと風変わりな一家が山から下りてお母さんの葬式に向かうというお話ですが、奥が深い作品でした。
お父さんの教育は風変わりだけど子供たちは立派に育ってる。
普通に学校に行っている子よりもズバ抜けて頭が良く体も丈夫。
でも、子供たちは何か欠けてる感じがしました。
最初は感情なのかなと思っていたけど、お母さんが亡くなった事を聞いて皆号泣してたし、そうじゃない。
でも、その反応に私は少し違和感がありました。
上手く言えないんですが何か普通に見えなかったんですよね。
この映画のチラシに「普通ってなんですか?」って書かれてるんですけど。
その答えに実に困る。
テーマとしてすごく難しい。
ベンの教育は全てが間違いではないと思うけど極端過ぎたのかなと思いました。
ベンの妻や子らへの想い後悔。
子供達のお父さん、お母さんへの想い。
兄弟姉妹同士の想い。
家族の在り方とか難しい内容もあったけど、しんみりと泣いてましたね。
ラスト光景はとっても良かった、あのスタイルがあの家族には一番あってる気がします。
どんな家族にも訪れる「変化」を描いた物語
ホームスクーリングが珍しいことではないアメリカの社会では、極端に考えればこういう家族がどこかにあってもおかしくないかもしれない。森の中で子どもたちを育て教育し心身ともに鍛え上げる。「LIVE」よりも「SURVIVE」をより叩き込むようなその家族の方針は、確かに風変わりに違いないが、その分、知性も体力も一流の超人を産み育てている。しかしこの映画は、そんな彼らの風変わりさを笑ったりするコメディ映画ではないし、彼らが特別な何かを成し遂げるサクセスストーリーでもない。ひとつの少し風変わりな家族を通じて、どんな家族にも必ず訪れる「変化」の時期が描かれていた。
大きなきっかけは母親の自殺で、「今まで通りに暮らそう」という父親の言葉とは裏腹に家族全員に抗えない心の変化を生み出す。そしてそれを引き金に、反抗期を迎えた次男の存在と、巣立ちの時期を控えた長男の存在が、今まで通りの家族像に大きな揺さぶりをかける。でもこういったことって、彼らたち家族だけに起こり得たことじゃなくって、私たちが育った家族の中でも、そしてこれから私たちが築くかもしれない家族の中でも、普通に起こる出来事。風変わりな家族の風変わりな物語に見えて、普遍的な「家族の変化」の様子を、ユニークかつとても正直に描いていて、とても好感が持てたし、後半に進むにつれて、大きく心動かされる部分があった。
やはりこの家族を率いる父親像として、ヴィゴ・モーテンセンの存在は大きな役割を果たした。彼が持つ野性味と、群れを感じさせない一匹狼感、それでいて雄大な度量を感じさせるところなんか、この役柄にぴったり。逆に、ヴィゴ・モーテンセンじゃなくちゃ説明がつかないのでは?と思うほど。彼自身も、この役柄を風変わりな男としてではなく、一人の父親として捉えて演じている様子が窺えるような真摯さを感じ、静かに胸を打つ深い愛のこもった素晴らしい演技を見せてくれていた。
それと・・・。やっぱり男の人は髭を剃ってた方が若々しくなって良いよね(美しい男は特に)というどうでもいいことを思ったりして。
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